議会報告 report
2022/12/23
離婚前の相談支援強化を
12月議会の一般質問では、「離婚前後における相談支援の体制」と、「次期ごみ料金改定に向けた検証」をテーマに質問しました。
全国的に見ると離婚件数は2002年をピークに減少していますが、
婚姻件数に対する離婚件数の割合では上昇しており、
令和2年では婚姻件数約52万件に対して、離婚件数は約19万件と、
年間の件数だけを単純に見ると、3組に1組が離婚をする状況となっています。
令和4年度 離婚に関する統計の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon22/index.html
離婚件数のうち、未成年の子がいる割合は約6割で、親が離婚した未成年の子の率は9.95%(令和元年、2019年)となっており、未成年の子どもの10人に1人は、親の離婚を経験しています。
(出所:内閣府 男女共同参画局 人生100年時代の結婚と家族に関する研究会資料)
https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/index.html
子どもの生活の安定のためには、両親の離婚前に、
養育費や面会交流について合意がされていることは重要で、
離婚前後における法的、心理的サポートが必要だと思います。
しかし、実際には、離婚の中で協議離婚の割合は88.3%を占めており、
子がいる離婚であっても、協議離婚の場合には、養育費や面会交流についての
合意がないままに離婚に至るケースが多くあります。
まずはこうした状況について、恵庭市での実態がどうなっているのかということを
確認しましたが、離婚届で把握ができるものの、市町村単位での公表について
法務省の了解が取れていないということで、答弁はありませんでした。
統計上の数字について、母数の極端に少ないデータであれば、
慎重に取り扱う必要がありますが、年間200件程度の離婚件数を考えると、
政策形成には必要な情報ではないかと思います。
国としても、2011年に民法の改正を行い、養育費の取り決めを促していますが、
全体としては、改善は見られません。
実際に届出を受ける基礎自治体が、ここに働きかけない限り、
経済的、環境的に不安定な状況に置かれる子どもの数は減らないのではないかと思います。
法テラスがあっても、実際にどの程度の費用がかかるのか、
その費用を負担してでも調停や裁判に進めるのか、
まずは法的な支援を拡充していくことによって、決めることを促す必要あると思います。
その上で、子どもや親の心理的なサポートも必要です。
2021年に法務省が委託で実施をした
「未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務」
(未成年のときに父母の別居、離婚を経験した20代と30代の男女1000名に対する調査)では、
父母の離婚時、子どもが誰かに相談できたかということを聞いています。
回答では、
4割は、相談したいことはなかった
2割は、人にいいたくなかった
2割は、相談したかったが適切な人がいなかった
1割は、相談できる人はいたが、自分で抱え込んだ
1割は、相談した
となっています。
実に4割の子どもは相談したいことがあったのに、
実際にはそのうち1/4しか相談ができていない状況です。
その上で、当事者たちは、
自身の経験を踏まえて、今後父母の離婚又は別居を経験する子ども達に、
離婚又は別居の前後に子どもの精神面・健康面に問題が生じていないかをチェックする制度や、
子どものための身近な相談窓口
が必要であると回答しています。
学校や、スクールカウンセラーだけで受け止めきれないのだとすれば、
それ以外で相談できる場所が必要なんだと思います。
これからできるこども家庭センターや、他の機関が、そうした役割の一端を担っていただけることを期待しています。
ネット中継はこちらからご覧いただけます。
http://www.kensakusystem.jp/eniwa-vod/cgi-bin4/GetHTML.exe?9nqqblpqoi0s2keuxh/R041202TEIREI.html/0/10/1/0/0#hit1
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