議会報告 report

2016/09/29

条例をつくる・その1(選挙カーに工夫を)

市役所に対して何でも提案できる一般質問は大きなひとつの仕事ですが、それよりも議案審議が大切だと思っています。
市長から出される予算や条例などの議案について質疑を行い、問題がなければ議決というお墨付きを与える役割です。

市役所の人たちが法律や国からの助言に基づいていろいろ考えて出てくる議案ではありますが、全てがカンペキなものだとは私は思いません。
普通の市民の目線に立って、議員同士が話し合いをし、必要があるときには手直しをしてあげることが、議会の役割なんだと思います。

さて。
前置きが長くなりました。

今回提出されている議案の中でいくつか気になっているものがあります。

議案はこちらに掲載済みですが、

16.9.12 議会運営委員会

その中の議案第4号の体育施設条例と、議案第6号の公費負担条例です。
まずは日程の迫っている公費負担条例からご説明します。

公職選挙法では、民主主義を支える重要な機会である選挙に、誰もが立候補出来るように、お金のかからない選挙の仕組みを作っています。
供託金のようなハードルはあるものの、ポスターや選挙カーにかかるお金を市役所が負担をしたり、決められたハガキをタダで出せるようにすることによって、お金をたくさん使えるかどうかではなく、同じように選挙の土俵に乗れるようにすることが目的です。

恵庭市でも、その制度に基づいて作っているのが、公費負担条例です。
この条例で決めているのは、大まかにポスターの作成費用として15万円くらいと選挙カーのお金が20〜45万円です。

そして、国の算定基準が変わったことに合わせて(消費税分に近い引き上げ)恵庭市も基準を引き上げるための改正案を提案しています。

■公職選挙法施行令改正の概要
 ○選挙運動用自動車の使用の公営(単価は原則1日あたり)
 ・一般運送契約である場合 64,500円 → 据え置き
 ・一般運送契約以外の場合 
   自動車の借入れ 15,300円→15,800円
   燃料費 7,350円→7,560円
   運転手賃金 12,500円→ 据え置き

 ○選挙運動用ポスター作成の公営(500か所以下の場合)
 印刷単価(1枚あたり) 510円48銭 →525円6銭
 企画費 301,875円 → 310,500円

これを受けて、
恵庭市ではこのように変えようとしています。

■恵庭市の提案している案
 ○選挙運動用自動車の使用の公営(単価は原則1日あたり)
 ・一般運送契約である場合 64,500円 → 据え置き
 ・一般運送契約以外の場合 
   自動車の借入れ 15,300円→15,800円
   燃料費 7,350円→7,560円
   運転手賃金 12,500円→ 据え置き

 ○選挙運動用ポスター作成(恵庭市独自基準)
 印刷単価(1枚あたり) 1,200円→ 1,236円(流動単価の増額)
 掲示場が123か所のため、総額は 147,600円→152,028円(1人あたり上限額)

難しいのですが、一般運送契約というのは、タクシー会社などに車の借り上げと運転手さんとガソリン代をまとめて頼むこと。
一般運送契約以外というのは、それら3つを個別に頼むことです。

そもそも選挙カーに税金使う必要はないというご意見もあると思いますし、私もこれをなくせば、工夫が生まれると思っていますが、現状では選挙カーを使っている方が多く、今の時点で廃止を主張しても現実的ではありません(賛同が得られづらい)。

それで私が作った修正案はこちらです。

■修正案
 ○選挙運動用自動車の使用の公営(単価は原則1日あたり)
 ・一般運送契約である場合 64,500円 → 31,300円(引き下げ) 上限額を一般運送契約以外の場合と同額とする
 ・一般運送契約以外の場合
   自動車の借入れ 15,300円→据え置き
   燃料費 7,350円→3,500円(引き下げ)
   運転手賃金 12,500円→ 据え置き
 燃料代は過去3回の市議選の平均額が2041円〜2607円であり、 候補者76名のうち、3,500円を超える金額の支出をしているものは3名にとどまる。

 ○選挙運動用ポスター作成の公営
 単価1200円は据え置きで枚数を掲示場の1.1倍とする→135枚
 総額は147,600円→162,000円


これまでは自分でバラバラに手配するよりも、タクシー会社に一括で頼む方が2倍以上のお金を払ってもらえるという国の仕組みに合わせていました。

それぞれの候補者が少しでも工夫をすることで、これにかかるお金を減らせる方法として、多くの候補者が利用していた低い方の基準に合わせることを提案します。

これによって、最大で1人あたり20万円程度の削減になります。
そしてその分で、予備が認められていなかったポスター作成に1割の予備を認めます。

この修正案を9/27に全議員に配布しました。
これを念頭に所管の委員会で質疑を行い最終日には修正案を出します。

あまりなじみのない選挙の細かい話ですが、ここにお金を使うならもっとこういう方法があるなどのご意見もお寄せいただけたらうれしいです。

皆様のコメントを受け付けております。

  1. […] 昨日の本会議では、2つの議案に対し、修正の動議を提出しました。 (条例をつくる・その1(選挙カーに工夫を)) ようやく、条例、政策の中身で議論ができると思っていたのですが […]

  2. […] 今期は日程の都合のついた2回だけでしたが、引き続き現場みらい塾に参加させていただいておりました。 全国の自治体職員、議員、市民がともに学ぶ場は非常に貴重で、講師の先生から学ぶだけでなく、熱意あふれる受講生と共有する時間の中からもさらに多くの知見を得ることができます。 今回の2日間は事前に準備した事業シートのプレゼンと、香川県三木町長の筒井敏行さんの講演、元我孫子市長の福嶋浩彦さんの講演をお聞きしました。 今回のプレゼンでは、第3回定例会でも修正案を提案した市議会議員選挙の公費負担制度についてシートにまとめ、説明をし、評価についてお話をさせていただきました。 修正案を提案するにあたり、準備もしていたので、割と説明ができると思っていたのですが、制度自体をご存知ない皆さんに中身を分かっていただくために必要な情報としては全く不十分であったことを痛感しました。 修正案を提案をし、その内容を市民の皆さんに報告をするとしたら、まだまだ至らぬことが多くありました。 筒井町長からは、役所としての仕事のあり方について、住民の方を見て仕事をするということの意味を繰り返しお話いただきました。 町民からの要望に対する姿勢、職員のプロジェクトチーム、職員の信頼、小さな町のやるべきこと、無作為抽出による市民会議・百眼百考会議のことなどを通じて、町民が役所は自分たちのために仕事をしてくれていると思えたらそれに尽きるという全体を貫く理念を語っていただきました。 福嶋さんのお話をお聞きするのは、初めてではありませんが、何度聞いてもブレない自治の本質をお話いただきました。 お二人の首長、スタイルは違いますが、市民の思いから始まって、徹底して市民と向き合うという強い信念は共通です。 私にとってやるべきこと、足りないことは明確です。 愚直に、現場で市民と語り、一歩ずつでも共感を広げていけるように努めたいと思います。 […]

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