2019年の記事一覧Archives

行政の中立性はどこへ?
行政の中立性はどこへ?
一般質問の3つ目は、行政の中立性について。 第3回定例会で、手話言語条例が制定されたところですが、市としては条例制定を広く市民に伝えるために、手話言語条例の制定記念イベントを計画しています。 これ自体はとってもよいお話で、ぜひ広く市民のみなさんにご参加いただけるイベントになってほしいと願うところなのですが、残念なことはその人選です。 日程や講師などは、11月の広報えにわに出ていたところで、私は、報告会(かしわのとえにわを語る会)に参加をされた市民の方から教えていただきました。 その方個人については、様々な考えがあると思いますが、経験を踏まえて、これまでやってこられた手話の取り組みなどはすばらしいと思います。 しかし、その方は現在、参議院議員という公職にあります。 参議院の比例代表選挙は、「非拘束名簿式比例代表制」というもので、個人名を書いて投票することが、政党の得票となって、議席が配分されるという仕組みになっています。 <現行の参議院議員選挙制度> つまり、今回恵庭市が開催するイベントが、単なる選挙区内における議員(公職の候補者)の政治活動の支援にとどまらず、特定の政党の支援になる側面を持っています。 政治活動とは、政治上の目的を持って行われるいっさいの活動とされており、今回のイベントのチラシを掲示したり、配布を行うことは、行為の類型上、政治的行為に該当すると考えられます。 地方公務員法は、第36条2項で「特定の政党(中略)を支持(中略)する目的をもつて、次に掲げる政治的行為をしてはならない」としており、その行為が地方公務員法が禁じる政治的行為に該当するかは、その行為の目的が問題となります。(末尾に地方公務員法を貼ります) 今回の講演依頼は、講師が所属している、公益財団法人聴覚障害者教育福祉協会と当該議員の議員事務所を通じて行ったそうなのですが、オフィシャルサイトの講演依頼のところを見ると、明確に政治活動を応援しませんか?と記載されており、講演を行うことが、比例代表の参議院議員(と政党)にとって、大きな応援になるということがわかります。 また講師の選定過程では、手話言語条例制定プロジェクトのメンバーにもはかったということのようですが、会議の中では、他の講師の提案もあったものの、すでに行政側で打診(依頼?)をしているということを理由に、既定路線であったということも確認しております。 こうしたことから、今回のイベントは、行政の政治的中立性を大きく損なうものであり、中止すべきものです。 このような問題をはらんでいるにも関わらず、市は特に顧問弁護士に法的な相談を行なわずに、中止にはしないという判断をしています。 すでに開催をすること自体が、政治的中立性から考えると問題がありますが、今後は講演の内容についても、しっかりと検証を行う必要があります。 内容の検証に関しては、10月に開催された他の講演会でも、市民から宗教的中立性について疑義が指摘されたものがありました。しかし、講演の開催記録は、参加人数や感想などの簡素なもので、講演の内容や、事前に指摘があった事項に対して、具体的にどのようなお話をされたのかはわかりませんでした。 事前に懸念があったケースでも、詳細な記録を残していないとすると、決算の段階で、その事業の妥当性をどう評価するのでしょうか。 例えば講演の音声データを事業年度の決算が終了するまで保管する程度のことは難しいことではありません。 恵庭市役所の中にも、どこかの国と同じような空気を感じるのは、私だけでしょうか。 -- <地方公務員法> (政治的行為の制限) 第三十六条 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となつてはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。 2 職員は、特定の政党その他の政治的団体又は特定の内閣若しくは地方公共団体の執行機関を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、あるいは公の選挙又は投票において特定の人又は事件を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、次に掲げる政治的行為をしてはならない。ただし、当該職員の属する地方公共団体の区域(当該職員が都道府県の支庁若しくは地方事務所又は地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市の区若しくは総合区に勤務する者であるときは、当該支庁若しくは地方事務所又は区若しくは総合区の所管区域)外において、第一号から第三号まで及び第五号に掲げる政治的行為をすることができる。 一 公の選挙又は投票において投票をするように、又はしないように勧誘運動をすること。 二 署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。 三 寄附金その他の金品の募集に関与すること。 四 文書又は図画を地方公共団体又は特定地方独立行政法人の庁舎(特定地方独立行政法人にあつては、事務所。以下この号において同じ。)、施設等に掲示し、又は掲示させ、その他地方公共団体又は特定地方独立行政法人の庁舎、施設、資材又は資金を利用し、又は利用させること。 五 前各号に定めるものを除く外、条例で定める政治的行為 3 何人も前二項に規定する政治的行為を行うよう職員に求め、職員をそそのかし、若しくはあおつてはならず、又は職員が前二項に規定する政治的行為をなし、若しくはなさないことに対する代償若しくは報復として、任用、職務、給与その他職員の地位に関してなんらかの利益若しくは不利益を与え、与えようと企て、若しくは約束してはならない。 4 職員は、前項に規定する違法な行為に応じなかつたことの故をもつて不利益な取扱を受けることはない。 5 本条の規定は、職員の政治的中立性を保障することにより、地方公共団体の行政及び特定地方独立行政法人の業務の公正な運営を確保するとともに職員の利益を保護することを目的とするものであるという趣旨において解釈され、及び運用されなければならない。 地方公務員法(e-Gov)
通過型観光からの脱却を
通過型観光からの脱却を
一般質問3項目の2つ目は、花の拠点を中心とした観光行政について。 花の拠点事業は、前回の議会で議決され、ガーデン部分のほか、センターハウス(旧保健センター)の工事も進んでいます。 【追加議案】花の拠点センターハウス改修工事の契約(2019.10.22) 来年のオープンに向け、着々と準備は進んでいるわけですが、それに伴う運営経費がいくらかかるのかは、いまだに議会でも明らかになっていません。 この間、報告会で説明をするたびに、そのような事業が進んでいることを知らなかった、市としても市民向けに説明すべきではないか、そこに市民が関わる場が必要ではないか、などのご意見を頂いてきました。 私としても、これまでかしわのレポートで何度か話題にしてきているつもりではあったのですが、まだまだ伝える工夫が足りないのだと感じています。 それと同時に、やはり市としても、市民に対する説明だけでなく、市民の意見を反映させる場が必要だと思います。 道と川の駅を開業する前の平成14年(2002年)には、市は5回のワークショップを開催し、延べ192名の市民が参加をしています。 毎回参加をした人がいるとしても、40名近い市民の方が関わって、道と川の駅のあり方が議論されたということです。 それに対して、今回の花の拠点検討会には、一般の市民は、花の団体から3名が参加をしているだけです。 団体に関わっている方だけでなく、幅広い市民に対して、説明の場がこれまでもたれてこなかったことが、市民不在の事業であることを表しています。 事業に伴う収支については、2016年に、この事業が具体化したときには、11億2300万円かかるけれども、毎年約4億9000万円の経済効果が生まれるという説明を受けました。 160909 花の拠点整備に伴う経済効果予測(目標値)議員協議会資料 しかし、これだけ事業が具体的に進んでいく中で、入居する民間事業者が決まらないことから、未だに経済効果も、運営に要する経費も説明できないという事態に陥っています。 年が明けると予算の審議ですが、そのタイミングで突然数字を出されても、それを検証するにはあまりにも時間が足りません。 議論が深まらなくても、事業は進められるから、そうしたやり方でも問題がないのかもしれません。 最後に、通過型観光を脱却するための具体的な方法を提案しました。 北海道の観光入り込み客数調査によると、このようになっていて、宿泊者数は年々減少し、直近の平成30年は約4000人となっています(調査に対する恵庭市の集計、報告に誤りがあったそうで、正しい宿泊客は「4」です)。 宿泊施設の受け入れ能力は大きく変動がない中で、札幌や千歳にホテルが増加したこともあって、恵庭の宿泊客数は減少しています。 恵庭に目的を持って訪れた人たちに、積極的に泊まっていただける理由づけが必要です。 先日、静岡県の藤枝市を訪れた際に、観光関係の方とお話をしていて、藤枝市もめぼしい観光地がないというお話をされていました。恵庭よりも人口も多いということはあるにせよ、その中で多数のホテルを抱え、最近も新たにホテルができている理由を聞いたところ、ビジネス客や、スポーツの合宿などの理由を挙げられていました。 札幌市に近接し、交通の利便性の高さを考えると、まったく同じではないにせよ、泊まっていただくための後押しがもう一歩必要です。 そんな中で、恵庭に目的を持って訪れる理由のひとつとして、自治体議会などによる「行政視察」があげられます。 読書のまちづくりや、花のまちづくりなど、全国的にも有名な取り組みを目的に、毎年多くの自治体等からの来訪者を受け入れていますが、残念ながら、そのほとんどは、札幌や千歳に宿泊しています。 議会事務局にある資料を確認させてもらったところ、 平成30年の実績では、28団体から239名を受け入れしていますが、 この中で恵庭市内に宿泊をしていただいたことが明らかなのは、1団体10名の方だけでした(ちなみに藤枝市の方です)。 わずか200人かもしれませんが、全体でも4000人しかいない宿泊者数を考えると、実に5%に達します。 まずはこのような、恵庭に目的を持って訪れた人に、できるだけ泊まっていただくという地道な取り組みが、少しずつ観光消費額を増加させていくことにつながっていくのだと思います。 (宿泊者の消費額が圧倒的に高い) その他、イベント民泊についても提案しましたが、市長からは「参考にします」という非常にシンプルなお返事をいただきました。きっと実現しますw https://www.mlit.go.jp/kankocho/news06_000421.html https://min-paku.biz/news/airbnb-report-event-minpaku-201906.html
悪臭問題には適正な対処を
悪臭問題には適正な対処を
ご報告が遅くなりましたが、 第4回定例会では、3項目の一般質問を行いました。 ①観光振興 ②悪臭問題 ③行政の政治的中立性 という3点ですが、コメントもいただいておりますので、 悪臭問題から、ご報告させていただきます。 今回、この件を把握したのは、10月下旬に柏木地区にお住まいの方から ご連絡をいただいたことがきっかけでした。 答弁では、8月以降で100件を超える苦情が市役所には 寄せられているとのことでしたが、苦情が柏木以外、恵み野、文京などからも 寄せられており、臭気が相当の広範囲に渡っていることから、原因の特定は困難とのことでした。 一方で、この苦情とは別に、臭気の生ごみなどを扱う事業場に対する 立ち入り調査を行っており、臭気測定の結果、敷地境界における 濃度の規制基準を超えている事例を把握しているとのことであり、 それに対しては、「適切に行政指導を行っている」とのことでした。 いつまでの期限を設けて指導を行なっているのかを聞いても、 個別の事案には答えられないとのことです。 100件を超える苦情がありながら、「基準を超えたからといって、 ただちに法令違反ということではない」という答弁では、 とても「生活環境の保全と国民の健康」を目的とする悪臭防止法の 目的が果たされているとは言えません。 また、柏木地区には教育委員会所管の給食センターもあります。 8月に議員数名で給食センターを訪れた際には、 強い臭気を確認していましたが、 教育部長からは、「学校給食センターからはそういう話は聞いていない」 との答弁でした。 給食センターの職員さんは把握をされているのに、部長が把握をしていない のだとすれば、組織として問題があります。 私も少し誤解している部分があり、不十分な点もあったのですが、ネット中継でもご確認いただけますと幸いです。 http://www.kensakusystem.jp/eniwa-vod/video/R01/R011204-2.html (なお、悪臭問題については、56:40〜1:09:00のあたりです) 引き続き、勧告を出した後の対応については確認をしていきますので、 臭気の状況などについての情報がありましたら、ぜひお知らせください。
議員にも勤勉手当の不思議
議員にも勤勉手当の不思議
11月28日から、第4回定例会が始まりました。 提案されている案件はこちらの通りです。 https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/kurashi/shiseijoho/shigikai/shigikaiteishutsugian/4198.html 毎年指摘をしていることですが、 民間企業とは仕組みが違う公務員の給料改定の仕組みに合わせて、市長や議員のボーナスを引き上げる仕組みには強い違和感を感じています。 -- 平成28年第1回臨時会 https://kashiwano.info/article-2744.html かしわのレポート25号 https://kashiwano.info/article-3437.html かしわのレポート29号 https://kashiwano.info/article-3623.html -- 何度も指摘していることですが、わかりやすく言えば、勤勉しているかどうかの評価を受けない特別職の公務員である議員に勤勉手当を含んだ(と同等の)ボーナスの月数はおかしいということです。 国の一般職の公務員の期末手当は2.6か月であり、勤勉手当の1.9か月分を加えて、4.5か月分となります。 これが管理職や、事務次官などの指定職になると、期末手当の割合は下がり、勤勉手当のウェイトが高まります。 (課長などでは、期末2.2+勤勉2.3=合計4.5、事務次官などでは、期末1.4+勤勉2.0=合計3.4 なお、こちらは改定前なので、若干数字のずれがあります。) https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/pdf/r01_kyuyo.pdf これまで臨時職員や非常勤職員では期末手当の支給がありませんでしたが、来年度から始まる会計年度任用職員制度では、ようやく期末手当のみの支給が始まります。(初年度1.3か月、2年目で2.6か月の予定) 一方で恵庭市の場合、人事評価も受けない議員の期末手当を4.5か月に改定するという提案です。 国の特別職(内閣総理大臣など)や北海道の特別職では、国の指定職と同じ3.4か月に準じています。 全国的に見ても、一般職と同様の設定はありますが、 北海道、関東、関西など全体では3割程度の自治体であり、少数です。 また、これらを決定するのは議会であり、議会の意思によって変えることができるものです。 しかし、自分たちの報酬に関するものであることからか、明確な反論は聞こえてきません。 恵庭市の場合、平成15年までは、一般職の職員よりも議員の期末手当がさらに高く設定されていました。 また、平成17年〜平成20年までは、一般職よりもわずかに低い設定となっており、これまでも一般職に揃えてきたということではありません。(その他に独自削減なども行っています) そんな中で、原田市長の就任以降は基本的に、職員と横並びとすることで、特別職の期末手当の増減の理由としてきました。 平成28年からは、指摘を受けて、特別職報酬等審議会に諮ることとしていますが、結論ありきで、都合のいい説明に終始しており、全国的な傾向や、議会での指摘などを踏まえた状況はまったく伝えられておりません。 https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/soshikikarasagasu/soumubu/shokuinka/fuzokukikanto/1/index.html こうした中で、いくら審議会での答申を得たと言っても、それはただのアリバイづくりでしかありません。 何よりも、恵庭においては、納税者の一人当たりの所得額はあまり伸びない中で、この6年間で20万円以上、議員のボーナスが増えるということは、地域の実情にあっているでしょうか。 年金のマクロスライドや生活保護の基準引き下げなど、社会全体の経済の状況、そして、恵庭市の中期財政見通しでは大きな収支不足を見込んでいるということを考えると、必ずしも必要のない議員など特別職の期末手当を改定する理由はありません。 残念ながら採決の結果は、賛成多数で引き上げは可決されました。 今後の対応は別に考えたいと思います。
小学校におけるICT活用とコミスクによる学習支援
小学校におけるICT活用とコミスクによる学習支援
本日は、超党派議員による勉強会「現場から学ぶ会」で柏小学校におけるICT機器活用とコミュニティスクールによる学習支援の取り組みを学んできました。 恵庭市では、恵み野旭小学校から電子黒板の導入を進め、本年度で、市内小中学校全校への電子黒板の配備が完了します。 パソコンやタブレットなど、更新費用が大きいこともあり、議会でも話題にはのぼりますが、活用状況については、なかなか実際に見る機会は多くありません。 今回は1年生、4年生、かしのみ学級の5時間目の授業の様子を見せていただきました。 1年生の授業では、TT(チームティーチング)の先生も入る1年生の授業の様子を見せていただき、少人数学級と複数教員によるきめ細かい指導の必要性を改めて感じました。 4年生の授業では、見せていただいたクラスが、研究担当の先生ということで、教材も動きがあって、子どもたちを惹きつける教材が活用されていました。 特別支援学級かしのみ学級では、電子黒板の投影と画面への書き込みという機能を組み合わせ、子どもたちの参加と試行がうまく引き出されていたように思います。 授業見学後の質疑の中で、他の方からも出ていましたが、活用に関する研修や教材の提供が、負担軽減には重要だと感じます。来年度、デジタル教科書の導入拡大を目指しているところですが、子どもの主体的な学びを促す効果は高そうです。 これに関して、学びの定着の点での効果については、今後ぜひ調べてみたいと思いました。 帰りの会終了後、放課後は、学校運営協議会(コミュニティスクール)による学習支援の様子を見学させていただきました。今日は、地域の方々に加え、職業体験で参加していた中学生も支援に加わり、子どもたちの放課後の学習をサポートしていました。日の短い時期は、帰宅時間が早いことから、低学年の参加が難しいということでしたが、学校という場を使って、学習支援の取り組みができることは、参加のしやすさという点では非常に期待できるところです。 効果など、今後の取り組みについても、注視していきたいと思います。 その他、校長先生、教頭先生からは様々な教育現場の実情について、お話を伺うことができました。 現場から学ぶ会、10人で共有しておりますので、今後の議会内での議論を深めていきたいと思います。 ご多忙の中、お時間を割いていただきました山口校長先生、奥寺教頭先生、コミスクのみなさま、教育委員会など関係者のみなさま、ありがとうございました。 http://www10.schoolweb.ne.jp/swas/index.php?id=0110005
【追加議案】花の拠点センターハウス改修工事の契約
【追加議案】花の拠点センターハウス改修工事の契約
最終日に提案された追加議案では、道と川の駅周辺に整備を進めている「花の拠点」の中核施設である(仮称)センターハウスの改修工事の契約がありました。 元はといえば、平成30(2018)年度予算にも計上されていた改修事業ですが、平成28(2016)年9月に議会に示された概算事業費は11億2300万円で、このうちセンターハウスの改修工事は1億2000万円でした。その後、平成30(2018)年8月に、センターハウスの改修運営事業者を募集しましたが、応募がありませんでした。それから、さらに全体事業費の増額が示されましたが、事業費の総額が明らかになったのは、平成31(2019)年度の予算を審議している時期でした。この時点で、センターハウスの改修事業費は、空調機械の更新などを含めて、2億7000万円程度ということになりました。 増額の大きな理由として示されていたのは、空調機械などが老朽化していることから、更新費用が想定よりも大きかったということでした。令和元(2019)年6月には、センターハウスを運営する民間事業者による設計・改修を断念し、市自らが必要な改修を行う方針を決定しました。この時点で、「集客や収益性の観点から、再公募による事業者選定は難しい」と判断しており、平成28(2016)年の花の拠点整備基本計画や、平成30(2018)年度予算で説明してきた収益性は崩れていたと考えられます。 今回の改修工事の議案が提案されたのは、最終日10/10でしたが、10/3に開催された経済建設常任委員会の中では、決裁が済んでいないという理由から、10/2に公表されるはずの最優秀提案者の報告はなく、選定された設計図や改修内容も示されませんでした。 その結果、この契約議案の審議が、実質的な中身を議論できる唯一の機会となりました。 本会議では、花の拠点基本計画からの変更点、今回の工事が、センターハウスの収支に与える影響、工事費2億3000万円の内訳、子どもの遊び場の具体的な中身などについて、質疑を行いましたが、残念ながら、収支への影響は明確でなく、子どもの遊び場とRVパーク(車中泊施設)の収益性も不明確、来場者の想定もなく、投資回収の見込みも明らかでないという答弁でした。 これでは、花の拠点整備事業全体の成否に大きな影響を持つセンターハウスが、大きな負担となる懸念が払拭できません。 同じ会派(市民と歩む無党派ネットワーク)の新岡議員から、 ①事業収支の見込み ②競争性のない発注方法(公募型プロポーザルという随意契約) ③情報共有のあり方 という3点を理由に反対討論を行なっています。
平成30年度決算に反対
平成30年度決算に反対
ご報告が遅くなりました。 10月10日で第3回定例会が終了しました。 今回の定例会では、平成30年度の決算を始め、重要な案件がいくつもありました。 かしわのレポートも鋭意製作中ではありますが、順次ご報告していきたいと思います。 重要案件のその1。 平成30年度の一般会計決算認定については、以下の3点の理由から反対しました。 ①実質単年度収支が、3年連続の赤字となっていること ②割高となった公共施設管理 ③公民連携事業の不透明さ ① 実質単年度収支は、1年間の収入(歳入総額)から支出(歳出総額)を引いて(形式収支)、翌年度への繰越や、前年度からの持ち越し分、貯金(基金)の取り崩しや、借金の繰り上げ返済などの要素を加えたものです。これが赤字ということは、1年間の支出が、定期的な収入でまかなえないことを表しています。 年によって、多少のばらつきがあることは当然で、恵庭の場合も、ごみ焼却施設の建設など大きな事業が続いたという理由もあるようです。 とはいえ、平成30年度では、予算で見込んでいたよりも市税収入や地方交付税が増えたのに、貯金の取り崩しは増え、実質単年度収支の赤字は過去20年間でも最大となっています。 過去5年間のうち、4年が赤字という近年の状態は、一時的なものとは言えません。 ② 経常的な経費の収支を悪化させたひとつの要因が、公共施設を市が保有しない「えにあす」のような手法です。公共施設等総合管理計画では、将来の人口減少を見据えて、公共施設の総量削減や、複合化などが基本方針として定められました。また、行政改革の中で、官民連携の推進がうたわれ、その一手法である公的不動産を活用した民間資金による施設として、緑と語らいの広場複合施設「えにあす」が整備されました。 こうした進め方では、市が借金をして建設をしないため、借金の残高は増えませんが、家賃として、経常的な支出が増加します。市が直接建設すれば6億円程度と説明されていた建設費は、その後面積が拡大されたことや外構工事を含めても、10億円程度です。一方で、えにあすに30年間で支払う家賃の総額は18億円です。 公共施設等総合管理計画では、公共施設の床面積を減らすことで、将来の更新費用など財政負担を軽減することが目的とされていましたが、この点において、行政改革の取り組みは達成できませんでした。 ③ 平成30年度の事業では、旧保健センターから保健センターなどの機能を複合施設えにあすに移転することと合わせて、建物を花の拠点センターハウスとして改修をすることが計画をされていました。しかし、この建物の改修と運営を行う事業者は年度内に見つけることができず、改修も今年度に先送りしました。現時点でも運営事業者が決定しないままに、建物の改修のみを行政が進めることになりました。旧保健センターを1年半にわたって使用しなかったという機会損失に加え(仮に、旧保健センターの機会損失を、移転後のえにあすから考えると、面積ではほぼ同規模であるため、年間で約6000万と見積もることができます)、民間事業者による収益事業の見通しはまったく立っていません(後日説明します)。 これまでも事業の採算性については大きな懸念を持ってきたところですが、補助金を入れたことによる時期的な制約は受けたまま、民間事業者の出方を待つことによる不確実性というデメリットが大きく現れています。 こうした理由から、私は、当初平成30年度の予算で約束をしたことを実行したとは言えないと判断し、決算の認定には反対という立場を取りました。 採決では、賛成18、反対2で、新岡議員と私が反対をしています。
ドットジェイピー最終報告会
ドットジェイピー最終報告会
今期のインターンシップの最終報告会がありました。 2か月間という限られた期間ではありましたが、この間に学んだ成果を、 ぜひこれからの学生生活に、その先に活かして行ってもらいたいと思います。 過去のインターン生たちも、スタッフとして活躍していますが、 こうした活動が、若い世代の政治への関心を高めることに、 とても大きな役割を果たしてくれていると思います。
第3回定例会始まりました
第3回定例会始まりました
昨日9/11から、第3回定例会が始まりました。 201909_第3回定例市議会行政報告 201909_第3回定例市議会教育行政報告 201909_令和元年恵庭市議会第3回定例会議事日程表(9月11日) 本日の議案審議では、継続審査となっていた陳情3件の議決と、新たに上程された議案の審議が行われました。 経済建設常任委員会に付託され、継続審査となっていた陳情が2件ありました。 20190614_経済建設陳情書 ・陳情1号 看護師の全国を適用地域とした特定最賃の新設を求める陳情 ・陳情2号 介護従事者の全国を適用地域とした特定最賃の新設を求める陳情 これまでの委員会審議の中で、陳情1に関しては、 ・看護師の人員不足の要因が低賃金であるのか ・全産業平均よりも看護師の賃金は低いのか ・初任給の地域間格差8万円とする根拠は何か ・陳情が指摘をする内容についての恵庭の実態 などといった質疑があり、 ・人手不足に関して、看護師に特化した調査は行われておらず、その点での把握はされていない ・厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、12の産業別、性別、年齢階層別賃金が出ているが、中位に位置しており、職種全体として、金額で著しく低い実態とは言い切れない ・地域間格差の根拠は独自調査と推定されるが一定ではない ・継続審査の中で調べたが、把握しきれていない という答弁がされました。 陳情2に関しても、 ・数字の根拠 ・恵庭での実態 などといった質疑があり、 同様に、 ・統計データなどから、職種ごとに明確に読み取れるものはない ・市内の状況はつかみきれていない という答弁でした。 委員会の中での採決では、全会一致で不採択とすべきという結論でした。 私も看護師、介護従事者に対する処遇改善が必要であるということについては、その通りだと思っていますが、その解決策を、「最低賃金」という制度に求めることは否定的に考えており、さらに「全国を適用地域とする特定最賃」は地域別最低賃金との間の矛盾が大きくなると考えています。 本会議での採決では、以下の結果となりました。 賛成(3):武藤、澁谷、新岡 反対(17):野沢、生本、松島、宮、南出、岩井、小橋、川股、川原、柏野、石井、長谷、市川、早坂、林、前田、鷹羽 (敬称略、議席順) その他、新規で提案された手話言語条例について、 ・事業者の努力義務に対する市の支援策 ・条例制定後の具体的な取り組み(と財政措置) などについて質疑を行いました。 手話言語条例と会計年度任用職員制度については、それぞれ委員会に付託となっており、手話言語条例は10/2の厚生消防常任委員会で、会計年度任用職員は10/1の総務文教常任委員会で、さらに審議が行われることになっています。 一般質問は9/17〜9/19の3日間で、10人が登壇する予定です。 通告内容は以下の通りです。 ぜひ議場にお越しください! 201909_一般質問通告書
臨時・非常勤職員の制度が大きく変わります
臨時・非常勤職員の制度が大きく変わります
今日は札幌で開催された「なくそう!官製ワーキングプア集会」とその前の学習会に参加をしてきました。 非正規労働の処遇改善、特に自治体の非正規職員や、自治体からの発注による公共分野での雇用環境の改善はこれまでも取り組んできたテーマのひとつです。 2020年の4月から導入される「会計年度任用職員制度」に関して、恵庭市においては、期末手当の支給や、一定の処遇改善(昇給制度)など、評価できる部分もあると思ってきましたが、他市の議員や、これまでに非正規職員の処遇改善を進めてきた自治体の方からのお話を伺うと、まだまだ改善を求めていくべきところに気付かせてもらいました。 民間企業での雇用については、労働契約法の改正により、5年以上での無期雇用への転換が義務付けをされました。 一方で、今回の会計年度任用職員の導入にあたって、恵庭市では、いわゆる「空白期間」(6か月雇用の後、5か月延長、その後継続的な任用とならないよう1か月仕事をしない期間を挟む)が撤廃される代わりに5年間の上限を導入する方向で検討が進められているようです。また、1年ごとに任用期間を区切ることによって、毎年「条件付採用」という試用期間を設けることになっており、この点も大きな問題があります。 制度導入に向けたスケジュールを考えると、次の議会で審議される可能性が高いことから、こうした点を中心に、改善を求めていきたいと思います。