主張 opinion

2015/04/08

幌延の地下で

昨年の9月に幌延に行ってきました。

朝8:00に恵庭を出てひた走り、13:00ころ到着して17:00過ぎには帰途につき、23:00近くに帰宅という往復約600kmの一人弾丸ツアーでした。

目的は、トナカイを見に、

ではなく、

北海道どさんこパンチという勉強会の集まりで、幌延深地層研究センターを見るためです。

2011年の大震災後、原発は停止し、今は再稼働と廃炉が課題となっています。

北海道で言えば泊原発がありますが、恵庭からも距離は80kmしかないわけで、東日本大震災のような事態がもし起こったとすれば、その影響は確実に及びます。

もうひとつは、再稼働をせずに廃炉となったとしても残る問題は使用済み核燃料の問題です。

以前から勉強しようとは思っていたのですが、
やはりこういう勉強は現地でするのが一番頭に入る気がします。

地層処分の考え方と、海外の事例、そして実際に実証研究を行っている様子を原寸大の模型などで確認をしながら説明を受けました。

トイレのないマンションという言葉はよく聞きますが、すでに再処理されたガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)は2167本。
現時点ですでにある使用済燃料を全て再処理しガラス固化体にすると、約24800本。(2014年4月末時点。原子力発電所において装荷中の燃料の燃焼分も含む)
合わせると27000本という膨大なごみがあるのに、その行き先はまったく白紙で、処理方法もまだ完成されたものではありません。
その上、ガラス固化体に再処理してからも、すぐに埋められるわけではなくて、30年〜50年の冷却期間を置いてからでないと地層処分もできません。

再稼働を進めようとする人たちの中には、今止めたらその費用がまかないきれないから、原発を稼働して発電をしながら徐々に減らせばよいという考えの方もいます。
今止めても、地層処分という穴掘りに必要な坑道は250kmだそうです。
地上で考えれば札幌から函館に行くような距離、それが高速道路どころの話ではありません。250km、硬い岩盤に穴を掘る。

40000本分の穴で3兆円という想定のようですが、ごみの量が増えれば当然費用も増えます。
それどころか、用地が決まっていないわけですから、想定した費用がさらに上積みされる可能性もあります。
これが将来への負担の先送りでなくて何なのか。

私は環境、ごみ問題、エネルギーに関して、自分たちが受け継いだ環境を少しでもいい状態で後の世代に引き継いでいくことが現世代の責任だと考えています。
負担の先送りをしない。
原発の再稼働には反対します。

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