議会報告 report

2023/10/28

障がい者虐待を放置?

(10月28日23:34、記事更新)

 今年の6月以降、市内で障がい者虐待が疑われる事案について、複数回にわたる報道がありました。市は虐待の事実を把握しながらも、十分な調査や対応を行わず、人権侵害を放置したのではないかと指摘されています。

 8月には札幌地裁に提訴されたということを受けて、一般質問を行いました。正面からの質問に対しては、裁判を理由として、全く回答がありませんでした。

 事実はひとつであり、裁判の前であっても、後であっても、それを明らかにすることによって、市が有利になるということはありませんし、市の立場が不利になるとすれば、それはそもそもやるべきことができていなかっただけのことです。

 また、質問の中では、これまでの虐待通報件数などについても確認しました。平成24年度の障がい者虐待防止法施行以降、昨年度までの間の虐待通報件数は59件で、そのうち虐待と認定された件数は12件、指導・是正が行われた件数も12件とのことです。また、虐待と認定された12件の内訳としては、養護者による虐待が7件、施設による虐待が5件となっています。虐待種別としては、身体的虐待が6件、心理的虐待が5件、放棄・放任(いわゆるネグレクト)が1件でした。

 報道されている内容からすると、当該事案は、虐待の種類としては、使用者による虐待、類型としては、経済的虐待と考えられますので、認定も指導・是正も行われていなかったと考えられます。調査の結果がどのようなもので、なぜ虐待と認定されなかったのかについては、今後の裁判で明らかになると思いますので、私としても注視していきたいと思います。

 最終日には、この提訴に対して、対応するための弁護士費用が補正予算として提案されました。この補正予算の審議に際しても、改めて訴えの内容に対して、どのような争い(認識の違い)があるのかを確認しましたが、答弁はありませんでした。市の対応が適正だったのかがわからなければ、そもそも裁判の必要性についても判断ができません。補正予算を提案しながら、その予算の必要性が説明できないという市長の姿勢は、私にはまったく理解ができません。それと同時に、この議案に対して賛成した議員の真意も理解ができません。市長の提案を丸呑みするだけでは、二元代表制の役割を果たしたことにはなりません。

 この問題については、各種メディアの関心も高く、一般質問の際にも、普段の新聞社に加え、テレビ局や雑誌などの方も来ていたようです。
 今後、裁判の進捗などについても、できるだけブログで報告します。

【詳報】消えた障がい者3人の年金 劣悪な環境で人権を害する労働 恵庭市も隠ぺいか 牧場と市を提訴
HTB北海道ニュース
https://www.youtube.com/watch?v=1LXC22PfIcQ

消えた障害年金 恵庭の牧場「奴隷労働」、市議会で追及 事態看過の疑惑、被告の恵庭市から明確な答弁なし
テレビ北海道(Yahoo ニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/bff3202b5dcab598bb128014dbafc8f11bc601da

さらに詳しい内容は、恵庭市議会インターネット中継をご覧ください。
http://www.kensakusystem.jp/eniwa-vod/cgi-bin4/GetHTML.exe?9nqqblpqoi0s2keuxh/R050921TEIREI.html/0/10/1/0/

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