活動報告 activity

2016/06/08

16.6.7 アルベルゴ・ディッフーゾ勉強会

昨日は、北海道議会議員(白石区選出)の広田まゆみさんが主催をされている「アルベルゴ・ディッフーゾ」に関する勉強会に出席をしてきました。

KC4I0230

近年、観光に対する取り組みは地域活性化の中でも大きな位置を占めており、昨年度末の恵庭市の補正予算でも、台湾からの投資、とりわけホテルを誘致したいということで、3000万円近い事業費が計上されており、市としても宿泊施設をつくることで、観光客の滞在時間を長くしたいという考えを持っているようです。

しかしながら、北海道におけるホテル需要の季節変動などを考えると、通常のホテルを恵庭に建設するということはあまり現実的ではないように感じています。

個人的には、小規模な特色のあるゲストハウスであれば、札幌とは違う恵庭の魅力を発信できるのではないかと考えていたところですが、特にこの「アルベルゴ・ディッフーゾ」という仕組みには、大きなヒントがあるように感じています。

イタリア語で、アルベルゴとはホテル、ディフーゾとは分散・拡散を意味しており、直訳すれば「分散したホテル」という意味になります。

旧来のホテルが垂直型で、ひとつの建物のなかに全ての機能が備わっているのに対し、アルベルゴ・ディッフーゾは、地域内での分散、分業によって、全体でホテルとしての機能を持つものであり、言うなれば水平型ホテルということができるのかもしれません。

この仕組みは、イタリアでかつて起きた地震によって、集落を離れる人が増えたことによる空き家問題と地域の疲弊に対する打開策として生まれたという経緯があるそうで、事情は違えども、人口減少、空き家の発生ということに対する対策としては共通点があるように思います。

特徴としては、既存施設を最大限に活用ということがあげられ、
一般的なホテルが建設費など多額の初期投資と運営経費を要するのに対し、
アルベルゴ・ディッフーゾでは、既存の空き家、集落内のレストランなどを活用することで、大きな投資や運営経費を必要としないことが魅力です。

イタリアでは観光に関するルールは、州法で定められ、明確にホテルの一類型としての位置付けがされているそうですが、その要件として、
・ホテルの客室サービス
・レセプションの設置
・ホールの設置
・レストランの設置(集落内のレストランと提携をすればOK)
というルールがあり、宿泊者の管理ができることなどがAirBnBなど民泊との大きな違いです。

法律としての基準のほか、アルベルゴ・ディッフーゾ協会の公認をえるためには、さらに
・既存の施設を最大限活用しているか
・地域が一体となって取り組んでいるか
という点が必要とのことで、海外資本によるものなどが簡単にクリアできるものではなくなります。

このままということではないにしても、恵庭が求める宿泊施設の形としては非常におもしろいヒントがあると強く思いました。

ちなみに、講師は元イタリア大使館書記官で、国土交通省の山崎雅生さん。
北海道の観光に携わる方の参加も多く、参加者のご意見も参考になる勉強会でした。

広田さんのページでは、現地の写真なども公開されています。
http://hiromaru.jp/archives/3861

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