議会報告 report

事業ごみの陳情を全会一致で可決
事業ごみの陳情を全会一致で可決
(12/24(日)23:05 詳細記事、更新)  恵庭市では、令和2年からの焼却施設の稼働を踏まえ、令和7年度以降の手数料改定に向けた料金の検証作業を進めてきました。市民を交えた検討会での議論を経て、今年度は、廃棄物減量等推進審議会で、ごみ処理手数料の改定案をまとめています。9月から10月にかけて、市民意見の公募手続きを行ったところ、事業系廃棄物を中心に多くの意見が寄せられました。  また、市議会に対しても、恵庭商工会議所から、事業系廃棄物の改定単価の見直し、または緩和措置を求める陳情書が提出されました。 c51df2d4da169f5c5935008346dc0b1dダウンロード 付託された厚生消防常任委員会では、・手数料に対する事業者の受容度・近隣との均衡・過度な負担などに関する質疑がありました。 私たちの会派は、この委員会の委員がいないため、私が委員外議員として出席し、質疑を行いました。市民検討会による提言書の中では、「過度な税負担にならないこと」とされていますが、今回の手数料算定にあたって、対象経費から除外することとしたイニシャルコストは、家庭系、事業系、産廃全て合わせて3億7,000万円ということでした。環境省の一般廃棄物処理有料化の手引きでは、「市町村において処理する場合でも、廃棄物の処理に係る原価相当の料金を徴収することが望ましい。」とされていますが、本来事業系一般廃棄物や産業廃棄物は排出者が負担するべきとされている経費の一部をすでに税で負担しています。それに加えて、事業系一般廃棄物については、2010年から処理経費の2/3を手数料として徴収することとしてきており、つまり1/3を事業者支援のためという名目で減免(税負担)しています。この額が今回の試算では約5,800万円とされています。これは2010年の有料化当初と比較して、3〜4倍に増加しており、すでにかなりの税負担が生じているとも言えます。 また、質疑の中では、事業者1者あたりの負担額については算出していないということでした。今回の料金改定では、単価が30%近い改定となっていますが、前回2020(令和2)年に料金を大幅改定した際には、ごみの発生量が30%以上も減少しました。 仮に、ごみ量が令和4年比で20%削減することができれば、事業系ごみ全体としての料金負担額は+3%にとどまり、同じく30%削減することができれば、全体としての負担額は−10%となります。つまり、個別に見たときには、これを契機にさらなるごみ削減を進めていただくことにより、負担増とはならない可能性もあります。 1837585e2699eaeb4668707238816887-1ダウンロード  ごみの有料化以降、家庭系、事業系、いずれもごみは大きく減少しており、算定方法を変えない限り、大幅な料金引き上げは避けられません。その点で、一般廃棄物(事業系も含め)について、算定方法を見直し、イニシャルコストを算定経費から除外することで料金抑制を図ったことは評価しています(蛇足ながら、産業廃棄物については、イニシャルコストは除外すべきではないと考えています)。  しかし、そのことによって、ごみ処理に要する税負担は増加しています。私は、以前から述べているように、一律の料金減免ではなく、ごみの減量を推進する取り組みに対して、助成や支援を行っていくことが望ましいと考えています。これまでの取り組みが不十分だった場合に、どうしても時間を要するということであれば、できるだけ短期間の緩和措置をとった上で、ごみの減量に対する動機付けをさらに高める方策が必要だと思います。 以上のような理由から、今回の陳情については、賛成という結論となり、陳情は、全会一致で可決されました。
まちづくり条例に修正案を提案
まちづくり条例に修正案を提案
 平成26年に施行された「恵庭市まちづくり基本条例」は、自治体運営の基本理念を定めた条例です。5年を超えない期間ごとに検証を行うこととされており、本年が検証の年です。  市民の検討委員会での議論を踏まえ、改正案が提案されました。 49feee50e0fe99956b775d554f7b23aeダウンロード  まちの憲法とも言われるまちづくり基本条例ですが、制定から10年が経ち、実際にその理念が浸透しているか、市民参画は進んだのかということを考えると、不十分ではないかという結論に至りました。私たちの会派として足りないところを補うような条例を作れないかと、昨年3回のワークショップを開催し、市民意見公募手続き(パブリックコメント)をおこなった上で、条例案としてまとめ、改選前の議会の中で、他の会派にも説明を行いました。  残念ながら、議会の混乱によって、条例を提案することはできないまま時が流れてしまいました。ただ、その際に議論をしてきたもので、基本条例に足りていない視点があるならば、そこは提案していくべきではないかということで、総務文教常任委員会の中で、新岡議員から修正案の提案を行いました。 4ec7a48488c5eb4e04a5457c12b056c3ダウンロード  修正の内容は1点に絞りました。第12条(市民参加の推進)のところに、第2項として、次の1項を加えるものです。「市は、市民が年齢、障がいの有無、国籍等にかかわりなく市民参画の機会を得ることができるよう努めます。」  恵庭市まちづくり基本条例の定義規定からすれば、未成年者や障がい者、外国籍住民も市民に含まれており、当然に市民参画の機会は得られることになります。しかし、近年の状況を見ても、たとえば未成年者の意見が取り入れられる機会はほとんどありませんでした。また、手話言語条例ができたとはいえ、市民との意見交換会などの場面において手話通訳がつく場面は限られており、パブリックコメントなどへのルビなど、障がいのある市民に対する情報保障は十分とは言えません。近年増加の著しい外国籍の住民に対しても、条例の周知はもとより、市民参加の機会があるとはいえない状況にあります。  条例に対する修正案を提案するわけですから、まずはこうした課題に関する認識なりを問うた上で、その解決策として修正案を提示し、必要性の判断を行うべきですが、議案審議の手順が本来とは違う形になったこともあり、当初から修正案に反対のスタンスがあきらかな質疑がわずかにあっただけで、十分な議論が尽くされないまま、修正案は否決となりました。 地方自治で採用されている二元代表制という仕組みは、それぞれが住民から直接選ばれることから、長の提案に対して、議会が一丸となって、よりよい結論を見出すべく提案を重ねていくことが期待されています。まだまだ道は遠いですが、これからも地道に提案を重ねていきます。
虐待の認識はなかった?!
虐待の認識はなかった?!
 市内における障がい者虐待に関して、市は認識しながら、放置したのではないかとの裁判が行われています。  前回の議会では、裁判を控えていることを理由に、まったく答弁がありませんでしたが、一般質問の前日、11月28日から裁判が始まり、市の主張が明らかになりました。 私も札幌地裁に傍聴に行ったのですが、原告側弁護団からは意見陳述などがあったものの、市も含め被告側からは発言がなく、その場では市がどのような主張なのかわかりませんでした。 その後、議会事務局から、市の主張に関する連絡が全議員に入り、同じ内容が恵庭市ウェブサイトに掲載されました。 その資料によると、被告の牧場主らは、原告らの里親であって、使用者ではないということや、市は「虐待の通報」を受けておらず、原告からも虐待を受けているという申し出を受けていないので、北海道への通知義務はなかったとの主張がされています。また、訪問はしていたものの、虐待の疑いも認識していなかったので、放置していたということはないとのこと。さらには、仮に虐待があったとしても、疑いさえ抱いていないので、放置したことに故意も過失もなかったことから、責任は一切ないということです。 こちらで、原告側弁護団が訴状などの裁判資料を掲載しています。https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000124 それらによると、そもそもの発端として、「住み込みで働いている障がい者が、(中略)これからは仕事もないので、勝手にしろと言われて困っている」との記述があり、仕事がなくなるから居場所がなくなるということから考えると、恵庭市の「労働力を中心とした関係ではないから里親である」という主張にはかなり無理があるのではないかと思います。 また、市が事務局を担っていたとされる「育恵会」は、会則の中で会員資格を「知的障害者を雇用している雇主、事業所または事業団体」としており、仮に被告の牧場主が里親だったとするならば、この会は里親と里親的な事業所の会だったのでしょうか。 育恵会の解散時点では、他にも会員がいたようですが、市としては、すべての障がい者のもとを訪問はしていないそうです。今回虐待が疑われる事案があったことから、虐待を防止する意味でも生活の実態把握が必要なのではないかと問いましたが、「牧場などに住み込みでいるところはある」ことは把握しているものの、訪問したことがあるのは1件ということでした。 人権の尊重は大事だといいながらも、そもそも人権について学ぶ機会がなかったかもしれないなかで、「本人からの申し出がないから、見過ごしたとしても責任がない」という主張からは、人権擁護の考えは感じられません。 恵庭市の答弁書からは、障がい者総合支援センター「e-ふらっと」に責任を転嫁しようとしているようにも読めます。 果たして対応が十分であったのか。調査委員会の調査結果も明らかにした上で、今後の障害福祉行政、虐待防止に取り組んでいく必要があるのではないかと思います。
指定管理7施設の更新
指定管理7施設の更新
 恵庭市では、公共施設のうち、13施設で指定管理者制度を導入していますが、今年はそのうち7つの施設で更新のための公募がありました。 今回、公募が行われたのは以下の7施設で、括弧内は指定された事業者です。 ①老人福祉施設5施設(ワーカーズコープ・センター事業団)〜継続 ②パークゴルフ場5施設(園建)〜継続 ③体育施設23施設(恵庭市スポーツ協会)〜継続 ④恵み野子どもの集う場所(シダックス大新東ヒューマンサービス)〜新規 ⑤都市公園、公共緑地等168施設(恵庭まちづくり協同組合)〜継続 ⑥市民会館、島松公民館及び地区会館(恵庭リサーチ・ビジネスパーク)〜継続 ⑦夢創館(島松夢創館倶楽部)〜継続 指定管理者の導入状況(恵庭市ウェブサイト) https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/kurashi/sangyo_business/shiteikanrishaseido/shiteikanrishanoboshu/12475.html  恵庭市の指定管理者制度では、制度導入時は3年、その後は5年を指定期間としている施設がほとんどで、今年度新規に制度を導入する「市営駐車場・駐輪場」では、初期投資が必要となることなどから、指定期間を10年としています。  指定管理者制度では、選定される事業者によって、施設の機能や利便性にも大きな影響があります。だからこそ、選定時にどのような提案がされたのか、それが提案通りに実施されているのかということを、毎年のモニタリングの中で検証していくことが重要です。  私たちからは、それぞれの付託委員会の中(や本会議)で、①仕様書の変更点、②管理費用参考額の変動要因、③事業者提案の特筆すべき内容などについて質疑をおこなっています。継続の事業者でも新たな提案をされているところもあり、新年度以降の取り組みにも期待が持てます。  一方、ほとんどの施設で応募事業者は1者となっており、実質的な競争性の確保も課題のひとつです。  それぞれの公共施設の使い勝手など、気になることがありましたら、ぜひお知らせください。
小学校にスポットクーラーを整備
小学校にスポットクーラーを整備
第4回定例会の初日(11/24)には16件の議案が提案され、5件の陳情が提出されました。 まちづくり基本条例の改正案、指定管理者の指定議案などが委員会に付託となり、特別職の期末手当の改定、議員の期末手当の改定、補正予算案などが即日で採決され、全会一致で可決されました。 (期末手当の記事は別に書きます)補正予算(第5号)の総額は16億1,375万円で、主な内訳は以下の通りです。 経費名(千円)説明1まちづくり推進基金積立金741,713ふるさと納税寄附の積立2農業振興対策事業費279,036水田の畑地化に伴う土地改良区決済金支援事業3障がい児給付費210,543児童発達支援、放課後等デイサービスの利用増加4過年度過誤納還付金(ワクチン)107,503ワクチン精算5子育て基金積立金105,949ふるさと納税寄附の積立6高齢者世帯等冬の生活支援事業費45,210灯油価格高騰等に対する低所得世帯への支援金7会計年度任用職員管理費31,525会計年度任用職員の給与改定8学校感染予防対策事業費13,900小学校教室への簡易型冷房機器(※)の設置9島松小学校コンピュータ室改修事業費9,262小学校への学童クラブ移転に伴う教室改善10母子保健事業費946先進不妊治療費等助成の開始 6 高齢者世帯等冬の生活支援事業は、物価や燃料価格の高騰で大変な高齢者世帯等に対して1万円を支給する事業で、支給対象の要件は、過去に実施をした際と同様です。詳しくはこちらのリンクをご覧ください。 https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/soshikikarasagasu/hokenhukushibu/kaigofukushika/kaigo_koreishafukushi/ippannnokatahe/13514.html 対象世帯数としては、高齢者世帯、3725世帯障がい者世帯、295世帯ひとり親世帯、400世帯と見込んでいます。 7 人事院勧告を反映した給与表の改定によるものですが、昨年までと違うのは、会計年度任用職員についても、4月に遡って給与表の改定を行うこととしています。国の通知通りとはいえ、この点は評価できます。また令和6年度からは、会計年度任用職員にも勤勉手当が支給されることになります。 8 先の第3回定例会では、小中学校に各2教室分のエアコンの経費が措置されましたが、全教室分の整備に向けては、単独での予算の確保は難しく、国による補助制度の創設に対する期待があります。予算措置には、時間を要することから、当面の対応策として、小学校1〜4年生の教室にスポットクーラー(※ 簡易型冷房)を設置します。
2つの特別委員会を設置
2つの特別委員会を設置
(10月29日、0:29記事更新)  恵庭市議会は、第3回定例会において、「議会改革特別委員会」と「ハラスメント根絶特別委員会」を設置しました。  昨年の議会におけるハラスメント事案の発生以降、その根絶に向けた調査が行われてきましたが、当初は前のめりだった会派も、なぜか途中からは調査に消極的になり、議会改選前の時期になると、多くの議員は選挙を理由として、条例に規定された行動指針の策定すら行わずに選挙を迎えることとなりました。後半は、私たちが公開での審議を強く求めたため、例外的に公開による協議となりましたが、当初は会議も非公開でした。その結果、現在においても、再発防止に向けた取り組みは十分とは言えません。  また議会改革に関しては、以前は議会運営委員会で協議が行われてきましたが、平成23年以降は、1人会派ができ、議会運営委員会に参加できない議員が出たことから、新たに任意組織である議会改革検討協議会が設置されました。その後、議会改革推進協議会と名称し、分野によって、いくつかの専門部会を設けて議論を進めてきました。私たちが提案をし、不一致(不採用)となったものも数多くありますが、議論の過程は公開ではなかったことから、なぜ提案が認められなかったのかを振り返ることは難しく、また市民の方がそれを確認することは容易ではありませんでした。  こうした点について、4月の改選以降、会派交渉会の中で継続的に協議を行なってきました。早期に対応が必要ということでの認識は一致していましたが、なかなかその結論に至ることができず、この時期になってしまいました。  今回、この2つの特別委員会が設置されたことにより、議論の過程や会議資料も含めてすべてが公開されることになります。ハラスメントの再発防止と、市民に開かれた議会改革を進めるため、スピード感を持って、取り組んでいきます。  メンバーは以下の通りです(◎委員長、○副委員長)。 <議会改革特別委員会> 定数7名 ◎市川議員(自民)、○柏野(歩む会)、野沢議員(公明)、武藤議員(民主)、宮議員(自民)、太田議員(諸派)、小林議員(諸派) <ハラスメント根絶特別委員会> 定数6名  ◎前田議員(自民)、○澁谷議員(民主)、小橋議員(自民)、松島議員(公明)、新岡議員(歩む会)、小林議員(諸派)(オブザーバーとして長谷議長/自民)
障がい者虐待を放置?
障がい者虐待を放置?
(10月28日23:34、記事更新)  今年の6月以降、市内で障がい者虐待が疑われる事案について、複数回にわたる報道がありました。市は虐待の事実を把握しながらも、十分な調査や対応を行わず、人権侵害を放置したのではないかと指摘されています。  8月には札幌地裁に提訴されたということを受けて、一般質問を行いました。正面からの質問に対しては、裁判を理由として、全く回答がありませんでした。  事実はひとつであり、裁判の前であっても、後であっても、それを明らかにすることによって、市が有利になるということはありませんし、市の立場が不利になるとすれば、それはそもそもやるべきことができていなかっただけのことです。  また、質問の中では、これまでの虐待通報件数などについても確認しました。平成24年度の障がい者虐待防止法施行以降、昨年度までの間の虐待通報件数は59件で、そのうち虐待と認定された件数は12件、指導・是正が行われた件数も12件とのことです。また、虐待と認定された12件の内訳としては、養護者による虐待が7件、施設による虐待が5件となっています。虐待種別としては、身体的虐待が6件、心理的虐待が5件、放棄・放任(いわゆるネグレクト)が1件でした。  報道されている内容からすると、当該事案は、虐待の種類としては、使用者による虐待、類型としては、経済的虐待と考えられますので、認定も指導・是正も行われていなかったと考えられます。調査の結果がどのようなもので、なぜ虐待と認定されなかったのかについては、今後の裁判で明らかになると思いますので、私としても注視していきたいと思います。  最終日には、この提訴に対して、対応するための弁護士費用が補正予算として提案されました。この補正予算の審議に際しても、改めて訴えの内容に対して、どのような争い(認識の違い)があるのかを確認しましたが、答弁はありませんでした。市の対応が適正だったのかがわからなければ、そもそも裁判の必要性についても判断ができません。補正予算を提案しながら、その予算の必要性が説明できないという市長の姿勢は、私にはまったく理解ができません。それと同時に、この議案に対して賛成した議員の真意も理解ができません。市長の提案を丸呑みするだけでは、二元代表制の役割を果たしたことにはなりません。  この問題については、各種メディアの関心も高く、一般質問の際にも、普段の新聞社に加え、テレビ局や雑誌などの方も来ていたようです。 今後、裁判の進捗などについても、できるだけブログで報告します。 【詳報】消えた障がい者3人の年金 劣悪な環境で人権を害する労働 恵庭市も隠ぺいか 牧場と市を提訴HTB北海道ニュースhttps://www.youtube.com/watch?v=1LXC22PfIcQ 消えた障害年金 恵庭の牧場「奴隷労働」、市議会で追及 事態看過の疑惑、被告の恵庭市から明確な答弁なしテレビ北海道(Yahoo ニュース)https://news.yahoo.co.jp/articles/bff3202b5dcab598bb128014dbafc8f11bc601da さらに詳しい内容は、恵庭市議会インターネット中継をご覧ください。http://www.kensakusystem.jp/eniwa-vod/cgi-bin4/GetHTML.exe?9nqqblpqoi0s2keuxh/R050921TEIREI.html/0/10/1/0/
多様性を認め合う社会の実現を
多様性を認め合う社会の実現を
(10月26日 12:43、記事更新)  国会においては、本年、LGBTQ理解増進法が成立し、課題は抱えながらも、国での議論は進んでいます。道内でもすでに、札幌市や江別市、岩見沢市などで制度が導入され、多様性を認め合う下地ができつつあります。私は、恵庭市でも、性的マイノリティ(少数者)の市民を対象とした「パートナーシップ制度」の創設をすべきと提案しました。  恵庭市では、これまでパートナーシップ制度については、まったく検討されてきておらず、今回の質問に対する答弁としても、「さっぽろ連携中枢都市圏」の中で協議を始めたところなので、その経過を見ながら判断するというものでした。  すでに制度が導入されている自治体から、制度を導入していない恵庭市に転居をした場合に、手続きなしで同様の取り扱いをしようというのが、連携中枢都市圏での協議であって、そもそも制度を導入するかどうかは、それぞれのまちが判断すべきことです。まずは恵庭市として、制度を導入した上で、連携中枢都市圏での協議を進めて、転居の際にも、不都合が生じないようにするというのが望ましいと考えています。  また、性的少数者への配慮についても「申し出があれば」対応するというものです。国からは、具体的に、「男女の別を記載しない住民票記載事項証明書の交付に係る本人請求が可能」ということを自治体に周知することとしています。  恵庭市では、本人から男女を記載しない住民票の写しの請求があれば、対応するということですが、そもそも請求用紙にはその旨を記載する欄はなく、窓口で口頭で申し出をする必要があります。そうした対応が可能だという記載がない中で、断られるかもしれないという不安を持ちながら、申請を行う市民が自ら申し出を行うというのは簡単ではありません。  学校における性的マイノリティの児童・生徒への対応についても確認しましたが、平成27年4月30日に文部科学省が児童生徒課長通知として発出した内容については、対応を行なっているという答弁でしたが、それについても本人や保護者からの申し出があった場合ということでした。  教育部長の答弁でも、「性的マイノリティに該当する児童生徒は、一般的には1割、2割程度と聞いているが、実際にはそこまでの人数は把握していない」としているように、当事者が言い出すことができずにいることは容易に想像ができます。  本人が家族にも相談がすることができないでいる可能性を考えると、制服、髪型、トイレ、更衣室などについて、どういう対応、配慮が可能なのかという選択肢はあらかじめすべての児童・生徒、保護者に伝えていく必要があると思いますし、ジェンダー平等の観点からも、男女を区別しない混合名簿を使用していくことが望ましいと思います。 今回例示したものは、一例ですが、まずは市がパートナーシップ制度を創設し、多様性を認められる社会を作るのだという姿勢を示した上で、具体的な取り組みをひとつひとつ重ねていくことが求められているのだと思います。 札幌で9月に開催されたレインボープライド さっぽろレインボープライドhttps://www.sprrainbowpride.com
小・中学校にエアコン設置
小・中学校にエアコン設置
 夏の猛暑を受けて、今回の定例会では多くの議員からエアコン設置に関する質問がありました。  最終日の追加議案として、各小・中学校に2台のエアコン設置を行うための補正予算が提案され、議決されました。すでに校舎の長寿命化工事の中で設置が完了している恵庭小学校の保健室を除く、各校の保健室と、各校任意の一教室(現在各校の希望を確認中。例として視聴覚室など)に今年度中にエアコンが設置されることになります。このほか、来年度に向けては、夏休みの延長も検討しています。  近年の状況から、エアコン設置は必要なことだと思いますが、今後全教室への設置を検討する段階では、学校としてのゼロカーボン対策にも配慮する必要があり、教室の断熱改修を含めて、より効率的で効果の高い方法を検討していくことが必要です。  なお、全校で設置するためには、受電設備などを含め、1校あたり7,000万〜1億円ほどの費用がかかるとされており、検討を進める上で、財源は大きな課題となります。北海道市長会としても、国に対して財政的な支援拡大を求める要望をしているとのことです。
令和4年度決算審査
令和4年度決算審査
 毎年9〜10月に開催される第3回定例会では、決算審査特別委員会が設置され、前年度の決算が議題の中心となります。ここ数年はコロナ禍や物価高騰対策の補正予算などがあり、当初予算よりも決算額が大きく増加することが常態化していますが、令和4年度決算も、この傾向は続いています。  歳入では、人口増や個人市民税の伸びによって市税収入が過去最高となっています。市税や使用料などの収納率も高く、歳入確保については高く評価できます。昨年と比べると、コロナ対策のための国からのお金が減少していますが、ふるさと納税による寄附金の増加などで、ほぼ昨年並みの収入を確保しています。  歳出では、前年と比べ扶助費が減少したものの、物件費、投資的経費、積立金などが増加しています。前年と比較すると、物件費ではふるさと納税事業費や光熱水費の上昇など、投資的経費では市営住宅恵央団地6号棟やふるさと公園再整備の事業費などが主な増加の要因です。  物価高騰に伴う低所得世帯への支援金において、市が独自に課税世帯の一部を対象に含めたことや、不登校の児童・生徒の増加に対して、年度途中でも、教育支援センター「学びの森」を新規開設するなど、スピード感をもって必要な事業に取り組んできた姿勢は評価しています。  一方で、改善が必要な点として、①適正な事業評価、②経常収支の改善、③行政の信頼回復という3点について指摘をしました。  ②については、特に産業廃棄物処理と花の拠点はなふるの運営事業に要した収支不足額が、予算編成時と比較しても膨らんでいます。ふるさと納税でやりくりができるからいいということではなく、個々の事業の収支と成果をきちんとチェックしていくことが決算審査に求められる役割なのだと思います。 令和3年度決算はこちらからご覧いただけます。https://kashiwano.info/article-4861.html