主張 opinion

2021/09/15

産廃特会への繰出は返済されるあてのない貸付

恵庭市議会の柏野です。

本日は定例議会の初日、議案審議が行われました。

ちょっと意味のわからないタイトルかもしれませんが、じっくり説明していきたいと思います。

本日の議案の中で、私が注目したのは補正予算です。

一般会計(普通のお財布)から産業廃棄物特別会計(専用のお財布)に赤字の穴埋め分として、2600万円を渡すという内容が含まれていました。

令和2年の産業廃棄物特別会計において、コロナの影響などによって、ごみが減少し、その結果手数料収入も減少しました。
ごみが減っても、焼却施設や、埋め立て場の管理などにかかるお金はかわらないことから、収支の均衡を図るためには、収入を増やす必要があります。令和3年度予算では、貯金を取り崩して穴埋めをするはずだったものの、今回、令和2年度の決算が確定したことにより、取り崩す予定の貯金の残高が足りなくなることがわかったため、その不足分を一般会計から繰り入れによって、収支の均衡を図るという内容でした。

そもそも特別会計は、一般会計と区分して経理する必要がある場合などに設置しており、独立採算を基本にしています。
産業廃棄物でいうと、自治体としては必ずしも処理する必要のない産業廃棄物を、恵庭市の場合、家庭などからでる一般廃棄物と一緒に処理していますが、必要な経費は、産業廃棄物から得る手数料収入で賄うということを基本にしてきました。

恵庭市では平成22年からごみを有料化し、その後料金改定をしていますが、その間ずっと言ってきたことは、
家庭ごみは、処理経費の1/3を市民に負担をしてもらう、
事業ごみ(事業系一般廃棄物)は、処理経費の2/3の負担、
産業廃棄物は、経費の3/3、すべてを負担してもらうという原則でした。

今回一般会計が2,600万円を負担するということになると、本来処理する必要がない、独立採算だといってきたルールを大きく変更することになります。
委員会の資料などでは、「一般会計繰入(借入)で対応」と書いているので、きちんと返ってくるあてがあるのか、ということを繰り返し確認しましたが、最後まで「返す」という答弁は得られませんでした。

今後、「産業廃棄物処理事業のあり方」を見直すとしながらも、それを行うのは、令和4年としています。
でも今年度中にも、再び産業廃棄物特別会計のお金がさらに足りなくなる可能性があります(そこは否定していません)。

なし崩しで、ずるずるとこの赤字を一般会計が負担をするというのは、市民の合意がないまま、市民の税金で、産業廃棄物の処理費用を賄うことになります。

根本的なあり方を決めるのが先ですし、それが決まるまでは、あくまでも貸付として、将来的に一般会計に返すということを約束してもらう必要があります。

補正予算には、私と新岡議員が反対しましたが、賛成多数で、この議案は可決をされました。

可燃の家庭ごみは来年から値上げ(40リットルが80円→120円)することが決定されています。
でもこれは、この1/3を負担するというルールに基づくもの。こちらはルール通りに引き上げるのに、産業廃棄物はごみが減ったからルールを変えるということでは、市民の理解は得られないと思います。

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