議会報告 report

2025/04/08

戦略プロジェクトの総括を

恵庭市では昭和61年を始期とする第2期総合計画の中で、戦略プロジェクトとして高度複合機能都市を掲げ、恵庭リサーチビジネスパーク(以下RBP)を設立しました。時代の変遷の中で、その役割は大きく変わり、転換期を迎えています。

恵庭リサーチ・ビジネスパーク

令和6年8月28日の委員会資料では、自己株式の有償取得に関する報告がありました。

今後の会社運営の機動性や柔軟性を図ることを目的として、
発行済み株式総数30,160株に対して、恵庭市の保有分を除く22,560株すべてを取得するということでしたが、結果としては21,866株を取得し、市の保有比率は91.6%(7,600/8294株)に上昇しているとのことでした。

このことにより、恵庭市としては経営に対する関与、責任がこれまでよりも増すこととなります。

事業内容については、当初の設立目的が時代の流れの中で変化をし、今は起業支援やセンタービルの運営、公共施設の指定管理などを行なっているところですが、RBPでなければならない独自性や優位性はなかなか見出せなかったところです。

起業支援のこれまでの成果としては、センタービルに53社が入居をしたということですが、その後はバブルの崩壊などもあって、撤退や移転をしている事業所もあり、事業を拡大して雇用の拡大につながった具体定な数字としては示されてはいません。

第5期総合計画の中に位置付けされている「研究・事業支援アドバイザー事業」や「食と機械のリエゾンオフィス」など、採算が取れないとしても、公的に実施すべき取り組みもあります。残念ながらこうした取り組みは実績が少なかったり、コロナ禍の影響として、近年は実施されていなかったりとなっています。
答弁ではニーズが少ないとしていましたが、どちらかというと、事業者ニーズに合っていなかったということではないかと思っており、まさにそこが産業支援機関としての専門性が問われているところなのだと思います。

現状、売上に占める恵庭市発注の割合は、直近5か年で72%〜88%と高どまりしており、今回の答弁からは、独立した主体として行政依存からの脱却というのはなかなか難しいように感じています。

今後も組織を存続していくということであれば、あらためて目的を明確化した上で、経営戦略に沿う形での長期的な人材育成の方針も必要になるのではないかと思います。

これまでは累積欠損を抱えていたことにより、当初の目的が大きく変化する中でも、なかなか機動的な対応が難しかったわけですが、今はその負債もなくなり、今後はセンタービルの大規模修繕が必要な時期に入っていきます。そうした時期だからこそ、さまざまな可能性を比較検討する中で、もっとも恵庭の産業基盤強化に資する道筋を示してもらいたいと思います。

インターネット中継はこちらです。
https://www.kensakusystem.jp/eniwa-vod/video/R07/R070228-1.html

<委員会資料>

令和5年12月5日 総務文教常任委員会 資料NO5

令和6年6月27日 総務文教常任委員会 資料NO4

令和6年8月28日 総務文教常任委員会 資料NO3

 令和6年度には、自己株式を取得するなどした結果、恵庭市の出資比率は高まり、経営に対する関与も強まりましたが、売上に占める市発注事業の割合は非常に高く、起業や産業支援に関する優位性は見られません。また、過去の累積赤字が解消された一方で、施設は老朽化し、今後の大規模改修が必要となることなどを考慮すると、将来に向けてその役割や機能をどうするかを明示していく必要があります。

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