活動報告 activity

2008/03/31

市民と議員の条例づくり交流会議に行ってきました

3/29に法政大学で開催された「市民と議員の条例づくり交流会議2008プレ企画/予算改革をはじめよう!」に参加してきました。

これは、私も賛同している「変えなきゃ!議会2007」に関連する企画で、恵庭からは林嘉男議員も参加しております。

はじめに、基調講演として前我孫子市長の福嶋浩彦さんから「予算編成過程の公開と市民参加は、予算改革の切り札になるか」というテーマでお話をいただきました。

実は、昨年の8月にも別な会で、福嶋さんのお話を伺う機会がありました。その際にも非常に鋭い切り口に敬服したのですが、今回は単独でのご講演ということでさらに詳しいお話を伺うことができました。

以下、要点メモです。


自分たちの手で自治を作っている。完成はない。永遠の目標。
市民にできるところは市民が、できないところを自治体が。
まずは市民にもっとも近い市町村がやる。それでもできないところを都道府県が。

なるべく、権限やお金を市民に近いところに持って行くことで、コントロールを働かせやすくする。

選挙は政治参加のひとつの手段だが、もっと大切なことは、日常的なことに直接市民が参加していくこと。行政のあらゆる分野に。
特に予算は一番重要なもの。

そうであるならば、その予算編成過程に参加してもらうことが必要。
これまでにタウンミーティングも行い、2006年からは新規事業に絞って(規模の拡大や、やり方の変更も含めて)編成過程を公開した。

各課が予算要求したところから、すべてホームページで公開してしまおう。
それを積み上げれば、実際に組める予算よりもはるかに大きくなってしまう。企画調整室の査定2回、理事者査定が2回。すべてを公開することで、どこで切られたのかも見える。

市民が要望をあげたものを、担当課が予算要求しているかどうかがまず見える。
要求しているのに、企画調整室で切ったものも見える。
自分の要望が実現するかどうかだけではなくて、他の市民の要望、他の事業との比較でどちらの優先順位が高いのか、まちづくりの方向性と一致しているのかどうか。もし齟齬があるなら、まちづくりの方向性が正しいのか。
まちづくり全体に視野を広げて行くためのツールになりうる。
ただ、我孫子市でもまだまだこの制度を使いこなしているとは言えない。

(パワーポイントの資料)
4回の査定で(A,AB,B,C)とランクづけを行い、削り落としていく。
事業の拡大部分を削ると経常にまわるなど複雑な要素があり、数は完全には一致しない。

補助金)
一度全ての補助金を廃止した上で、2000年から公募を行った。
既得権を廃止することが目的。いい活動であっても、新しい活動にはなかなか予算が行かない。逆に長く続いて来た中で、必要性が薄れてきているものもある。だから一度リセットした。その上で、オープンな場で議論を行って配分を決めた。

職員採用)
それまで我孫子市役所は縁故でしか入れないと思われていた。
職員採用試験の試験委員会には必ず1人民間の人が入るようにしている。

今でこそ若い職員が試験委員になるようになったが、それまでは何十年も役所しかみていないような幹部職員ばかりが委員を占め、決めていた。

ある意味、これまで聖域のようなところだった。そういうところにこそ、市民の介入が必要だ。

住民投票条例)
常設型の住民投票条例を持っている。

これは必要だ。白紙委任を受けているわけではない。
選挙のときに話題になっていない争点だってある。主権者である市民の意思と議会の意思がずれていると感じたときには、それを示せるという仕組みが必要だ。(定住外国人含む)資格者の1/8の請求でやるということになっている。

現実的に直接民主制をとるということは、物理的にも不可能。
だから間接民主制(代議制)をとっているが、あくまでも理想は直接民主制。

できる範囲で直接民主制的な要素をとりいれて行くべき。

二元代表制)
国は議院内閣制、自治体は二元代表制。国会と同じような与党、野党という構図はない。
それぞれが市民から選ばれているから、政府与党間協議のようなものはない。市長が提案したところから市長と議会の協議が始まる。
しかし、正式な提案前に、いかに議員の意向を入れるかというのが議員の仕事というような話になってしまう。

我孫子の場合)
「原案訂正」を委員だけで行い、全会一致でまとまった部分や、賛成多数でまとまった部分などを明示して市長にぶつける。その訂正を市長が飲むか、断固として譲らないかを示し、再提案する。そのキャッチボールの繰り返し。
結果として否決されることもあれば、原案訂正で可決されることもある。

(修正は議会側にも容易ではない)

議会は議場や委員会室で要望、陳情するだけにとどまってはいないか。

議員立法には制約が多いが、だったら議案に対して修正をすればいい。
個々の議員が陳情しているだけにとどまらず、議会で合意をつくらなくてはいけない。
修正権を行使していくことで、議会の力が強まる。

市長も議会も直接選ばれている。
だから、それぞれが市民に説明責任を持っている。市長も直接説明しなくてはいけないし、議会も自分たちの決定の理由を説明する。

同様に市民も自治の力をもっとつけなくてはいけない。
違う利害関係をもつ市民同士が合意を作り出すこと。
それぞれが要望するだけにとどまらない合意形成を。

このあと、第2部では、林さんや他の方からの問題提起などがあり、会場からの質疑などが出されました。

市民の自治の力を高めていくためにも、議会が討議の場となり、合議による意思決定の手本となる存在にならねばなりません。

一度に十歩は進めなくても、今日できる一歩を。

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