議会の監視・立法機能の活性化に向けた実践手法
議会の監視・立法機能の活性化に向けた実践手法
3/28は名古屋で開催された研修に参加してきました。 「議会主義の危機」をいかに突破するか ~議会の監視・立法機能の活性化に向けた実践手法 というタイトルで、墨田区議会の佐藤篤議員から、政策提案条例の実践についての講義を受けました。 全国的に(もちろん恵庭も)、首長提案の議案がほとんどで、議員から提案される議案はほとんどありません。 墨田区では、図書館設置条例の改正に際し、区長提案に対して議会が修正案を出し、修正可決しており、議会として政策条例をつくる実践が重ねられています。 法務博士でもある佐藤議員から、条例と法令に関する基礎的な内容、実際に条文をつくる上でのコツ、議会による条例案制定過程での反省など、非常に実践的で、議案審議にも有用なお話を伺うことができました。 自分でも知識が十分でなく、あいまいだったところがスッキリしました。 合意をつくる上では、最大会派である自民党会派に所属しているということももちろん大きいのですが、視察を通じて他会派とも認識を共有しているなど、合意づくりに向けた丁寧な調整も行なっているようです。 今後、議案の修正を提案する際に、しっかりと活かしていきたいと思います。
伊勢原市議会、創政会の取り組み
伊勢原市議会、創政会の取り組み
昨日は神奈川県伊勢原市にお邪魔をし、市議会会派・創政会の取り組みについて研修をさせていただきました。 http://www.city.isehara.kanagawa.jp/gikai/docs/2014061600152/ [caption id="attachment_3280" align="alignnone" width="180"]写真を撮り忘れて…[/caption] 伊勢原市は神奈川県のほぼ中央部に位置し、新宿から小田急線で約1時間ほどの距離に位置する人口約10万人ほどのまちです。 この伊勢原市議会では、全国初の取り組みが行われています。 無作為抽出で選ばれた住民が、まちの課題について議論をする住民協議会。 全国では市民討議会や住民協議会として、いくつかのまちで行われています。 この手法は、もともと関心の高い住民だけではない、幅広い意見を取り入れることができる非常に優れた手法だと思うのですが、なんと伊勢原市では行政ではなく、議会の会派がこの手法によって住民意思の把握に活用しています。 今日お話を伺ったのは、 伊勢原市議会創政会代表の山田昌紀議員 創政会副代表の舘大樹議員 斉藤裕樹議員のお三方です。 創政会は、伊勢原市議会21人のうち10人を占める最大会派ですが、対応してくださった皆さんはお若い方ばかりでまず驚きました。 始まった経緯としては、平成23年の予算編成に際し、大きな財源不足が見込まれ、緊急の財政対策を行ったことなどから、市民、議会の中でも財政への不安が広がり、市議会として「事業仕分けの手法」を仕組み化することが検討されたそうです。 その後、議会全体としての合意には至らず、会派としての「事業仕分け」を4回開催。 2回目からは仕分けの参加者を無作為抽出した1000人に参加を依頼し、延べ200人ほどの市民の参加のもとで続けられてきました。 仕分けとしては一定の成果を出し、新たな市民広聴の手法を検討する中で、公共施設のあり方をテーマとした住民協議会に発展をさせ、実施をされたとのこと。 現在進行中で、話し合われた結果の取りまとめは4月に報告をされるとのことですが、ベビーカーを押したお母さんが参加をされるなど、これまでではなかなかご参加いただけなかった層の方たちの声も反映することができたそうです。 行政としても、審議会やパブリックコメントなど市民意見の把握に努めているところですが、議会主導による住民協議会は、二元代表制の一翼を担う議会として、行政に対抗する大きな力になっていると思います。 恵庭でも、議会によるこうした取り組みを目指し、議会人事改選後の議会改革の議論の中で提起していきたいと思います。
最終日議案審議、その3(廃棄物減量等推進審議会の増員)
最終日議案審議、その3(廃棄物減量等推進審議会の増員)
議案審議の3つ目は、廃棄物減量等推進審議会委員の増員に関するものです。 これまで、ごみ手数料(家庭系、事業系、産業廃棄物)とし尿処理手数料、水道料金などは、公共料金等審議会という附属機関に諮問をし、答申を受けて、行政としての成案とした上で、議会に提案をするという手続きを取ってきました。 水道事業など、専門性が増しているということを理由として、水道・下水道料金に関しては公営企業経営審議会を新たに設置することとしています。 それに伴って、公共料金等審議会を廃止をし、ごみ、し尿などの手数料も廃棄物減量等推進審議会で審議をすることにし、これまで上限が13名であった審議会の委員を15名まで増員するという案です。 現在の公共料金等審議会は定員が12名で以下の構成です。 商工会議所、農協、地域女性連絡会、町内会連合会、青年会議所、学識経験者、消費者協会、金融協会、労働団体、社会福祉協議会、公募2名 一方、廃棄物減量等推進審議会は定員が13名で以下の構成です。 商工会議所、農協、地域女性連絡会、町内会連合会、青年会議所、建設業協会、商店会、学識経験者、廃棄物処理業協会、消費者協会、学校、公募1名、欠員1名(公募枠) 2名の増員で想定をしているのは、金融協会から1名、社会福祉協議会から1名とのことです。 他の審議会もそうですが、多様な団体から選出をしているからといって、すべての市民の意見を反映できるわけではありません。どこかで線を引かなければなりません。 そのために、市としてもルールを作っています。 それが、「恵庭市附属機関等の設置等に関する取扱要綱」でこちらです。 http://www1.g-reiki.net/eniwa/reiki_honbun/a032RG00000804.html その中ではこのように定めています。 (附属機関等の設置及び運営) 第3条 附属機関等の設置及び運営に当たっては、次の事項に留意するものとする。 (1) 附属機関等の所掌事務は、設置目的及び審議事項が類似する附属機関等の設置を防ぐため、できるだけ広範囲のものとし、その運営に当たっては、分科会又は部会を設置して弾力的及び機能的な運営を図ること。 (2) 附属機関等の委員の数は、13人以内とすること。ただし、当該附属機関等の所掌範囲が広い場合及び法律又はこれに基づく命令(以下「法令」という。)に定めがある等特別な事情があるときは、この限りでない。 これに基づいて、私は厚生消防常任委員会の中で、 どのような「特別な事情」があるのかを確認しました。 新たに料金を審議するので、金融協会(銀行の支店長)、高齢社会の市民意見を反映するために、社会福祉協議会の委員を増員するという回答がありましたが、そのような理由は元々の13名の委員にもそれぞれあるわけで、明確な「特別な事情」がないならば、自ら定めたルールに基づいて、委員を変更するべきです。 特別な事情の説明がされていないのに、ルールで定めた原則を無視する理由はなんでしょうか。 学校運営協議会の議案もそうですが、議会側としてのチェックというのはまさにここで、条例規則などを定めて、行政の執行を監視することが大きな役割です。 中身を正確に理解しないままに、行政に白紙委任するのであれば、議会の存在意義はなんでしょうか。 今回改正をした「恵庭市廃棄物の処理及び清掃に関する条例」。 http://www1.g-reiki.net/eniwa/reiki_honbun/a032RG00000324.html 討論原稿です。 -- 恵庭市廃棄物の処理及び清掃に関する条例 反対討論 17.3.24 柏野大介  私は、ただいま報告をされました議案第10号「恵庭市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正」について、可決すべきものとした委員長報告に反対の立場から討論を行います。  恵庭市は、恵庭市附属機関等の設置等に関する取扱要綱の中で、審議会など附属機関のあり方について定めています。その設置と運営に関しては、第3条及び4条で規定し、第3条の2項は、 (2) 附属機関等の委員の数は、13人以内とすること。ただし、当該附属機関等の所掌範囲が広い場合及び法律又はこれに基づく命令(以下「法令」という。)に定めがある等特別な事情があるときは、この限りでない。 と明確に定めています。  要綱は、内部的な規範であって、住民に対して拘束力を持つものではありませんが、行政自らがそれに反して事務を行うというはあってはならないことです。今回の条例改正について、付託された厚生消防常任委員会の質疑に対する答弁では、13人以内の例外とするべき特別な事情として、これまで公共料金等審議会で諮問されていたごみ処分手数料が新たに審議の対象となること、収集方法など幅広い議論をしていくことの2点をあげていますが、これらの内容は、以前から廃棄物減量等推進審議会でも報告されてきた内容であり、今回「特別に」所掌範囲が広がるものでもありません。  特定の専門性や属性の委員を必要とするのであれば、あくまでも要綱が定める13人という枠の中で、委員を交代すればよいことで、増員をしなければならない必要性、「特別な事情」は十分に説明されていません。  恵庭市では、これまで人口が増加してきた一方で、(全国的には)町内会の加入率低下など、各種団体に所属する人の割合は低下の傾向が見られます。団体による意見集約は、以前と比べれば機能しづらくなってきており、審議会に団体枠を増やせば、市民の声を的確に反映できると考えるのは幻想です。  以上の理由から、この度の議案第10号「恵庭市廃棄物の処理及び清掃に関する条例」の一部改正に反対するものであります。
最終日議案審議、その2(学校運営協議会委員)
最終日議案審議、その2(学校運営協議会委員)
最終日に反対をしたのは、前回書いた平成29年度予算案の他に2つあります。 いずれも条例の改正案なのですが、条例を決める議会のあり方が問われるものだということで、討論を行いました。 新たに導入しようとする学校運営協議会の委員報酬を決めるというものと、公共料金等審議会の廃止にともなって、ごみ料金を廃棄物減量等推進審議会で審議をすることになり、委員数を増やすというものです。 今日は、そのうち、学校運営協議会に関する討論について書きます。 細かいことなのかもしれませんが、法律では、こうした審議会の委員などの報酬は「条例で」決めなさいということが書かれています。もちろん例外はあって、確かに他のまちでは規則に委任をしているケースも見られるのですが、その場合であっても、日額支給以外の方法を取る場合には「条例で特別の定め」が必要ということになっています。 この議案については、総務文教常任委員会に付託をされ、審議がされていたのですが、いくらを想定してるのかということや、今の(恵み野、島松で行われている)コミュニティスクールとの関係、他の行政委員会の報酬の議論が特別職報酬等審議会で行われてきたのかというようなことが質疑をされていました。 今回恵庭市で決めようとしている内容が法的に問題ないのかという点については、質疑がなかったので、事前に担当課にも確認はしましたが、法制にも相談をしているとの回答でした。 解釈としては理解できる部分と、私としてはやはりダメだろうという部分があって、討論原稿を作成しました。 最終日の一波乱というのは、その討論の中で、私はその内容が法律に反して「違法である」と言い切ったのですが、違法な条例を議決したということなのかという点で確認の動議が出され、議会運営委員会の中で確認されることとなりました。 私として問題とした点ではないところに関してのみ確認が行われ、私には説明の機会がありませんでしたが、その後議長とも協議をさせていただき、一部私の発言を訂正させていただきました。 討論原稿は一部修正を行ったものを掲載します。 細かい表現で原稿通りでない部分があります。 — 恵庭市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例 反対討論 17.3.24 柏野大介  私は、ただいま報告をされました議案第2号「恵庭市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正」について、可決すべきものとした委員長報告に反対の立場から討論を行います。  この度の改正は、学校運営協議会の委員を選任し、今後市内の全小中学校に導入を進めるにあたり、その報酬額について変更しようとするもので、委員会の審議によれば、年額で3000円とすることとされています。 この額については、私も妥当であると考えるところですが、今回の条例改正では、その内容は全て規則への委任とされています。  地方自治法では、第203条の2第4項において、審議会委員等の報酬額や支給方法について、条例で定めなければならないと規定しています。この点、規則に委任することができるかについては解釈が分かれるところですが、条例中、他の審議会委員を見れば、規則に委任しているものは、「臨時又は非常勤の嘱託員、調査員及びこれらに準ずる者」のみであり、法律の趣旨からすれば今回の学校運営協議会については、報酬額を条例で規定すべきところです。しかし、先ほどの答弁の中でも条例に金額を規定できない明確な理由は示されませんでした。  また、同法第203条の2第2項において、審議会委員等の報酬については原則日額とすることとし、例外を定める場合には条例によることとしています。  この2項ただし書きについて、平成23年12月15日の最高裁判例では、「原則日額とする一方、条例で定めることによりそれ以外の方法も採りうる」としていますが、「その方法や金額を含む内容については、議会において決定する」こととしています。 この判例からも、条例中に特別の定めを設けないまま、規則に委任をし、報酬を年額と定めることは、法の趣旨を逸脱しており、違法の恐れが大きいです。  いうまでもありませんが、地方自治法第2条第16項は、法令に違反してその事務を処理してはならないとしています。 議決機関である議会が、こうした法解釈を誤ることのないよう、議員各位の賢明な判断をお願いをし、反対の討論といたします。
平成29年度予算を議決し、議会閉会
平成29年度予算を議決し、議会閉会
会期中、ブログでの報告が滞っており、申し訳ありません。 本日は定例会の最終日で、平成29年度予算案などを議決し、終了しました。 日程表はこちら。 平成29年第1回定例会最終日日程表(PDF、1.3MB) 私は、一昨年以来、原田市長の予算・決算には全て賛成してきましたが(補正予算を除く)、今回はじめて反対し、反対討論を行いました。 予算の概要などは市のウェブサイトからご確認いただけます。 予算情報公開用資料(PDF、1.2MB) 予算の概要(PDF、1.9MB) 平成29年度予算書(リンク) 一般会計予算は、4人が討論をし、賛成多数で可決されています(賛成18:反対2)。 賛成討論:小橋議員(清和会)、佐山議員(公明党) 反対討論:藤田議員(共産党)、柏野(諸派) そのほか、2つの議案について反対の討論を行いましたので、それについてはまた後日ご報告致します。 討論の原稿はこちらです。 -- 平成29年度恵庭市一般会計予算 反対討論 17.3.24 柏野大介  まずはじめに、この間予算編成に取り組んでこられた職員のみなさんの努力に心から敬意を表したいと思います。  私は原田市長のもとでの予算・決算について、補正予算を除けば、すべて賛成をしてきました。それは、厳しい財政状況の中でも、借金を減らし持続可能な財政運営に努めようという姿勢があったからです。しかし、経年の変化を見ていくと、平成28年度予算は10年前の三位一体の改革以前の水準を上回り、平成29年度予算はさらにそれを超えています。それにも関わらず、この予算案は平成29年度に生じる将来の負担を全て表してはおりません。  定例会の初日、市長は新年度の市制執行方針の中で、第5期総合計画に触れ、新工業団地の開発に向け、取り組みを進めると明言をしています。  民間との連携を念頭に、リスクの小さい手法と説明をしていますが、市にとってリスクが低く、事業者にとって大きなリターンが見込めるならば、その負担を負うのは誰でしょうか。世界経済の不確実性が高まる中、インフラの維持を含めた市の財政負担がどのようになるのか、現時点では全く明らかではありません。  また、まちづくり拠点整備事業の中の緑と語らいの広場の複合施設については、すでに事業者が選定をされ、平成30年4月のオープンに向け、設計に着手されているとのことです。  新年度には建設が始まるであろうこの事業も、建設費の総額は12億円とも言われる大事業ですが、建設は民間企業によるものであって、賃料や契約期間の詳細が示されておらず、年間の実質的な負担額が、5000万円なのか、1億円なのか、30年後にその建物がどうなるのか、将来の負担額がいくらになるのかもわかりません。  恵庭市財政運営の基本指針では、地方債現在高の縮減について、2つの目標を設定しています。 投資的事業充当起債は年間10億円程度を上限とし、一時的にこの上限を上回る場合にも、その年度に償還する投資的事業充当起債の元金の額以内とするというものです。 わずか3年前に作られたこの指針も、すでに形骸化をし、現在の中期財政見通しで示されているだけでもすでに5年間で10億円この目標を上回ることとされています。 ここにはもちろん、先ほどの緑と語らいの広場のように、隠れた借金は入ってきませんし、島松駅のバリアフリー化を進めるための起債の余力もありません。  過去最大の予算に、こうした見えない負担が加わると、(さらに今年度補正で出てくるものを加えると)全体像はどうなるのでしょうか。  確かに財政上のルールをクリアしているのかもしれません。しかし、この予算は、制約をすり抜けてハード事業を進めるための隠れ蓑になっていると言わざるを得ません。いくら予算の編成過程や個別の事業を公開しても、こうした手法によって、全体像を意図的に隠してしまったときに、市民は正しい判断ができるでしょうか。  地方自治法は、第1条で、民主的にして能率的な行政の確保を目的として掲げています。企業と大きく違うのは、単に能率的なだけではない、民主的な過程が何よりも自治にとって重要であるということを示しています。また、財政運営について、恵庭市まちづくり基本条例の中では、第23条第3項において、「市長は、予算及び決算並びに財政状況に関する情報を市民に分かりやすく公表しなければなりません」としています。  予算の個々の事業ではなく、議会に提案がされないままに既成事実が積み上げられていく、こうした行財政運営のあり方に問題があると私は考えています。  原田市長は多くの場面で、市民や職員の信頼を得て、職務を果たしておられます。  今後の行財政運営においては、全体像をしっかりと示した上で、まちづくり基本条例に定める市民協働のまちづくりを進めていただけるようお願いをし、反対の討論といたします。
一般質問用追加配布資料
一般質問用追加配布資料
明日の一般質問で使用する資料を議長に提出しています。 議場にお越しいただける方には配布されますが、ネットで傍聴される方はこちらからダウンロードしてご覧ください。 170301 町名別人口密度