かしわのブログ

2019年12月の記事一覧

行政の中立性はどこへ?

一般質問の3つ目は、行政の中立性について。

第3回定例会で、手話言語条例が制定されたところですが、市としては条例制定を広く市民に伝えるために、手話言語条例の制定記念イベントを計画しています。


これ自体はとってもよいお話で、ぜひ広く市民のみなさんにご参加いただけるイベントになってほしいと願うところなのですが、残念なことはその人選です。

日程や講師などは、11月の広報えにわに出ていたところで、私は、報告会(かしわのとえにわを語る会)に参加をされた市民の方から教えていただきました。
その方個人については、様々な考えがあると思いますが、経験を踏まえて、これまでやってこられた手話の取り組みなどはすばらしいと思います。

しかし、その方は現在、参議院議員という公職にあります。
参議院の比例代表選挙は、「非拘束名簿式比例代表制」というもので、個人名を書いて投票することが、政党の得票となって、議席が配分されるという仕組みになっています。
<現行の参議院議員選挙制度>

つまり、今回恵庭市が開催するイベントが、単なる選挙区内における議員(公職の候補者)の政治活動の支援にとどまらず、特定の政党の支援になる側面を持っています。

政治活動とは、政治上の目的を持って行われるいっさいの活動とされており、今回のイベントのチラシを掲示したり、配布を行うことは、行為の類型上、政治的行為に該当すると考えられます。

地方公務員法は、第36条2項で「特定の政党(中略)を支持(中略)する目的をもつて、次に掲げる政治的行為をしてはならない」としており、その行為が地方公務員法が禁じる政治的行為に該当するかは、その行為の目的が問題となります。(末尾に地方公務員法を貼ります)

今回の講演依頼は、講師が所属している、公益財団法人聴覚障害者教育福祉協会と当該議員の議員事務所を通じて行ったそうなのですが、オフィシャルサイトの講演依頼のところを見ると、明確に政治活動を応援しませんか?と記載されており、講演を行うことが、比例代表の参議院議員(と政党)にとって、大きな応援になるということがわかります。



また講師の選定過程では、手話言語条例制定プロジェクトのメンバーにもはかったということのようですが、会議の中では、他の講師の提案もあったものの、すでに行政側で打診(依頼?)をしているということを理由に、既定路線であったということも確認しております。

こうしたことから、今回のイベントは、行政の政治的中立性を大きく損なうものであり、中止すべきものです。

このような問題をはらんでいるにも関わらず、市は特に顧問弁護士に法的な相談を行なわずに、中止にはしないという判断をしています。

すでに開催をすること自体が、政治的中立性から考えると問題がありますが、今後は講演の内容についても、しっかりと検証を行う必要があります。

内容の検証に関しては、10月に開催された他の講演会でも、市民から宗教的中立性について疑義が指摘されたものがありました。しかし、講演の開催記録は、参加人数や感想などの簡素なもので、講演の内容や、事前に指摘があった事項に対して、具体的にどのようなお話をされたのかはわかりませんでした。

事前に懸念があったケースでも、詳細な記録を残していないとすると、決算の段階で、その事業の妥当性をどう評価するのでしょうか。
例えば講演の音声データを事業年度の決算が終了するまで保管する程度のことは難しいことではありません。


恵庭市役所の中にも、どこかの国と同じような空気を感じるのは、私だけでしょうか。



<地方公務員法>
(政治的行為の制限)
第三十六条 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となつてはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。
2 職員は、特定の政党その他の政治的団体又は特定の内閣若しくは地方公共団体の執行機関を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、あるいは公の選挙又は投票において特定の人又は事件を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、次に掲げる政治的行為をしてはならない。ただし、当該職員の属する地方公共団体の区域(当該職員が都道府県の支庁若しくは地方事務所又は地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市の区若しくは総合区に勤務する者であるときは、当該支庁若しくは地方事務所又は区若しくは総合区の所管区域)外において、第一号から第三号まで及び第五号に掲げる政治的行為をすることができる。
一 公の選挙又は投票において投票をするように、又はしないように勧誘運動をすること。
二 署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。
三 寄附金その他の金品の募集に関与すること。
四 文書又は図画を地方公共団体又は特定地方独立行政法人の庁舎(特定地方独立行政法人にあつては、事務所。以下この号において同じ。)、施設等に掲示し、又は掲示させ、その他地方公共団体又は特定地方独立行政法人の庁舎、施設、資材又は資金を利用し、又は利用させること。
五 前各号に定めるものを除く外、条例で定める政治的行為
3 何人も前二項に規定する政治的行為を行うよう職員に求め、職員をそそのかし、若しくはあおつてはならず、又は職員が前二項に規定する政治的行為をなし、若しくはなさないことに対する代償若しくは報復として、任用、職務、給与その他職員の地位に関してなんらかの利益若しくは不利益を与え、与えようと企て、若しくは約束してはならない。
4 職員は、前項に規定する違法な行為に応じなかつたことの故をもつて不利益な取扱を受けることはない。
5 本条の規定は、職員の政治的中立性を保障することにより、地方公共団体の行政及び特定地方独立行政法人の業務の公正な運営を確保するとともに職員の利益を保護することを目的とするものであるという趣旨において解釈され、及び運用されなければならない。

地方公務員法(e-Gov)

通過型観光からの脱却を

一般質問3項目の2つ目は、花の拠点を中心とした観光行政について。

花の拠点事業は、前回の議会で議決され、ガーデン部分のほか、センターハウス(旧保健センター)の工事も進んでいます。
【追加議案】花の拠点センターハウス改修工事の契約(2019.10.22)

来年のオープンに向け、着々と準備は進んでいるわけですが、それに伴う運営経費がいくらかかるのかは、いまだに議会でも明らかになっていません。

この間、報告会で説明をするたびに、そのような事業が進んでいることを知らなかった、市としても市民向けに説明すべきではないか、そこに市民が関わる場が必要ではないか、などのご意見を頂いてきました。

私としても、これまでかしわのレポートで何度か話題にしてきているつもりではあったのですが、まだまだ伝える工夫が足りないのだと感じています。
それと同時に、やはり市としても、市民に対する説明だけでなく、市民の意見を反映させる場が必要だと思います。

道と川の駅を開業する前の平成14年(2002年)には、市は5回のワークショップを開催し、延べ192名の市民が参加をしています。
毎回参加をした人がいるとしても、40名近い市民の方が関わって、道と川の駅のあり方が議論されたということです。

それに対して、今回の花の拠点検討会には、一般の市民は、花の団体から3名が参加をしているだけです。
団体に関わっている方だけでなく、幅広い市民に対して、説明の場がこれまでもたれてこなかったことが、市民不在の事業であることを表しています。


事業に伴う収支については、2016年に、この事業が具体化したときには、11億2300万円かかるけれども、毎年約4億9000万円の経済効果が生まれるという説明を受けました。

160909 花の拠点整備に伴う経済効果予測(目標値)議員協議会資料

しかし、これだけ事業が具体的に進んでいく中で、入居する民間事業者が決まらないことから、未だに経済効果も、運営に要する経費も説明できないという事態に陥っています。
年が明けると予算の審議ですが、そのタイミングで突然数字を出されても、それを検証するにはあまりにも時間が足りません。
議論が深まらなくても、事業は進められるから、そうしたやり方でも問題がないのかもしれません。


最後に、通過型観光を脱却するための具体的な方法を提案しました。



北海道の観光入り込み客数調査によると、このようになっていて、宿泊者数は年々減少し、直近の平成30年は約4000人となっています(調査に対する恵庭市の集計、報告に誤りがあったそうで、正しい宿泊客は「4」です)。

宿泊施設の受け入れ能力は大きく変動がない中で、札幌や千歳にホテルが増加したこともあって、恵庭の宿泊客数は減少しています。
恵庭に目的を持って訪れた人たちに、積極的に泊まっていただける理由づけが必要です。

先日、静岡県の藤枝市を訪れた際に、観光関係の方とお話をしていて、藤枝市もめぼしい観光地がないというお話をされていました。恵庭よりも人口も多いということはあるにせよ、その中で多数のホテルを抱え、最近も新たにホテルができている理由を聞いたところ、ビジネス客や、スポーツの合宿などの理由を挙げられていました。

札幌市に近接し、交通の利便性の高さを考えると、まったく同じではないにせよ、泊まっていただくための後押しがもう一歩必要です。

そんな中で、恵庭に目的を持って訪れる理由のひとつとして、自治体議会などによる「行政視察」があげられます。
読書のまちづくりや、花のまちづくりなど、全国的にも有名な取り組みを目的に、毎年多くの自治体等からの来訪者を受け入れていますが、残念ながら、そのほとんどは、札幌や千歳に宿泊しています。

議会事務局にある資料を確認させてもらったところ、
平成30年の実績では、28団体から239名を受け入れしていますが、
この中で恵庭市内に宿泊をしていただいたことが明らかなのは、1団体10名の方だけでした(ちなみに藤枝市の方です)。


わずか200人かもしれませんが、全体でも4000人しかいない宿泊者数を考えると、実に5%に達します。
まずはこのような、恵庭に目的を持って訪れた人に、できるだけ泊まっていただくという地道な取り組みが、少しずつ観光消費額を増加させていくことにつながっていくのだと思います。
(宿泊者の消費額が圧倒的に高い)


その他、イベント民泊についても提案しましたが、市長からは「参考にします」という非常にシンプルなお返事をいただきました。きっと実現しますw

https://www.mlit.go.jp/kankocho/news06_000421.html
https://min-paku.biz/news/airbnb-report-event-minpaku-201906.html

悪臭問題には適正な対処を

ご報告が遅くなりましたが、
第4回定例会では、3項目の一般質問を行いました。

①観光振興
②悪臭問題
③行政の政治的中立性

という3点ですが、コメントもいただいておりますので、
悪臭問題から、ご報告させていただきます。

今回、この件を把握したのは、10月下旬に柏木地区にお住まいの方から
ご連絡をいただいたことがきっかけでした。

答弁では、8月以降で100件を超える苦情が市役所には
寄せられているとのことでしたが、苦情が柏木以外、恵み野、文京などからも
寄せられており、臭気が相当の広範囲に渡っていることから、原因の特定は困難とのことでした。

一方で、この苦情とは別に、臭気の生ごみなどを扱う事業場に対する
立ち入り調査を行っており、臭気測定の結果、敷地境界における
濃度の規制基準を超えている事例を把握しているとのことであり、
それに対しては、「適切に行政指導を行っている」とのことでした。

いつまでの期限を設けて指導を行なっているのかを聞いても、
個別の事案には答えられないとのことです。

100件を超える苦情がありながら、「基準を超えたからといって、
ただちに法令違反ということではない」という答弁では、
とても「生活環境の保全と国民の健康」を目的とする悪臭防止法の
目的が果たされているとは言えません。

また、柏木地区には教育委員会所管の給食センターもあります。
8月に議員数名で給食センターを訪れた際には、
強い臭気を確認していましたが、
教育部長からは、「学校給食センターからはそういう話は聞いていない」
との答弁でした。
給食センターの職員さんは把握をされているのに、部長が把握をしていない
のだとすれば、組織として問題があります。


私も少し誤解している部分があり、不十分な点もあったのですが、ネット中継でもご確認いただけますと幸いです。
http://www.kensakusystem.jp/eniwa-vod/video/R01/R011204-2.html
(なお、悪臭問題については、56:40〜1:09:00のあたりです)

引き続き、勧告を出した後の対応については確認をしていきますので、
臭気の状況などについての情報がありましたら、ぜひお知らせください。

議員にも勤勉手当の不思議

11月28日から、第4回定例会が始まりました。

提案されている案件はこちらの通りです。
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/kurashi/shiseijoho/shigikai/shigikaiteishutsugian/4198.html

毎年指摘をしていることですが、
民間企業とは仕組みが違う公務員の給料改定の仕組みに合わせて、市長や議員のボーナスを引き上げる仕組みには強い違和感を感じています。

平成28年第1回臨時会 https://kashiwano.info/blog/article-2744.html
かしわのレポート25号 https://kashiwano.info/blog/article-3437.html
かしわのレポート29号 https://kashiwano.info/blog/article-3623.html


何度も指摘していることですが、わかりやすく言えば、勤勉しているかどうかの評価を受けない特別職の公務員である議員に勤勉手当を含んだ(と同等の)ボーナスの月数はおかしいということです。


国の一般職の公務員の期末手当は2.6か月であり、勤勉手当の1.9か月分を加えて、4.5か月分となります。
これが管理職や、事務次官などの指定職になると、期末手当の割合は下がり、勤勉手当のウェイトが高まります。
(課長などでは、期末2.2+勤勉2.3=合計4.5、事務次官などでは、期末1.4+勤勉2.0=合計3.4
なお、こちらは改定前なので、若干数字のずれがあります。)
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/pdf/r01_kyuyo.pdf


これまで臨時職員や非常勤職員では期末手当の支給がありませんでしたが、来年度から始まる会計年度任用職員制度では、ようやく期末手当のみの支給が始まります。(初年度1.3か月、2年目で2.6か月の予定)

一方で恵庭市の場合、人事評価も受けない議員の期末手当を4.5か月に改定するという提案です。
国の特別職(内閣総理大臣など)や北海道の特別職では、国の指定職と同じ3.4か月に準じています。

全国的に見ても、一般職と同様の設定はありますが、
北海道、関東、関西など全体では3割程度の自治体であり、少数です。
また、これらを決定するのは議会であり、議会の意思によって変えることができるものです。

しかし、自分たちの報酬に関するものであることからか、明確な反論は聞こえてきません。


恵庭市の場合、平成15年までは、一般職の職員よりも議員の期末手当がさらに高く設定されていました。
また、平成17年〜平成20年までは、一般職よりもわずかに低い設定となっており、これまでも一般職に揃えてきたということではありません。(その他に独自削減なども行っています)

そんな中で、原田市長の就任以降は基本的に、職員と横並びとすることで、特別職の期末手当の増減の理由としてきました。

平成28年からは、指摘を受けて、特別職報酬等審議会に諮ることとしていますが、結論ありきで、都合のいい説明に終始しており、全国的な傾向や、議会での指摘などを踏まえた状況はまったく伝えられておりません。

https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/soshikikarasagasu/soumubu/shokuinka/fuzokukikanto/1/index.html

こうした中で、いくら審議会での答申を得たと言っても、それはただのアリバイづくりでしかありません。


何よりも、恵庭においては、納税者の一人当たりの所得額はあまり伸びない中で、この6年間で20万円以上、議員のボーナスが増えるということは、地域の実情にあっているでしょうか。
年金のマクロスライドや生活保護の基準引き下げなど、社会全体の経済の状況、そして、恵庭市の中期財政見通しでは大きな収支不足を見込んでいるということを考えると、必ずしも必要のない議員など特別職の期末手当を改定する理由はありません。

残念ながら採決の結果は、賛成多数で引き上げは可決されました。
今後の対応は別に考えたいと思います。

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