議会報告 report

2023/12/25

地域経済につながる観光振興を

(12/25(月)22:28 詳細記事、更新)

 今回の一般質問では、観光振興と障がい者虐待の防止などをテーマに質問しました。

2018(H30)2019(R1)2020(R2)2021(R3)2022(R4)
入込客数(千人)1,356千人1,390千人1,264千人1,452千人2,010千人
市内宿泊客4,300人4,300人1,500人1,800人2,000人
宿泊延数7,300泊8,800泊2,600泊3,100泊3,600泊
部長答弁7,332人2,510人3,017人3,679人
観光消費額58億円

 恵庭市観光振興計画では、観光振興の基本理念として
・恵庭の認知度の向上
・交流人口の拡大
・経済波及効果の拡大(観光消費額の向上)
を掲げています。

第2期恵庭市観光振興計画(改訂版)
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/kurashi/shiseijoho/shinokakushukeikaku/machizukuri_kanko/4/4604.html

計画当初の観光消費額は、「北海道観光入込客数調査報告書」の観光消費単価に、恵庭の入込客数を乗じて算出していました。
2014(平成26)年時点では、(入込)133.3万人×(消費単価)4,100円=(観光消費額)約55億円という計算です。

この4,100円という消費単価が実態と乖離しているのではないかと言っていたところ、
令和元年度に行った「観光施策調査」に基づき、実態に合わせて見直しを行ったという説明ですが、
目標としている2025(令和7)年度の観光消費額は約62億円で入込客数は150万人であることから、目標単価は4,133円と、見直し前の消費単価とほとんど変わっていません。

一般質問の中では、その積算内訳についても聞いているのですが、飲食店で1,500円、イベントで500〜1,500円というような答弁で、どう積み上げたら4,100円になり、60億円になるのかはよくわかりませんでした。
私としては、宿泊者を増やす取り組みによって、消費単価を上げることが重要だと考えているのですが、2014(平成26)年をピークに宿泊者数も減少し続けています。新たにホテルができたにも関わらず、「コロナによって」宿泊者が減少したということなので、これではいくら入込客数が増えても、観光消費額の伸びは期待できません。

恵庭市観光振興計画の基本理念は、恵庭ならではの「花のまちづくり」の特長を生かし、人づくりと観光振興を一体的に推進ということや、市民や地域と来訪者の交流を深めるということであり、特に民泊と親和性が高いと思っています。

宿泊施設が少ないことを逆手にとって、民泊の推進を行うことは、観光消費額を増やすことや、直接、市民の所得増にもつながることであり、効果は大きいと考えています。

 一方、観光関連では、現在ルルマップ自然公園ふれらんどのリニューアルや、盤尻地区観光まちづくりなど大きな投資を要する構想が示されています。花の拠点「はなふる」でも当初の見込みが大きく外れ、多額の赤字が生じています。この上でさらに観光事業に投資を行うということであれば、的確な実態把握を行った上で、現実的な投資回収が見込めるのかということを見極めていく必要があります。

少なくとも、現状の積算は実態から大きく乖離していると言わざるを得ませんし、盤尻地区の民間事業者の動向も含め、慎重な判断が求められていると思います。

(参考資料)

・北海道観光入り込み客数調査報告書(R4 本編・R4 資料編)
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/irikomi.html

・北海道 民泊の手引き(北海道民泊ポータルサイト)
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/minpaku/notification.html

・恵庭市運動・スポーツ推進計画
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/soshikikarasagasu/hokenhukushibu/kenkosportska/shinokakushukeikaku/1/1/1339.html

・令和5年6月22日 経済建設常任委員会 資料NO8 恵庭市ルルマップ自然公園ふれらんど基本構想(案)について

・令和5年6月22日 経済建設常任委員会 資料NO7 盤尻地区観光まちづくり事業化構想(案)について

皆様のコメントを受け付けております。

  1. 恵庭市に観光事業って必要なのか否か…もっと意見を収集しても良いのかも知れません。恵庭市は通過型の観光施設(はなふるなど)しかないので、そもそも観光事業を伸ばしていくというイメージがわきません。温泉施設などが近郊にあって滞在型の複合施設を開発・形成していくなら別ですが。また、食に関しても目玉的な特産物があるならよいのですが、人を恒常的に呼び寄せるインパクトのある食材は何か!恵比寿カボチャをベースとして札幌や道外からも人が来る料理が欲しいですね。
    ラビダス建設中の従業員や工場建設後の職員に対する食と住の提供を通じて発展させていくということもありかと思いますが、一過性に終わらせない工夫とは何か…関係者の皆さんの知恵出しが求められていると思います。

    • コメントありがとうございます。

      産業として考える場合には、平均所得の問題などもあり、市が大きな投資をして施設整備を進めていくような状況にはないと思っています。

      北海道全体として考えたときには、道内観光客の多くは道央圏に集中していますので、域内消費につながるような取り組みはあってよいと思っています。

      私は「食」が非常に重要だと思っていて、札幌から人を呼び込める民間事業者を育てていくような取り組みは大事ではないかと思っています。

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