自治体が100%の利子補給まで行うべきか

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このところ、コメントの返信が滞っており申し訳ありません。
明日の一般質問以降にはなんとか返信させていただきたいと思っておりますので、もうしばらくご容赦ください。

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昨日の第4回定例会の議案のうちのひとつに対して反対討論を行いました。

「緊急経営安定対策融資」に係る利子補給金に対して反対をしたのですが、その前の質疑の中で、もう少し「なぜ恵庭だけが、他のまちと比べて三重の優遇をしなければならないのか」について点を絞ってお話すべきだったと反省しております。

中小企業の資金繰りが厳しい、そのための緊急対策が必要ということはその通りです。
ただ、二重、三重の優遇策を講じなければならない理由、そして、その範囲が限定されていることでの公平性の欠如が主な理由です。

他の議案と分離されていないということもありますが、
採決の結果は22:1で可決されています。

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<質疑>

1)緊急経営安定対策融資の「緊急」とは具体的にいつまでの時期を指すのか
>3月まで

2)拓銀破綻時にも利子補給を行ったとのことだが、そのときと現在の金融情勢、また恵庭の地域経済への影響を比較してどういう認識なのか。
>前回は北海道で影響が大きかった。今回は世界的。

3)利子補給を行った場合と、行わなかった場合で、返済が始まるまでの間に(据え置き期間内に)どんな差が生じるのか。
>より多くの事業者にとって借りやすい。借りた方にはメリットがある
??

4)道内他市で、全額利子補給を行っている自治体があるのか
※答弁なしだが、ないはず。
全国では、東京都の板橋区などが10割の利子補給を行っている。
しかし、これは30ヶ月と期間を区切ったもので、100%全額ではない。


5)近隣市の金利条件は?
札幌1.5%〜。

再質問。他では長期プライムレート(長プラは現在2.4%ほど)+アルファなど。他市と比べて恵庭市は特に厳しいという認識か?それならばなぜ?
なぜ、有利な条件が可能に?
>市内金融機関との協議の結果。ご協力をいただいた。
※全額損失補償があって、初めて可能な金利

6)この仕組みであれば、借りないほうが損とも言えるが、100件を超える応募があったときには、先着順となるのか。
>100件を超えるようであれば、再度補正をかけたい。

7)前回、拓銀破綻の際には90件の融資に対して、融資期間中に倒産した会社は1件ということだった。不謹慎な話だが、市が100%の債務保証をする以上、貸し倒れとなる場合も見込む必要があると思うが、何件と見込んでいるのか。今回の金融危機に対する認識が深刻であれば、当然前回よりも増えるものと思うが。
>倒産はないという想定。

8)長期にわたる景気の低迷と物価高騰の影響は事業者のみならず、雇用環境の悪化など生活者全体にかかるものだと思うが、(政府によるばらまき給付金がいつ実行されるかわからない中で、)生活者に対する融資策は検討していないのか。(勤労者生活資金融資)
>そこは政府の給付金で。道の融資がある。勤労者向けは30万円と低額、借りづらいことから、カードローンなどに流れているのでは。

平成20年恵庭市一般会計補正予算案(第5号)
債務負担行為の追加 反対討論
08.12.2 柏野大介


私は、今回上程されました議案第16号「平成20年度恵庭市一般会計補正予算案(第5号)」のうち第3条、債務負担行為補正のうち、平成20年度緊急経営安定対策融資に係る利子補給金、限度額557万9000円に反対の立場から討論を行います。


あらかじめ申しますが、私はこの緊急経営対策融資自体に反対するものではありません。
今恵庭市でも実施しております、事業仕分けについては後日一般質問の中でも触れますが、これは、現在実施している事業にとどまらず、新たに始めようとする事業にこそ、そもそもの視点で本質をとらえて見ていくことが必要だと強く感じております。

そうしたときに、確かに事業の名前としては大切な、非常に重要な事業であることは間違いがありません。しかし、中身を見たときに、それが本当に必要な部分に対し、最小限のコストで、最大の効果をもたらすものであるかを検証する必要があります。

先ほどの質疑であきらかになりましたように、今回の緊急対策融資は「特に」年末年始から年度末の特に資金繰りが困難になる時期に、経営安定を図ることを目的としております。
融資でありますから、当然それは経営努力をしていただき、返済をしていただく必要があります。しかし、今行おうとしている利子補給金の債務負担は、その緊急性のある年度内にはまったく影響を持ちません。返済をしていただく時期に、(緊急性がなくなってから)本来返済すべき額の一部を行政が変わってお支払いをするという性格です。

これらは、財政健全化メニューでもうたっている4つの視点とも整合性が取れません。
利子補給の効果は緊急性には作用しないため、時代に関係なく、そもそも目的と合致せず、
事業者と勤労者で同様な制度を持ちながら、一部のみを対象としていることで、公平性に欠け、貨幣経済の基本である利子を否定することで、受益と負担に不均衡をもたらし、
本当に必要な信用の供与という部分を逸脱して必要以上の経費がかかっています。


本当に必要な資金繰りの部分は否定いたしません。
ぜひとも緊急融資制度は必要です。しかし、100%債務補償とその結果得られる1.2%という他に例のない低利に加えて、利子の100%補給は過度な支えによって、自助の精神を阻害するもので、行政として絶対に行うべきではありません。以上の理由をもって、反対の討論といたします。

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コメント(4)

貴方のような市議が居ることに落胆しています。

●他に例がないから?ダメ?
●他のまちより優遇してるから、ダメ?
右へ習えで石橋を叩く行政が良いと言うことでしょうか?

>この仕組みであれば、借りないほうが損とも言えるが

こんな考えは、余裕のある貴方たち公務員の考えでしか有りません。
事業主は借りたら返す事を考えます、また今余裕が無いから借りるのです。


>自助の精神を阻害するもの

まるで自助努力もしないで今までのほほんとしていたみたいな
言い方は、何なんでしょうか?
世界的な経済危機!というより今の恵庭の現状をどれほど理解しているのか?
精神論で解決出来る時期はとっくに過ぎていると思うのは私だけでしょうか?

ご意見ありがとうございます。
まず、この制度は緊急的に来年3月までの間に限定して行うもので、
この他に中小企業経営安定振興融資制度というものがあります。
http://www.city.eniwa.hokkaido.jp/www/contents/1197870978100/index.html

本文でも書いておりますが、「緊急的な」資金繰り需要に応えるということで言えば、
(1)他のまちよりも低い金利で(1.2%)
(2)他のまちよりも有利な全額市の補償つき
で十分であるという考えです。

すでにこの時点で二重の優遇を行っています。
ここまでは否定していません。

右へ倣えでよい訳ではありませんが、
最小の経費で、最大の効果を発揮する政策に限っていく必要があると思っています。
満額の300万円を借りたとして、5万円ほどの利子補給になります。
ここまでつけなければ、市の融資制度としては不十分でしょうか。

行政はどこまで民間企業の経営に関わるべきでしょうか。


私はあまり安定的な仕事に就いた経験がないので、今の雇用情勢についての心配はとても大きいのですが、ひとつの職場の中でも人数が少しずつ減ってきています。こんなときに市は働く人たちに対しては融資制度を持っていながら、緊急的な対策は行えていません。

市は財政難であることを理由として、11万円という福祉予算もカットすることにしています。
あれもこれもはできない中で、利子補給にかかる500万円というお金は非常に大きいものです。


>自助の精神を阻害するもの
これは100%の利子補給を行うことによって、こうした結果を招きかねないということです。極端に言えば、この制度では300万円を借りて、その分預金しておけば、利息分がプラスになるということになってしまいます。
100%の利子補給は形を変えた現金給付であり、市の経済政策として行う域を超えているという考えです。

少しずれるかもしれませんが、
例えば企業誘致を推進するために、土地をただで提供し、法人市民税を減免した上で、奨励金まで出すとなれば過剰だとは思いませんか。

>少しずれるかもしれませんが、
>例えば企業誘致を推進するために、土地をただで提供し、法>人市民税を減免した上で、奨励金まで出すとなれば過剰だと>は思いませんか

ただ言葉だけをとらえて、判断せよとは・・・。

何事も成す為には、その時の状況が必須条件に成るのではないでしょうか?

そこがせっぱ詰まった状況であれば、誰が過剰というでしょうか。

また企業誘致には、雇用の拡大→人口の増加→消費の拡大→税の増収 という連鎖があるのでは?

商人には「損して得取れ」と言う言葉が有ります。

日本全国の自治体が企業誘致に取り組んでいます。
結果として、大企業ほど有利な条件で立地できたわけですが、今回の金融危機によって、そこで得られた果実であるはずの雇用や地方税のあてが外れました。

以前から、私は企業誘致には消極的な考えなので、むしろ創出のほうに力を注ぐべきだと思っています。

誘致にしても、ベンチャーにしても、「損して得取る」ためには、いくらの費用をかけ、どんな(いくらの)便益が得られるのかという視点が不可欠です。

(1)全額補償 → 金融機関が融資しやすくなる(借りる時点)
(2)金利優遇 → 企業の負担軽減(ただし効果は償還が始まってから)
(3)利子補給 → 企業の負担がゼロに(ただし効果は償還が始まってから)

本来ならば、市が損失補償をするということは、その政策にかかる費用が不明確になるのであまり望ましくないと思うのですが、今回はやむを得ないという判断です。金利優遇は損失補償の結果として得られているので、これも費用が不明確。
利子補給は明確に557万円かかるわけですが、(2)と重なってしまいます。


せっぱ詰まっているのは恵庭市も同様だと私は思っているのですが、最終日に出てきた補正予算などを見ていると、本当に恵庭市の財政は厳しいのか疑問に思ってしまいます。市の財政に余裕があるならば、利子補給だってやっていいと思いますから。

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プロフィール

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柏野 大介
(かしわの だいすけ)

大学を卒業後、2度の就職と合計約2年の旅行を通して、常識や慣習といった言葉に囚われない道を模索し続けています。
外に出たことで、日本、北海道への愛着はさらに強いものとなりました。

2007年4月、恵庭市議会議員当選。
2009年12月、北海道議会議員選挙に挑み落選。
市民とともに創る自治の確立のため、「見える北海道」の実現を目指し活動中。

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