議会報告 report

2023/07/07

市内での出産に選択肢を

第2回定例会の一般質問では、

1.市内での出産に選択肢を
2.多文化共生の取り組み強化を
3.移住者支援とまちづくりへの参画推進を

この3つをテーマにしました。

2018年から、市内クリニックが分娩の取り扱いを休止したことによって、市内での出産は非常に難しくなっています。

以前は市内で約3割、千歳で約3割、札幌が約3割ほどだったと記憶していますが、
現在は、千歳で約4割、札幌で約5割、その他が約1割となっています。

しかし、全道、全国の産科の現状を考えると、産科医を市内に誘致することも容易ではありません。

https://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/cis/ishikakuho/ishikakuhokeikaku.html

出張さんばステーションは、かかりつけ助産師とも言える、継続的なケアの仕組みで、
医療機関、助産院、自宅など妊婦さんのニーズに合わせた出産の選択肢となる可能性があります。

道内でも、こうした仕組みを作るために提言をしている助産師さんがいますが、
開業助産院は全国的にも減少の傾向にあります。

助産院減少の要因は様々ありますが、その一つは、嘱託医、嘱託医療機関の確保が難しくなっていることであり、そうした課題に対して行政として支援することが、市内での分娩に選択肢を増やす上では大きな役割を果たすものと考えています。

また、WHO(世界保健機関)は、2018年に発行した「WHO推奨ポジティブな出産体験のための分娩期ケア」において、助産師制度が十分に機能している環境にある妊産婦に対しては、助産師主導の継続ケアモデルを提供することを推奨するとしています。

こうした継続的なマタニティケアを受けた場合の産後うつのリスクが低下することや、産婦がまた産みたいと考える割合は、継続ケアを受けていない場合の1.5倍とする研究結果もあります。

恵庭市では、これまで総合戦略の成果指標として、合計特殊出生率を設定し、少子化対策にも取り組んでいますが、目標として設定している合計特殊出生率を達成できていません。これは、そもそも合計特殊出生率の計算には、対象となる世代の女性の人数や社会全体の晩婚化、晩産化なども影響しており、単独自治体の施策の影響が限定的であるということもその一因です。

そうだとするならば、成果指標として政策の効果を図りづらい合計特殊出生率ではなく、夫婦の最終的な平均出生子ども数とみなされる(結婚、出産を望んだ夫婦から何人の子どもが生まれたかに近い)完結出生児数を指標としたほうが、政策の検証や改善には適しているのではないかと思います。

その上で、継続的なマタニティケアの仕組みを導入することによって、結婚、出産を望んだ夫婦がまた産みたいと思えるようにしていくことが、地域の少子化対策としては、実効性のあるものなのではないかと考えています。

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