活動報告 activity
2009/06/26
地方分権・道州制と行政体制
6月20日に北大で開催された「地方分権・道州制と行政体制」という
公開シンポジウムを聞いてきました。
基調講演の増田寛也さんは、先月もお話を伺ったところですが、
繰り返し聞いたことでより理解を深めることができました。
お話は3点。
—
1.分権
これまでの議論は、国の権限を都道府県、市町村に移していくというタテ関係
だったが、それと同時に、分権を補完するヨコの関係を強めていくことが必要だ。
広域自治体間での補完が地域を強くする。
国会が持つ立法権を地方議会に移していくことが必要で、
それを考えると、国会議員が分権に対して、一番の抵抗勢力にもなりうる。
どうしても行政優位になってしまうなかで議会の役割は重要。
分権はあくまで、地域がよくなるということのために行なうもの。
制度論だけで地域がよくなるわけではない。
首長、地方に任せれば豊かになるということではなくて、それをうまく
使っていくことが問われる。
強い自治の実現には、なんでもかんでも税に頼るということではいけない。
2.地方議会の役割
中央とは違い、首長も直接住民から選ばれる。
しかし、真の二元代表制になっていない。
住民代表としての議会になっていない。
議員個人が勉強する部分も必要だが、議会全体としての統一的な意思決定を
していくことが必要だ。
今後分権が進めば、地域ごとの利害対立が生まれ、総論賛成、各論反対と
いうことが起きうる。議員が地域を走り回って、議会としての意思をまとめて
いかなくてはならない。
3.個別課題
直轄事業負担金。
退職金など不透明なものが入っている、これは正さなくてはならない。
これが金の問題に矮小化されている。
自治体側からしか解決策は提示できない。
人口減少時代の中で、そもそも全部の直轄事業が必要なのか。
関西の4知事が集まって、中止を決めた大戸川ダムだけではない。
他にももっとあるのではないか。それを点検する必要がある。
金の問題以前に、やる必要がある事業でも、地方に委譲する。
地方が大胆に直轄事業を受け取る。国が国としてやらねばならないもの。
国としても税収が減っていく中で、地方に移していく必要がある。
例えば、県内完結河川、道路。
財源、体制に不備があるなら、どういう体制、財源が必要なのか。
次にに負担の割合。
受益者負担という考えもあるし、直轄だから100%国が持つというのも
一つの方法。ただ、国が100%となれば、事業の完成が遅れるという可能性も
あるし、急ぐために地方が金を出すというのもあり得る話。
個別の事業ごとに受益は違うはずで、一律3分の1ということではない。
すべてがまとまらないのであれば、工事の種類ごとに、ダムはいくら、
道路はいくらと決めるのも一つ。
ただ、地方が金を出したくないから、国が出せということでは長続きしない。
広域自治体の新たな役割。
後期高齢者医療。介護保険。主体は市町村の広域連合ということになっている。
政策として75歳以上で区切るかどうかは別として。
本来県がやるべきものだったのに、県が受けないから広域になった。
保険もそう。ある程度の量が必要なのだから、自治体では担えない。
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という感じでした。
先月研修先で学んだことを踏まえて、今定例会での質問をしていたのですが、
分権という大きなテーマを掲げたときに、一問一答の中で恵庭市の問題と
どうからめて、攻めていくかが今後の課題です。
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