議会報告 report
議会報告
2023.03.09
23/3/8 総務文教常任委員会
昨日3/8は、私の所属している総務文教常任委員会がありました。
年度末ということで、報告事項がたくさんあり、
私としても確認を要するものが多くありました。
最初は付託となった議案の審議が3件。
3.8次第
議案第2号
議案の2号については、国の法改正にともなって、市として条例の整備が必要になったものです。
国の法改正の趣旨としては、官と民で情報の取り扱いに関してのルールに違いがあり、
整合を図るということや、行政が保有するデータを一定の要件のもとに活用できるようにしようというものです。
恵庭市のデジタル化推進計画でもオープンデータの推進を掲げています。
多くの基礎自治体がまだ取り組んでいないからこそ、先駆けて取り組むことで、民間企業との連携の可能性が出てきます。
今回、新たに可能になる「匿名加工情報」については、企業等からのニーズがあるならば積極的に取り組むべきだと思います。
この点などについて質疑をしましたが、都道府県、政令市を除く市町村については当面の間は努力義務とされていることから、
現時点では、提供時期について考えていないという、非常に消極的な答弁でした。
議案第3号
議案第3号については、同じく個人情報保護法の改正に伴い、関係する条例の改正を一括で行おうとするものです。
ただ、このうち、債権管理条例の改正に関する部分で、市の債権の滞納に関する情報を、内部でも利用できるとする範囲に、議会を追加する(もともと含まれていたものが法改正で別に規定することになった)ということについて、すっきりしませんでした。
この点質疑を行いましたが、具体的な想定はないということ、これまでにもこの規定で議会が利用を行った例はないということが確認できました。
陳情第2号
陳情については、質疑なしで即採決。
以下の通り、不採択となりました。
採択:柏野
不採択:宮委員、鷹羽委員、野沢委員、市川委員、伊藤委員
報告事項まで書こうと思っていたのですが、案件が多く、
ちょっと時間がかかりそうなので、また後日書きたいと思います。
事故等発生報告(R5.1定)
報告案件一覧(総務文教常任委員会R5.3.8)
<総務部>
№1 USBメモリの紛失について
№2 恵庭市デジタル化推進計画実施計画(案)
№3 令和4年度災害対策本部訓練について
№4 災害時応援協定の締結について
№5 恵庭市災害時受援計画について
№6 防災行政無線の不具合について
資料7 令和5年度恵庭市行政機構(案)
№8 令和4年度普通交付税の再算定について
№9 市税の納付方法の拡充について
その他 ナチュラル・ビズ・スタイルについて
<会計室>
№21 公金収納及びキャッシュレス化について
<企画振興部>
№10 多文化共生事業について
№10-2(資料1) 多文化共生事業について 資料①国際火推進アクションプラン
№10-3(資料2) 多文化共生事業について 資料②日本語ひろば実施概要
№11 行政改革の推進について
№12 恵庭市まちづくり基本条例の見直し検討について
№13 企業版ふるさと納税
№14 恵庭市住生活基本計画について
№14-1(資料1)恵庭市住生活基本計画について
№14-2(資料2)恵庭市住生活基本計画について
№15 移住促進の取組状況について
№16 恵庭市公共施設花づくり基本指針検討案について
<教育部>
№17 R4全国学力・学習状況調査報告書
№18 R4全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書
№19 恵庭小学校「まなびの通級指導教室」新規開設について
№20 学校給食費の公会計化の状況について
議会報告
2023.02.27
第三者委員会中間報告
本日、第三者委員会に係る協議会が開かれました。
議題は第三者委員会からの中間報告書の提出でした。
この協議会、公開で行うことで合意され、多くの傍聴者の参加のもと
進められてきましたが、本日資料の配布がなく、冒頭それを確認するところから
始まりました。
結果的には、会議終了後に希望者には配布されたのですが、
そもそも報告、協議の段階では傍聴者の手元に資料がありませんでした。
せっかく関心を持って、お越しいただいた方に、
会議メンバーと同じ資料を提供するのは必須だと思います。
第三者委員会の中間報告はこちらです。
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/material/files/group/54/zizituninntei.pdf
報告については、私からは3点、確認の質疑をしました。
①第三者委員会設置の根拠が違う。
誰がこのような説明をしたのか。
このままの報告では認められない。
②1月には議員に対してハラスメントに関するアンケートが実施されているが、
議員向けアンケートに関しての言及がない。どのような取り扱いとなったのか。
③P12 因果関係があるか否かの判断は医学的知見に基づかなければ困難との記述。
前回の協議会で報告された精神科医の辞任が影響している。
医師の意見書を求めるなど、補完する手立てが取れないのか。
①については、ハラスメント条例に基づかないという説明をしたが、
第三者委員会のほうで、ハラスメント条例を適用することもできると
判断をして、当事者への聞き取りの際にも、その旨を記載した覚書を提示したとのこと。
第三者委員会のみなさんには、ご多忙の中、
お時間を割いていただいていることはありがたいことです。
ですが、議会の会派代表が協議をし、
ハラスメント条例に基づく第三者委員会では合意が得られませんでした。
その前提に立って、第三者委員会の設置要綱からは、
ハラスメント条例に基づくという記述を削除しました。
修正した要綱に基づいて、委員への就任を依頼しているところ、
委員が勝手に根拠法令を変えたというのが事実だとすれば、
それは越権行為ではないかと思います。
前回2/14の「第三者委員会に係る協議会」では、
12/26の第1回目の「第三者委員会」終了後に、
4名の委員のうち、1名が辞任したという報告を受けました。
この件も1か月半にわたって、議長からは何の報告もなく
不信感を抱いているところですが、本日の中間報告をみて、
さらにその思いは強くなりました。
委員の辞任、その報告遅れ、
根拠法令がすり替えられた委員会と
誤った覚書(?)に基づく調査、
今後出される最終報告への信頼がすでに崩れていると感じています。
議会報告
2023.02.22
初日補正は21億円
令和5年第1回定例会に提案された議案のうち、
一般会計の補正予算は21億7300万円でした。
主な中身ですが、
歳入では
ふるさと納税の寄附が約15億円
市有地の売却収入が約1.5億円
国庫補助金が約1.7億円
市債が約1.3億円などです。
歳出では、
ふるさと納税の事業費と基金積立で約15.6億円
市有地売却に伴う積立金、約1.5億円
出産・子育て応援給付金の事業費で約9,000万円
小学校のエレベーター設置に8,500万円
市営住宅の長寿命化改修に約8,000万円などが主なものです。
ふるさと納税については、全面的にいいとは思えないのですが、
現状としては有効に活用しながら、事業を進めていくことも必要です。
その他、国庫補助の追加採択による事業の前倒しなどが複数あって、事業費は膨らんでいます。
私が1点、質疑をしたのは、歳入(P104)の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」です。
10月27日に開催された第4回臨時会では、この交付金を活用した事業として、「物価高騰緊急支援給付事業」が提案されました。
これは、それまで非課税世帯に限定していた給付金の対象を所得の少ない課税世帯にも拡大するもので、評価しています。
その際の答弁では、地方創生臨時交付金における電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金の残額(配分額)としては、
7,072万円が残っているという答弁があり、物価高騰の影響が長期化する中で、国や道の支援対象とならない事業者や、低所得者に対する給付の検討などを求めていました。
ところが、今回の補正予算では、8月19日にすでに議決されている商品券事業に、この財源を充当するという内容が示されました。
第4回臨時会では、今後の交付金の活用に対する私の質疑に対して、
原田市長からも、「中小企業、あるいはその他のお話がありましたけれども、それらについては今後検討して参りたい」という答弁があったので、
その検討の状況、なぜ新規事業を行わないのかについて繰り返し確認しましたが、
「商品券への充当が効果的」というようなよくわからない答弁でした。
10月に議決をした事業のときにも、市民からは、いつ給付されるのかという問合せをいただき、
物価高騰、特にエネルギー高騰が市民生活に大きな影響を与えていることを感じています。
今後、4月以降にはさらに電気料金の値上げが想定される中で、
収入が増えない世帯にとっては、基礎自治体だからこそ担える的確な支援が必要です。
特に困窮度の高い世帯に限定した支援や、給付事務を考慮すれば水道料金の減免なども選択肢としてはありえると思います。
今回の補正予算では、実施済みの事業への充当ということで、その分財政調整基金の取り崩しが減りましたので、
財政調整基金を活用した生活支援の早急な検討を期待しています。
議会報告
2023.02.21
駒場体育館廃止後の利用者支援
順番が前後しましたが、
2/16に令和5年の第1回定例会が招集され、議案審議が行われました。
市長から提案された議案は、令和5年度予算案も含めて29件。
これに議会提案の条例案と市民から提出された陳情3件が初日に審議されました。
議案の一覧はこちらです。
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/kurashi/shiseijoho/shigikai/kaiginogoannnai/giannitirann/shigikaiteishutsugian/14776.html(予算案はリンク先下の令和5年度予算書から)
議案審議で私が質疑をしたのは、以下の3点です。
・議案第7号 体育施設条例の一部改正
・議案第14号 市営住宅条例の一部改正
・議案第15条 令和4年度恵庭市一般会計補正予算(第10号)
まず、議案第7号 体育施設条例の一部改正は、
前回の議会で土地の売却を議決した駒場体育館を体育施設から削除するというものです。
私としては、この間質問をしてきた経緯もあり、昨年11/17のスポーツ振興まちづくり審議会でも多くの委員から意見が出ていたことを踏まえ、廃止後の利用者支援がその後どのように進展しているのかを確認しました。
部長の答弁では、12/22に開催した説明会では、利用団体からさまざまな意見が出ており、
4月以降の活動場所については、現在マッチングを行っているとのこと。
主に利用していた22団体のうち、
学校開放事業を利用する団体が5団体、
その他体育施設を利用する団体が11団体、
決まっていない団体が6団体です。
3月末に再度開催される審議会でも、その後の検討状況などが報告されるということなので、
注視していきたいと思います。
次に、議案第14号 恵庭市営住宅条例の一部改正は、
昨年12/9の柏陽恵央地区まちづくり特別委員会でも示されていた
既存借上型市営住宅制度の見直しについての改正です。
今回の既存借上型市営住宅制度の見直しについては、これまで進まなかった課題を改善しようとするものであり、方向性としては評価できます。
一方で、この間指摘してきた火災保険料などで借主の負担が増えるということについては、改善すべきだと思います。
https://kashiwano.info/wp/wp-content/uploads/2022/12/98c0ea30c39fe94bc3a90696998447ee.pdf
こちら12/9の資料の2ページ目にある通り、
火災保険を必須としていますが、これは市が借上型市営住宅制度を運用する上で必要となる経費です。
今回の柏陽団地の建替事業に伴う入居の場合は市が負担することとしており、市が新築ではなく、借上型によって住宅を供給するという施策を
実現するために必要な経費として考えれば、市が負担をするのが当然だと思います。
また、今回のこうした制度改正の詳細は、要綱、要領などで定めるということですが、
現在のところ、条例、施行規則までしか例規集には掲載がありません。
入居者の費用負担を定めるものであることから、施行規則で定め、
入居者以外にも見られるようにすることが必要だと思います。
補正予算については、別の記事で書きます。
議会報告
2023.02.21
一般質問のテーマはアスベスト
気づけば、第1回定例会が始まりました。
初日の議案審議についても書きたいですが、
まずは一般質問の予定をお知らせします。
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/kurashi/shiseijoho/shigikai/kaiginogoannnai/5/14168.html
2/21(火)
13:00〜 前田議員(60分)
14:10〜 南出議員(40分)
15:00〜 川股議員(60分)
2/22(水)
13:00〜 宮議員(60分)
14:10〜 生本議員(50分)
14:10〜 澁谷議員(60分)
2/24(金)
13:00〜 柏野(40分)
13:50〜 新岡議員(90分)
※時間は全て予定。繰り上がる場合があります。
現任期での最後の一般質問となりますが、今回は8人が登壇します。
以前は引退する議員が最後に質問をするのが通例でした。
任期中に訴えてきたことを最後に確認する意味でも、あってもよかったのかなと思います。
さて。
私は今回、アスベストをテーマにしています。
今回も、市民からの切実なご相談をもとに、解決策を探ります。
今回のテーマは、実際に道外で問題になってきたものであり、
恵庭だけではなくて、他の自治体などでも同様のことは起こりうるのではないかと思います。
アスベストに対して、
市にできること
北海道にできること
当事者に求めること
当事者に対応いただけない場合の措置
などを質します。
通告の内容は、こちらです。
--
1.市内私有地におけるアスベストについて
①アスベスト含有建材の混入防止と対応について
アスベスト(石綿)は、その粉じんを吸入することにより、肺がんや中皮腫等の重篤な健康障害を引き起こすおそれがあることから、現在はアスベスト含有製品の製造、輸入、譲渡、提供、使用が全面的に禁止されています。一方で、すでに建築物等に使用されているアスベストについては、建築物等の解体や改修に伴って、飛散などが懸念されることから、国では石綿障害予防規則などを制定し、建築物の解体等の作業時における石綿ばく露防止を図っています。
2010年頃には、和歌山県や埼玉県で再生砕石からアスベスト含有建材が発見され、大きく報道されたことから、国においては、再生砕石へのアスベスト建材の混入防止の徹底が図られているところですが、北海道内、恵庭市内におけるアスベスト建材の混入防止がどのように行われているのか、万一アスベストの混入があった場合には、市や振興局がどのような対応が可能なのか、伺います。
②代執行を行う上での課題について
仮に、アスベスト飛散の可能性が明らかになった場合には、市民の生命を守る観点から、市がなんらかの対応を取るべきだと思いますが、代執行などの措置を行う上での課題について伺います。
--
質問に使用する資料は、本日以下の内容で提出しました。
--
令和5年第1回定例会 一般質問使用資料
2023年2月20日
柏野大介
1) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000137
2) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 施行規則
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=346M50000100035
3) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 施行令
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=346CO0000000300
4) 労働安全衛生法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347AC0000000057
5) 労働安全衛生法施行令
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347CO0000000318_20230118_505CO0000000008
6) 石綿障害予防規則
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417M60000100021_20220531_504M60000100091
7)行政代執行法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000043
8) 恵庭市環境基本条例
https://www1.g-reiki.net/eniwa/reiki_honbun/a032RG00000321.html
9) 恵庭市公害防止条例
https://www1.g-reiki.net/eniwa/reiki_honbun/a032RG00000340.html
10) 恵庭市公害防止条例 施行規則
https://www1.g-reiki.net/eniwa/reiki_honbun/a032RG00000341.html
11) 恵庭市空家等の適正な管理に関する条例
https://www1.g-reiki.net/eniwa/reiki_honbun/a032RG00001194.html
12)北海道公害防止条例
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/7/4/6/2/3/6/9/_/JYOUREI.pdf
13)アスベスト全面禁止(厚生労働省資料)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000142192.pdf
14)石綿対策規制強化(厚生労働省資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/000912792.pdf
議会報告
2022.12.26
市民によるごみ処理恵庭モデルを
焼却施設稼働後のごみ料金を検証するために、本年1月に、「ごみ処理恵庭モデル検討会」が設置され、議論が進んでいます。
ごみ処理恵庭モデル検討会
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/soshikikarasagasu/seikatsukankyoubu/kankyoseisakushitsu_haikibutsukanrika/fuzokukikanto/1/1/kentoukai/index.html
市民生活に身近なごみに関しては、過去にも市民会議を設置し、ごみの有料化などの提言をいただいてきました。
以前の市民会議では、中立的な立場のファシリテーターによって、さまざまな意見を持つ市民の自由で闊達な議論が促進されたのに対し、今回は市としての方向性が垣間見えています。
特に産廃を含む事業系ごみについては、表面的には問いかけをするものの、市民の委員が発言するよりも先に、市外の専門家が他市の事例も交えて議論を誘導するなど、自由な議論とは言い難い状況でした。
会議録や配布資料をみても、そもそもアンケートの調査項目自体にバイアスがかかっており、回答が歪められている可能性が高いです。
例えば、ごみ処理恵庭モデル検討会の第1回目の資料ですが、こちらのP37以降に、市民意識調査の結果があります。
220120_資料1
(参照元)
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/soshikikarasagasu/seikatsukankyoubu/kankyoseisakushitsu_haikibutsukanrika/fuzokukikanto/1/1/kentoukai/14205.html
例えば、P38の問2では、ごみ袋の手数料について尋ねていますが、
設問の前提として、以下の文章が記載されています。
--
令和2年度では、産業廃棄物を除く、ごみ収集や施設の維持管理などで11億2千万円程度の経費がかかっています。そして、市内のごみ発生量は16,164トンとなっており、この経費をごみ量で単純に割ると、ごみ1リットルあたり10.4円程度の経費がかかっていることになります。
一方、現在市民の皆様には、各ごみ種別の処理経費の3分の1をご負担していただくこととし、「燃やせるごみ」は1リットルあたり2円(令和4年4月から3円)、「生ごみ」は2円、「燃やせないごみ」は4円、「資源物」は無料としています。
このような経費とごみ量の実情を踏まえ、あなたは指定ごみ袋の手数料は適当だと思いますか。
それぞれのごみ袋について、いずれかあてはまるものにチェックをしてください。
「燃やせるごみ」1リットルあたり3円 適当・安い・高い
「生ごみ」1リットルあたり2円 適当・安い・高い
「燃やせないごみ」1リットルあたり4円 適当・安い・高い
--
何重にも問題がありますが、ひとつずつ説明します。
・経費をごみ量で単純に割ると、1リットルあたり10.4円程度の経費がかかっています。
このことは誤りではないかもしれませんが、今の料金の設定は、経費をごみ量で単純に割るのではなく、間接経費などの経費を除外した手数料算定対象経費をごみ量で割ることとしています。
また、この11億円、16,000トンという数字は、事業系一般廃棄物を含めたものであり、家庭ごみとは料金算定の考え方も異なります。
つまり、対象外の経費を含めた10.4円という経費額は、1リットルあたり3円と比較すべきものではありません。
それなのに、上の文章のように並べると、10.4円と3円を比較してしまい、割安になっていると誤認する恐れが強くなります。
(これを「アンカリング」といいます)
それにも関わらず、63%の人は安いとは思わずに妥当と答え、
誘導をされてもなお、33.5%の人は高いと答えています。
この結果をもって、市(事務局)は市民がこの料金を受け入れていると評価していますが、前提の調査票で誘導が行われている以上、この調査結果は、公平なものと評価することはできません。
同様の誘導は随所に見られますが、特に極端なものは第3回目で配布された事業者向けアンケートです。
220629_会議資料2_事業系廃棄物実態調査結果報告書
(参照元)
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/soshikikarasagasu/seikatsukankyoubu/kankyoseisakushitsu_haikibutsukanrika/fuzokukikanto/1/1/kentoukai/15454.html
こちらでは、問10として、「あわせ産廃」の必要性を聞いています。
その結果としては以下の通りで、6割強が必要性を感じていると結論づけています。
・引き続き行う必要がある 33.7%
・あれば良い、助かる 29.5%
・なくても良い、困らない 3.9%
・特に必要ない 2.1%
・どちらとも言えない、分からない 30.7%
一見そのようにも見えますが、
調査の対象を見ると、令和3年度に恵庭市と「産業廃棄物及び事業系一般廃棄物処理委託契約書」を締結している事業者が調査の対象となっており、配布数821に対して、回答数は359ということです。
一方経済センサス基礎調査によると、令和元年の事業者数は2,229となっており、調査はあくまでも事業者のうち、現在恵庭市にごみを排出している事業者のみが対象となっていることがわかります。
加えて、問10では、
恵庭市では「一般廃棄物」の処理施設で「産業廃棄物」の受け入れる「あわせ産廃」を、これまで50年にわたり行ってきましたが、その必要性について、どのようにお考えですが。(原文ママ)
と聞いており、「50年にわたり行ってきた」という前提が、引き続き行うことへの誘導となっている可能性が高い質問です。
現在産廃を排出している事業者に、こうした質問を行えば、結果は容易に想像できます。
これらのように、実態の調査と称して、市が導きたい結論を誘導していることは明らかで、その調査結果だけを会議の中で説明して得た結論は、とても公正なものとは言えません。
今後、提言書の提出に向けて、議論は最終段階に入っています。
方向性としては理解できる部分が多いものの、
市民が自由に議論をして出した結論というよりは、
方向性を持って与えられた情報に導かれた結論という印象を強く持っています。
私には、まちづくり基本条例の理念はかすんで見えます。
恵庭市まちづくり基本条例
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/soshikikarasagasu/kikakushinkoubu/kikakuka/machizukuri/3/4/1586.html
議会報告
2022.12.23
離婚前の相談支援強化を
12月議会の一般質問では、「離婚前後における相談支援の体制」と、「次期ごみ料金改定に向けた検証」をテーマに質問しました。
全国的に見ると離婚件数は2002年をピークに減少していますが、
婚姻件数に対する離婚件数の割合では上昇しており、
令和2年では婚姻件数約52万件に対して、離婚件数は約19万件と、
年間の件数だけを単純に見ると、3組に1組が離婚をする状況となっています。
令和4年度 離婚に関する統計の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon22/index.html
離婚件数のうち、未成年の子がいる割合は約6割で、親が離婚した未成年の子の率は9.95%(令和元年、2019年)となっており、未成年の子どもの10人に1人は、親の離婚を経験しています。
(出所:内閣府 男女共同参画局 人生100年時代の結婚と家族に関する研究会資料)
https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/index.html
子どもの生活の安定のためには、両親の離婚前に、
養育費や面会交流について合意がされていることは重要で、
離婚前後における法的、心理的サポートが必要だと思います。
しかし、実際には、離婚の中で協議離婚の割合は88.3%を占めており、
子がいる離婚であっても、協議離婚の場合には、養育費や面会交流についての
合意がないままに離婚に至るケースが多くあります。
まずはこうした状況について、恵庭市での実態がどうなっているのかということを
確認しましたが、離婚届で把握ができるものの、市町村単位での公表について
法務省の了解が取れていないということで、答弁はありませんでした。
統計上の数字について、母数の極端に少ないデータであれば、
慎重に取り扱う必要がありますが、年間200件程度の離婚件数を考えると、
政策形成には必要な情報ではないかと思います。
国としても、2011年に民法の改正を行い、養育費の取り決めを促していますが、
全体としては、改善は見られません。
実際に届出を受ける基礎自治体が、ここに働きかけない限り、
経済的、環境的に不安定な状況に置かれる子どもの数は減らないのではないかと思います。
法テラスがあっても、実際にどの程度の費用がかかるのか、
その費用を負担してでも調停や裁判に進めるのか、
まずは法的な支援を拡充していくことによって、決めることを促す必要あると思います。
その上で、子どもや親の心理的なサポートも必要です。
2021年に法務省が委託で実施をした
「未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務」
(未成年のときに父母の別居、離婚を経験した20代と30代の男女1000名に対する調査)では、
父母の離婚時、子どもが誰かに相談できたかということを聞いています。
回答では、
4割は、相談したいことはなかった
2割は、人にいいたくなかった
2割は、相談したかったが適切な人がいなかった
1割は、相談できる人はいたが、自分で抱え込んだ
1割は、相談した
となっています。
実に4割の子どもは相談したいことがあったのに、
実際にはそのうち1/4しか相談ができていない状況です。
その上で、当事者たちは、
自身の経験を踏まえて、今後父母の離婚又は別居を経験する子ども達に、
離婚又は別居の前後に子どもの精神面・健康面に問題が生じていないかをチェックする制度や、
子どものための身近な相談窓口
が必要であると回答しています。
学校や、スクールカウンセラーだけで受け止めきれないのだとすれば、
それ以外で相談できる場所が必要なんだと思います。
これからできるこども家庭センターや、他の機関が、そうした役割の一端を担っていただけることを期待しています。
ネット中継はこちらからご覧いただけます。
http://www.kensakusystem.jp/eniwa-vod/cgi-bin4/GetHTML.exe?9nqqblpqoi0s2keuxh/R041202TEIREI.html/0/10/1/0/0#hit1
議会報告
2022.12.21
駒場地区に福祉施設と住宅地
最終日に提案された財産の処分は、旧青少年研修センター跡地や駒場体育館の土地を売却するものです。
議案第16号 財産の処分
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/material/files/group/2/R4_4teigian16.pdf
市有地の売却にあたっては、不動産鑑定評価額を時点修正した現在価格として12,709円/平米とし、これに土地の面積15,836.43平米を乗じた201,265,000円を土地の全体価格として設定した上で、ここから旧青少年研修センターと駒場体育館の除却費や樹木の伐採・抜根の費用を減じて最低売却価格を設定しているようです。
私としては、平成29年の柏陽町の市有地売却との比較を含め、当初の不動産鑑定評価額、建物の除却費、最低売却価格の設定が妥当であったのかを評価する上で、それぞれの金額について確認をしたかったのですが、本会議の質疑では、これらの詳細は示されませんでした。
22/8/30_総務文教常任委員会飼料No3 旧恵庭市青少年研修センター跡地等整備事業について
今回は、サウンディング調査を経て、公募型プロポーザル方式(随意契約)で事業者を決定しており、応募事業者は1者でした。
事前に事業者の意向などが確認できる利点がある一方で、決定過程については、市民の目が及ばなくなります。
その分、最低価格の設定などに関しては、価格の比較で落札者が決まる一般競争入札よりも高い透明性が求められるものと考えています。
22/12/6 総務文教常任委員会資料No3 旧恵庭市青少年研修センター跡地等整備事業
事業者からは、住宅地について、町内会加入を条件として販売するという提案がされているとのことです。
地域コミュニティを維持していく上では、町内会は重要な役割を果たしますが、あくまでも任意団体であり、町内会加入に強制力を持つものではないということを確認しました。
議会報告
2022.12.20
補正予算の総額、15億円
第4回定例会には、初日と最終日に2件の補正予算が提案され、合計は約15億2000万円です。
初日に提案された補正予算は、総額14億8,000万円で、原油等燃料価格高騰に伴う燃料費などの増額のほか、ふるさと納税の事業費、障がい児給付費の増加などです。
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/material/files/group/2/R4_4teigian10.pdf
燃料費などの高騰分については、こちらの14施設で、このように、施設ごとに上昇率が異なっています。
使用している燃料の種類などにもよるようですが、そもそもの使用量を減らせるような取り組みがますます重要になっています。
来年度事業の前倒し分として、市民会館耐震化の設計委託費、えにあすに隣接している街区公園、すみれ公園の設計委託費、新規事業の木育ファーストトイ事業などが含まれています。市民会館の耐震化やすみれ公園の再整備は、次年度以降の負担も多額になることから、現時点での方向性を確認しています。
市民会館については、令和3年の総務文教常任委員会の中で「恵庭市民会館整備・運営に関する基本的な考え方(素案)」として、耐震化工事の実施と合わせて、施設利用者のニーズに応じた利便性や機能の向上を図ることとしていました。今回の予算では、そのうち耐震化の部分に限定したもので、令和6年から7年に工事を予定し、概算事業費で13〜14億円を想定しています。
すみれ公園は、令和3年に策定した都市計画マスタープランの中で、えにあす周辺の一体的整備と位置付けがされていることから、街区公園再整備計画の中では、他の街区公園とは分けて考えられているはずでした。
今回確認をしたところ、今回の実施設計予算については、すみれ公園単独での遊具更新に限定したものとして、学童など利用者の意向を聞きながら進められるようです。
木育ファーストトイ事業については、森林環境譲与税を財源として、令和5年度から、新生児に対して木製の積み木などを贈呈する事業を実施するということで、その積み木などを地域材を利用して作成していただくための予算です。製作などについても、市内の事業所に依頼をする方針とのことです。
最終日の補正予算は、市役所内での「こども家庭センター」設置に伴う庁舎改修費や、学童クラブのICT化を進めるための補助金、農業の肥料・飼料高騰対策の補助金などで総額4,800万円でした。
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/material/files/group/2/R4_4teigian17.pdf
こども家庭センターは、これまで保健センターに設置されていた「子育て世代包括支援センター」(ココネットえにわ)と、市役所子ども家庭課に設置されていた「子ども家庭総合支援拠点」の機能を統合するもので、妊産婦、子育て世帯、子どもの包括的な相談支援を行うこととされています。
現在の市役所庁舎1階右側の子ども未来部の場所から、幼児保育課が2階に移動し、子ども家庭課のスペースを拡充する形で子ども家庭センターとなります。これまで子どもに関する相談でも、保健センターと分かれていたものが、すべて1か所に集約されることになります。
学童クラブのICT化は、業務の効率化などを目的として、入退室管理などのアプリ、システムを導入するための経費です。
事前に聞いていた話だと、各学童クラブのwifi環境の整備も考えたいということでしたが、本会議の質疑では、学童クラブ室内のwifi化は含まれていないとのことでした。
児童がタブレットを持ち帰っているときに、wifi環境がないことで、宿題ができないという話も聞いているので、施設のネット環境については早急に整備していく必要があると思います。
肥料・飼料高騰対策については、国際情勢や円安の影響から、農業に必要な資材が高騰していることを受け、北海道やJAとも連携をして支援を行うものです。支援単価や支援の方法については、JAや近隣市と協議の上、肥料については1トンあたり1,400円、飼料については1トンあたり250円となっています。
支援金については、組合員でない方も含めJAが申請を取りまとめて申請、給付となります。
No.1肥料・飼料価格高騰に対する農業支援について
議会報告
2022.12.16
はなふる管理は公募せず
花の拠点はなふるは、来年度から指定管理者による管理を予定しており、
初日の議案として指定管理者の指定に関する議案が提案されました。
指定管理者として、提案をされたのは、市役所や恵庭リサーチビジネスパーク、民間企業などが
出資をして設立をされた(第3セクター)ガーデンシティ恵庭です。
指定管理者制度は、公の施設の目的を効果的に達成するため必要がある場合は、条例の定めによって、
企業や団体などに公の施設の管理を行わせることができる制度です(地方自治法第244条の2第3項)。
恵庭市では、「恵庭市公の施設の指定管理者の指定手続等に関する条例」でその選定手続きについて定めており、
原則として公募とする一方で、例外的に公募によらない手続きを定めています。
https://www1.g-reiki.net/eniwa/reiki_honbun/a032RG00000730.html
現在、非公募の施設としては、ルルマップ自然公園ふれらんどがありますが、
過去には、道と川の駅(単体)の管理を非公募で観光協会が担ってきました。
その際の、選定を非公募とする理由として、施設の設置目的が地域の振興、観光の推進、交流及び連携であることから、
公募をせずに公共・公益性を持つ団体に任せることが適切ということでした。
その後、2019年からは公募によって選定された事業者が管理を行い(指定管理者制度ではなくなりました)、
設置目的に沿う形で、収益性を高め、より効率的的な運営が可能となりました。
公募によって、より優れた提案をした事業者が選定されることとなり、
その結果、昨年度の使用料収入は年間で1500万円以上となりました。
(観光協会が管理していたときは0円)
指定管理者制度はこうした収益性のある施設でこそ、高い成果が期待できますが、
公募を行わないということは、運営内容がどうであれ、独占的な管理が可能であり、
経営改善へのインセンティブは働かないこととなります。
また、これまで指定管理者を新たに導入する際には、募集要項や仕様書などを議会に示し、
どういった基準で今後の管理運営を進めていくのかを明らかにしてきました。
しかし、今回は、議会の議決後に、指摘を受けて仕様書を示しており、
この点からも、指定管理者の指定手続きとしては、不十分ではないかと感じています。
開業からこれまでの管理の実績などを評価するということは理解ができます。
とはいえ、他に、より優れた提案があれば、変わることもありうるということが、
質の高い管理を続けていく上での動機付けともなるのではないかと思います。
今後のモニタリングや収支の改善についても、しっかりチェックしていきたいと思います。