主張 opinion
主張
2022.12.22
選挙カーに偏重した公費負担を見直すべき
初日に提案された議案の中で、公職選挙法施行令の改正に伴う条例改正の提案がありました。
議案はこちらです。
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/material/files/group/2/R4_4teigian04.pdf
これまでも市議選の選挙運動に関しては、立候補の自由を確保するため(お金がなくても選挙運動で差がつかないように)、
・自動車の借入
・燃料代
・運転手雇用
・ビラ作成
・ポスター作成などに関しては、
公費で負担をしてもらえるという制度がありました。
今回は、国がその単価の「上限額」を改定したことから、その改定に合わせて、
市の条例も改正するという提案です。
国の単価改定の内容はこちら。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000808361.pdf
国が定めているのは、あくまでも上限額であり、
公費で負担する、しないということを含めて、金額の設定を行うのは市町村です。
恵庭市でも、例えばポスターの作成経費に関しては、企画費を設定しておらず、
上限額としては国の基準を大きく下回る152,028円(1,236円×123枚)となっています。
恵庭市の現行条例はこちら。
https://www1.g-reiki.net/eniwa/reiki_honbun/a032RG00000036.html
一方で燃料費や自動車借上については、国の上限額を設定しています。
過去の恵庭市議選における公費負担の請求状況を見ると、ガソリン代については、上限額の半分以下で済んでいる方が多くいる一方、ポスター作成に関しては、17人が上限額での申請となっています。
また、このポスター作成に関しては、法律上の上限枚数は、掲示場の数の2.0倍までの枚数となっており、実際に道内の自治体でも、千歳市が1.1倍、北広島市や石狩市は1.2倍の枚数で設定します。
20190421_恵庭市議会議員選挙公費負担一覧(2019)
その結果、選挙の公費負担額は以下のように推移しています。
2019年 自動車517万円(56%)、ポスター355万円(38%)、ビラ43万円(5%)、合計916万円(25人)
2015年 自動車554万円(60%)、ポスター365万円(40%)、合計920万(26人)
2011年 自動車447万(54%)、ポスター371万(45%)、合計818万(23人)
2007年 自動車661万(59%)、ポスター454万(40%)、合計1116万(27人)
候補者数の減少に伴って、公費負担総額は減少傾向にあり、
2019年からは新たにビラの作成が認められるようになったことで、
若干自動車の割合が減少していますが、全体の中では半分以上が選挙カーの経費となっています。
一方で、2018年に早稲田大学マニフェスト研究所が行った調査によると、
地方議会選挙で参考にしたいツールとしては、選挙公報が最多の30%、以下、テレビ報道、新聞報道などが20%台、ホームページ、ネットメディアと続き、選挙カー・街頭演説は第7位、15%に満たない回答となっています。
過去に質問をした際には、選挙カーに関する苦情も増えているという答弁があり、
こうした市民のニーズも踏まえた上で、それぞれのまちに合ったものにしていく必要があります。
北見市のように面積の大きいまちであれば、上限額に近い燃料費の設定も必要でしょうが、
コンパクトな恵庭市で、実際に多くの候補者がそれほど多くのガソリンを使っていないことを考えると、
求められているのは、ガソリン代の増額ではありません。
個人的には自動車の費用は大きく減らしていいと思っていますが、
現状で多くの候補者が車を使用していることを考えると、
他の議員にも理解が得られて、恵庭市に合う形というのは、
車の費用を抑えつつ、他市と比べて不足しがちなポスターの枚数を
増やすことではないかと考えました。
私は、議案が付託された総務文教常任委員会の中で、
こうした課題について質疑を行った上で、以下の修正案を提案しました。
(ガソリン代を半分に減らし、ポスターの作成枚数の上限を1.1倍に増やす)
221204_選挙公費負担条例修正案
残念ながら、委員会での賛同は得られず、修正案は否決されました。
今後も、条例の審議においては、恵庭市に合うものとなるよう、提案を重ねていきます。
主張
2022.09.02
市民全員に5,000円の商品券
市役所から全市民に5,000円の商品券が送られてきます。
うれしいですか?
詳しい内容はこちらの動画をご覧ください。
https://youtu.be/OwyjNV2xU3Q
主張
2022.08.20
バラマキの商品券は誰のため
基礎自治体の施策のあり方は、その地域の実情に応じたきめ細やかな対応ができることが強みであり、そうでなければならないと思っています。
もちろん、最初からすべてうまく行くかはわからないこともあるため、試行的に実施をしてみて、その結果を検証しながら改善に努めていく必要があります。
昨日、8/19(金)に臨時議会が開かれ、全市民に商品券を配布するという事業の補正予算が審議されました。
事業の概要はこちらです。
220802_えにわプレミアム付商品券事業実施要領
これまでの商品券事業と内容的には重なる部分が多いのですが、
今回は配布型ですので、1人あたり5,000円分の商品券(お店によっては6,000円で使える)を宅配でお届けします。
恵庭市では、2020年(R2)に配布型商品券、2021年(R3)に購入型の商品券事業を実施しました。
今年の1月には、市内の事業者の方へコロナの影響調査を行い、その中で商品券事業についての評価も行ってきました。
今までは券面額が1,000円でしたが、これまでの結果も踏まえ1枚500円に変更しています。
私はこれまでの検証を踏まえると、今回の商品券事業は、政策目的に対して手法がふさわしくなく、賛成できないものだと考えています。
今回の事業の目的としては、市内経済の循環・回復が主眼であり、加えて物価高騰に対する市民への生活支援の側面もあるようです。
しかし、事業者支援として見たときには大きな問題があります。
今の原油、原材料の高騰は、企業物価にも大きな影響を及ぼしていますが、今回の商品券事業では、一般消費者を対象とした事業者に限定されており、過去の実績から見ても参加店舗はわずか400店ほどです。
支援金などの支給実績から考えても、参加店舗は40%程度であり、そもそも対象とならない事業者にとっては、なんらメリットがありません。
また、令和3年の購入型商品券事業の利用実績では、
業種別で見ると、
卸・小売業 74.0%
飲食業 17.3%
理美容業 2.9%
サービス業 4.3%
その他 1.2%
となっており、参加した400店の中でも、50店ほどでは利用実績がないなど、利用が一部の小売店舗などに集中していることが見受けられます。
特に、上位5店舗での利用実績は、全体の36.29%、1億4,400万円にも達しており、事業者支援としてみると、過度に一部に恩恵が集中しています。
もうひとつの目的である生活者支援の面では、これまでの支援策は非課税世帯に限定した支援となっており、対象範囲の拡大が課題ではありました。その点、全市民を対象としたことで、確かに範囲は広がっていますが、逆に全体を対象としたことで、十分な額とはなっていません。
政府は内閣総理大臣を本部長とする物価・賃金・生活総合対策本部を設置し、物価高騰の対策を検討しています。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bukka/index.html
その中の資料では、2人以上の世帯、平均年間収入が256万円の世帯でも、年換算した負担増加額は5.6万円と試算しています。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bukka/dai2/siryou1.pdf
給与収入で200〜300万円の収入の世帯であれば、非課税の支援策もなく、(例えば2人で)10,000円分の商品券が届くだけです。
燃料費の高騰、食料品の高騰による影響は、世帯収入の低い世帯ほど影響が大きいことを考えると、
私は一律の支援ではなく、必要なところに、必要な金額を届けることが重要だと考えています。
昨年実施をした「高齢者世帯等冬の生活支援事業」のときにも対象範囲を広げるべきということは指摘をしてきましたが、
このときの事業費は2800万円であり、対象範囲を2倍に広げたとしても事業費は5,600万円ほどです。
https://kashiwano.info/article-4591.html
今回の商品券の予算額は4億5,900万円であり、計算上では8倍の金額を支給できることになります。
私はこの間、補正予算の審議のたびに、その支援対象について指摘をしてきたところですが、今後の対象拡大の可能性に期待をし、議案には賛成してきました。
しかし、今回の事業では、国から物価高騰対策として交付される交付金の大半を使い切ってしまうことから、これを認めてしまうことは、今後の大きな対象拡大を望めなくなるものと判断し、補正予算には反対しました。
これから冬に向けて、燃料費の高騰が大きく響く時期になりますが、少しでも対象範囲を拡大できるよう、今後も求めていきたいと思います。
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8/21 訂正
(誤)また、令和3年の配布型商品券事業の利用実績では、
↓
(正)また、令和3年の購入型商品券事業の利用実績では、
主張
2022.01.10
求む!自治の担い手
地方における人口減少が大きな課題として捉えられ、国によって「地方創生」の取り組みが進められてきました。
自治体が自ら戦略を立て、将来像を示していくことは重要だと思いますが、それが地域の住民と深く共有されているためには、首長はもとより、地方議会の役割が大きいものと私は考えています。
年が明けて、2022年を迎えました。
2023年には、統一地方選挙が予定をされており、恵庭市においても議員が改選されます。
議会は、常に新たな人材を迎え、新陳代謝をしていくことが求められていると思います。
一方で、地方議会では、担い手の不足が叫ばれ、町村の議会などを中心に、無投票となる選挙が増えています。
それに対して、報酬を増やすことや、社会保障の拡充などが、対応策としてあげられることがあります。
確かに、処遇を改善することは確かに現状の議員報酬よりも高い収入を得ている現役世代が、地方議会に目を向ける意味では効果があるかもしれません。
でも私は、多様な人材が地方議会に入ってくるために必要なことは、その職務の意義やあり方を丁寧にお伝えしていくことではないかと思っています。
恵庭だけではなく、それぞれの地域の将来を真剣に考え、行動する議員を増やしていくためには、私にもできることがあるのではないか。
これまで勉強会(グリーンシード21)でともに学んできた方々とともに、新たな担い手を養成する連続講座を開催いたします。
講座は、第1部と第2部に分け、第1部は2022年度の6回です。
自分が住む地域の課題を解決したいと考える方のご参加をお待ちしています。
まずは1/22(土)に「地方議会議員養成講座」の趣旨や目指す姿をお伝えするため、キックオフフォーラムを開催いたします。
養成講座にご関心をお持ちの方は、ぜひご参加ください。
詳細はグリーンシード21のウェブサイトからご確認いただくか、私までお問い合わせください。
http://greenseed21.jp/notice.html
090−2695−2880 かしわの
主張
2021.10.30
最高裁判所裁判官の国民審査
衆議院選挙が行われていますが、同時に最高裁判所裁判官の国民審査も行われます。
法律を作る、(議員内閣制のもと)行政を担う人たちを選ぶのが国会議員の選挙ならば、
その法律や、法律の運用が、憲法に照らして正しいのかという判断を、国民の視点に近づけようとするのが、国民審査と言えると思います。
今回国民審査を受ける裁判官について判断する上での裁判の詳細は、公報などをご覧いただくとして、
今回の国民審査においては、
・いわゆる選択的夫婦別姓を認めないことの是非
・令和元年の参議院選挙の1票の格差の是非
という2つが大きな判断材料になると思います。
NHKのサイトにとてもわかりやすくまとまっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/kokuminshinsa/2021/
私は、1票の格差については、特に参議院において、人口按分の視点だけで格差是正を図ろうとすることは、北海道のように広い面積に有する地域においては、地方の代表を減らすことにもつながり、合区の問題など、必ずしも妥当ではなくなる可能性が考えられることから、違う視点を持った代表選出の仕組みは検討される余地があると考えています。
北海道議会の議員も、人口が集中する札幌市の比率が高まっていますが、北海道全体の課題を解決するには、人口が少ない地域の視点こそ重要だと思います。
1票の格差を許容しないということは、こうした人口の少ない地域の視点を損なうことにもつながりかねないと思います。
そのため、私は、1票の格差については、判断の材料とせず、
一方で、選択的夫婦別姓は認められるべきだと考えておりますので、夫婦別姓を認めないことについて合憲と判断した
深山拓也裁判官、林道晴裁判官、岡村和美裁判官、長嶺安政裁判官については、×を記したいと思います。
ぜひ、みなさんのお考えに基づいて、国民審査においても、大切な1票を投じてください。
審査公報はこちらからご覧いただけます。
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/4/4/6/5/8/5/7/_/令和3年国民審査_審査公報.pdf
https://www.soumu.go.jp/senkyo/49ge/shinsa.html
なお、他の都道府県の選挙管理委員会のページも見れますが、東京都選管などは読み上げに対応した原稿をアップロードしているのが、とても参考になります。
主張
2021.09.15
産廃特会への繰出は返済されるあてのない貸付
恵庭市議会の柏野です。
本日は定例議会の初日、議案審議が行われました。
ちょっと意味のわからないタイトルかもしれませんが、じっくり説明していきたいと思います。
本日の議案の中で、私が注目したのは補正予算です。
一般会計(普通のお財布)から産業廃棄物特別会計(専用のお財布)に赤字の穴埋め分として、2600万円を渡すという内容が含まれていました。
令和2年の産業廃棄物特別会計において、コロナの影響などによって、ごみが減少し、その結果手数料収入も減少しました。
ごみが減っても、焼却施設や、埋め立て場の管理などにかかるお金はかわらないことから、収支の均衡を図るためには、収入を増やす必要があります。令和3年度予算では、貯金を取り崩して穴埋めをするはずだったものの、今回、令和2年度の決算が確定したことにより、取り崩す予定の貯金の残高が足りなくなることがわかったため、その不足分を一般会計から繰り入れによって、収支の均衡を図るという内容でした。
そもそも特別会計は、一般会計と区分して経理する必要がある場合などに設置しており、独立採算を基本にしています。
産業廃棄物でいうと、自治体としては必ずしも処理する必要のない産業廃棄物を、恵庭市の場合、家庭などからでる一般廃棄物と一緒に処理していますが、必要な経費は、産業廃棄物から得る手数料収入で賄うということを基本にしてきました。
恵庭市では平成22年からごみを有料化し、その後料金改定をしていますが、その間ずっと言ってきたことは、
家庭ごみは、処理経費の1/3を市民に負担をしてもらう、
事業ごみ(事業系一般廃棄物)は、処理経費の2/3の負担、
産業廃棄物は、経費の3/3、すべてを負担してもらうという原則でした。
今回一般会計が2,600万円を負担するということになると、本来処理する必要がない、独立採算だといってきたルールを大きく変更することになります。
委員会の資料などでは、「一般会計繰入(借入)で対応」と書いているので、きちんと返ってくるあてがあるのか、ということを繰り返し確認しましたが、最後まで「返す」という答弁は得られませんでした。
今後、「産業廃棄物処理事業のあり方」を見直すとしながらも、それを行うのは、令和4年としています。
でも今年度中にも、再び産業廃棄物特別会計のお金がさらに足りなくなる可能性があります(そこは否定していません)。
なし崩しで、ずるずるとこの赤字を一般会計が負担をするというのは、市民の合意がないまま、市民の税金で、産業廃棄物の処理費用を賄うことになります。
根本的なあり方を決めるのが先ですし、それが決まるまでは、あくまでも貸付として、将来的に一般会計に返すということを約束してもらう必要があります。
補正予算には、私と新岡議員が反対しましたが、賛成多数で、この議案は可決をされました。
可燃の家庭ごみは来年から値上げ(40リットルが80円→120円)することが決定されています。
でもこれは、この1/3を負担するというルールに基づくもの。こちらはルール通りに引き上げるのに、産業廃棄物はごみが減ったからルールを変えるということでは、市民の理解は得られないと思います。
主張
2021.06.28
使えない公共施設に何の意味があるのか
恵庭市議会の柏野です。
ちょっと強めのタイトルですが、陳情者の思いはこうではなかったかと思います。
本日は、第2回定例会の最終日で、委員会に付託された2件の陳情書の審査報告が行われました。
陳情書は、こちらの3ページ、4ページです。
https://kashiwano.info/wp/wp-content/uploads/2021/06/6fd36f0a452a8ae2591e36ac4f2c077a.pdf
今回の定例会では、市民から2件の陳情(議会への提案、要望)が提出され、本日採決が行われました。
私は、審査を行った委員会の所属ではなかったので、委員会の中で、どのような質疑があったのかということについて、委員長に質疑をした上で、討論を行っています。
私は、いずれの陳情も、賛同できる内容であり、採択すべきと考えていましたが、
残念ながら、委員会での審査結果は全会一致で「不採択とすべき」ということでした。
本会議での採決結果は、以下の通りで、いずれも不採択となりました。
陳情第3号は、賛成3人(林議員、新岡議員、柏野)、反対17人(恵義会、清和会、公明党、民主・春風の会、諸派)
陳情第4号は、賛成4人(武藤議員、澁谷議員、新岡議員、柏野)、反対16人(恵義会、清和会、公明党、諸派)
以下、かなり長いですが、討論の原稿です。
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「陳情第3号 公共施設の使用料の運用改善を求める陳情書」
「陳情第4号 脱炭素、再生エネルギー電力の割合を高める2030年エネルギー基本計画の改定についての意見書の提出を求める陳情書」反対討論
2021.6.28
柏野 大介
私は、ただいま報告のありました「陳情第3号」、「陳情第4号」について、不採択とすべきものと決定したとする委員長報告に反対の立場から討論を行います。
まず、「陳情第3号 公共施設の使用料の運用改善を求める陳情書」について、陳情者が求めていることは、公共施設の設置目的にかなう非営利の活動を非営利として認めるということ、非営利活動における収入要件の適正化です。
私が、委員長報告に反対し、陳情に賛成する理由は以下の3点です。
①まず第1に、非営利活動への正しい理解がされていないことを改善すべきだからです。
1998年に特定非営利活動促進法が制定されて、20年以上が経ち、恵庭市においては、まちづくり基本条例が制定されているのにも関わらず、公共を官が独占する発想は根強く、いまだに非営利活動に対する理解が十分とは言えません。
利用における参加費の考え方について、材料費を含まないと言う議論がありました。材料費が含まれないならば、同様に、講師の謝金や、講師の交通費はどうなるのでしょうか。材料費は控除されるのに、なぜ講師の謝金は控除されないのでしょうか。材料費が除外されるという運用は、何の法令を根拠に行われているのでしょうか。仮にそのような運用が認められているとするならば、今後、指定管理者制度に移行した場合に、指定管理者のさじ加減で、不公平な運用が行われないのでしょうか。
そうした疑問が生じないように、ルールを作り、ルールを変えるのが議会の役割であるはずです。例えば、NPOの事業の中でも、収益的事業と、非収益的事業は明確に分かれています。
今回の陳情は、非営利法人による事業や、収益的事業にはあたらない活動を、一定の要件のもとに非営利として認めることを求めています。
現行の条例による取り扱いでは、1000円の入場料を100人から徴収し、収益を分配しても市内在住者という営利目的ではない取り扱いとなりますが、道外の講師を呼んで、2000円の入場料で参加者が10人にとどまる事業であれば、交通費と謝金で赤字になっても営利目的の使用料が適用されることになっています。これは芸術家や表現者に負担を強いることにつながり、質の高い文化、芸術の振興は行えません。
こうした根本的な矛盾が明らかになっているのに、なぜこれに目をつぶるのでしょうか。
②第2に、社会教育団体の運用における矛盾の是正を図ることが必要だからです。
賛否の理由とはなっていませんが、審査の中では、社会教育関係団体に関する質疑もありました。
確かに、社会教育関係団体の制度に登録されれば、減免を受けられるような規定はあり、質疑の中でも、
「地育を目的としている陳情者が実施するような活動であれば、社会教育団体として登録が可能であり、その場合は、使用料金は、営利目的使用料の5割が減免されることとなっております。」
という答弁がありました。
しかしながら、減免規定を定める両施設の条例施行規則においては、別表中において、その条件として、「営利を目的としない活動に使用するとき」との記載があり、「営利目的」料金を適用しながら、何をもって「非営利」の活動であるということを認めるのかは、まったく不明であり、矛盾に満ちた取り扱いを行うこととしています。
また、社会教育関係団体に関する市のウェブサイトの記載によると、「各種教室や塾のように講師(指導者)が中心となり月謝等を徴収して活動している団体」は社会教育関係団体には該当しないという、社会教育団体の登録に関する規則や、認定基準要項には明記されていない記述があり、今回の陳情者が、社会教育関係団体の制度を利用できるのかは、明らかではない上に、この点でも、市民に明示された根拠に基づかない運用が行われていることが窺われます。
こうした多くの矛盾を解消するべく、非営利について、統一的な取り扱いを定めることが求められているのではないでしょうか。
③第3の理由は、施設の設置目的とも関わる教育的視点の欠如です。
委員会の審査における質疑を踏まえると、公共施設全体の料金の考え方や社会教育関係団体、教育委員会にも係る視点が議論には出ています。それにも関わらず、委員会は、子ども未来部、子ども家庭課との質疑のみで結論を導いており、陳情者が求めた教育的側面、公益的側面に配慮した議論が十分に行われたとは言えません。
公共施設総量の抑制が計画される中、施設は複合化、多目的化が進められています。しかしながら、実態としては、施設の所管や目的による、縦割りの構造はなんら変わっていません。
公共施設は使われて初めて意味を持ちます。施設の設置目的が、多様な市民ニーズに対応した交流や、地育を理念とした生涯学習の拠点であるならば、市民の活動の多様性を無視し、古い行政の視点に囚われた議論に終始していては、施設の機能としては不十分であると言わざるを得ません。時代の変化を捉え、施設の設置目的に立ちかえり、改善を図るべきです。
以上の理由から、陳情は採択すべきであり、不採択とすべきものとした委員長報告に反対します。
次に、「陳情第4号、脱炭素、再生エネルギー電力の割合を高める2030年エネルギー基本計画の改定についての意見書の提出を求める陳情書」について、委員長報告に反対し、陳情に賛成する理由を申し上げます。
陳情者が求めていることは、次期エネルギー基本計画における再生可能エネルギー電力目標の拡大と、脱炭素社会に向けた再生可能エネルギーへの転換の2点です。
委員会の中でも議論があったように、確かに、カーボンニュートラルということや、CO2の排出削減という点では、政府の検討の方向性と一致しています。しかし、そこに至る道筋、シナリオとしては、政府、与党の中でも、さまざまな検討がされており、まだ結論には至っておりません。
昨年閣議決定された男女共同参画基本計画での選択的夫婦別姓のように、策定過程の会議の答申に記載のあった内容が、成案に至る段階で削除された例もあるように、検討されているからといって、再生エネルギー電力目標の拡大が実現するとは言い切れません。
陳情反対の理由としては、このタイミングでの提出は適さないという意見が多くを占めたようですが、どのタイミングならば、賛成できるのでしょうか。策定中の今だからこそ、地方から声をあげていく必要があるのであって、論理的な反対理由とは言えません。
このあと提案をされる意見書の中にも、国の方向性と一致をしていて、検討を求めるだけの内容のものがあるように、国と方向性が一致をしていて、賛成できないのだとすれば、それらの意見書との整合性が取れないことは、どう説明していただけるのか、ぜひお聞かせ願いたい。
あらためて陳情者が私たちに問うているのは、
①次期計画において、再生可能エネルギー電力目標を拡大するべきだと考えるのか、否か
②再生可能エネルギーを中心としたエネルギー施策に転換するのか、否かという2点です。
しかし、委員会での質疑では、脱炭素社会に向けた国の動向についての質疑にとどまり、エネルギー基本計画における電源構成・再生エネルギー比率についての検討はされず、不採択の理由としても、脱炭素化への動きのみをもって、国もすでにそのように取り組んでいるので、意見書の提出は必要ないとの判断になっており、陳情者の含意を正確に検討しているとは言い難いものです。
また、総合資源エネルギー調査会における計画策定の議論の中では、非化石燃料として、原発回帰の方向性も垣間見えます。政党内において、原発に関する議論を避けているから、地方議会でも議論を避ける、態度を明らかにできないということでは、自治体議会としての存在意義が問われます。
そうした姿勢と決別し、エネルギー消費量自体を削減していくこと、原発依存のエネルギー政策を脱却し、再生可能エネルギーの推進を図ることについて、地方から声をあげていく必要があります。それこそが、エネルギー自立の地域の実現に至る道筋であり、陳情に強く賛同するものです。
以上のことから、議員各位におかれては、あらためて、陳情者の思いを受け止め、熟慮された上で、陳情にご賛同されますようお願いを申し上げ、委員長報告に対する反対の討論といたします。
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(参考)
恵庭市生涯学習施設かしわのもり条例
恵庭市生涯学習施設かしわのもり条例施行規則
恵庭市黄金ふれあいセンター条例
恵庭市黄金ふれあいセンター条例施行規則
主張
2019.04.16
自転車と私
今日は天気もよく、自転車日和です。
自転車で市内をまわっていると、本当に多くの方と言葉を交わすことができます。
外国の方から、何やってるの?と聞かれて、今の市議選のことを説明したり、
別なところでは、知事選のことだったり、
島松駅のバリアフリー化や歩道橋のことでご意見をいただいたり、
ごみの不法投棄や犬の散歩のマナーのことだったり、
道路の舗装のことだったり、
なんで自転車と聞かれたり、
自転車いいねと言われたり、
かしわのレポート読んでるよと言っていただいたり、
さまざまご意見も伺うことができました。
わざわざ追いかけて、自転車を止めたときに話しかけてきてくれた方もおりました。
これも自転車ならではの話しやすさなのかなと勝手に思っています。
市民のみなさんの関心が高まっている今だからこそ、
もっと多くの方と言葉を交わしていきたいと思います。
新しい試みとして、対話型の個人演説会を以下の日程で開催します。
お時間の都合がつきましたら、ご参加いただいて、ご意見をお寄せいただけるとうれしいです。
4/18(木)20:00〜21:00 市民会館中会議室
4/19(金)10:30〜11:30 市民会館サークル研修室(会場が変更になっています)
主張
2016.04.23
4.24 明日は投票日!
衆議院北海道5区の補欠選挙が明日投票日を迎えます。
報道によれば、かなり激しい接戦となっているようで、双方の支援者から、相手に対する誹謗のようなものも聞こえてきます。
立候補をしている2人の方はいずれも国のため、国民のために働くことを訴え、活動をしているわけで、どちらの候補が勝ったとしても、精一杯力を尽くしてもらいたいと思います。
さて。
私は今回の選挙では池田まきさんを応援しています。
私は現在無所属で活動をしており、民進党にもそれほど期待をしているわけではありません。
今回の選挙がこれまでと大きく違うのは、政党には関わっていない、普通の市民が立ち上がっているということです。
震災、原発の事故以降、普通の市民が、声を発するということがあたり前になりました。
その流れの中で、野党が手をとって、池田まきさんを応援をする体制が整いました。
今回の選挙を少しでも応援したいと、北海道外からも多くの方が手弁当で応援に参加していただいています。
会社を休んで、飛行機に乗ってかけつけ、なんでもいいから力になりたいという方。
北海道まではこれないけれど、仕事のあとに電話をかけてくれるという方。
野党に期待ができないからこそ、市民ができることをして、これを動かすしかない。
そこに、わずかな希望が見えています。
この希望を、広げていくためには、結果を出す必要があります。
和田さんもいろいろなものを背負って大変な中でもがんばっていらっしゃる。
それは同時に、これまでの自民党・安倍政権の政権運営に対する評価というものを背負うことになります。
和田さん個人はすばらしい方だと思います。
しかし、今回は違憲との批判の強かった現行憲法下での解釈改憲による集団的自衛権の行使容認とそれにともなう法律が施行されてから初めての国政選挙です。
どれだけ福祉を充実しようと、どれだけ経済を活性化しようと、すべての前提となる「法の支配」を前提から覆すようなことは許されません。憲法を守れなくなった自民党に対する評価をここで下さなくてはいけない。
これまでの自民党には多様性を認める包容力がありました。
それが失われ、かつて自民党に所属をしていた国会議員や地方議員、古くから支持してきた人の中にも疑問の声をあげている方がいます。
自民党、民進党など、中央集権的な今の政党政治に代わるものを、市民は求めているのではないでしょうか。
市民が草の根でつくる政治の新しい姿。
その希望を、池田まきさんが勝利することで、広げていける。
この希望に、あなたの力を貸してください。
池田まきさん http://ikemaki.jp
和田よしあきさん http://yoshiakiwada.com
主張
2015.04.08
幌延の地下で
昨年の9月に幌延に行ってきました。
朝8:00に恵庭を出てひた走り、13:00ころ到着して17:00過ぎには帰途につき、23:00近くに帰宅という往復約600kmの一人弾丸ツアーでした。
目的は、トナカイを見に、
ではなく、
北海道どさんこパンチという勉強会の集まりで、幌延深地層研究センターを見るためです。
2011年の大震災後、原発は停止し、今は再稼働と廃炉が課題となっています。
北海道で言えば泊原発がありますが、恵庭からも距離は80kmしかないわけで、東日本大震災のような事態がもし起こったとすれば、その影響は確実に及びます。
もうひとつは、再稼働をせずに廃炉となったとしても残る問題は使用済み核燃料の問題です。
以前から勉強しようとは思っていたのですが、
やはりこういう勉強は現地でするのが一番頭に入る気がします。
地層処分の考え方と、海外の事例、そして実際に実証研究を行っている様子を原寸大の模型などで確認をしながら説明を受けました。
トイレのないマンションという言葉はよく聞きますが、すでに再処理されたガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)は2167本。
現時点ですでにある使用済燃料を全て再処理しガラス固化体にすると、約24800本。(2014年4月末時点。原子力発電所において装荷中の燃料の燃焼分も含む)
合わせると27000本という膨大なごみがあるのに、その行き先はまったく白紙で、処理方法もまだ完成されたものではありません。
その上、ガラス固化体に再処理してからも、すぐに埋められるわけではなくて、30年〜50年の冷却期間を置いてからでないと地層処分もできません。
再稼働を進めようとする人たちの中には、今止めたらその費用がまかないきれないから、原発を稼働して発電をしながら徐々に減らせばよいという考えの方もいます。
今止めても、地層処分という穴掘りに必要な坑道は250kmだそうです。
地上で考えれば札幌から函館に行くような距離、それが高速道路どころの話ではありません。250km、硬い岩盤に穴を掘る。
40000本分の穴で3兆円という想定のようですが、ごみの量が増えれば当然費用も増えます。
それどころか、用地が決まっていないわけですから、想定した費用がさらに上積みされる可能性もあります。
これが将来への負担の先送りでなくて何なのか。
私は環境、ごみ問題、エネルギーに関して、自分たちが受け継いだ環境を少しでもいい状態で後の世代に引き継いでいくことが現世代の責任だと考えています。
負担の先送りをしない。
原発の再稼働には反対します。