議会報告 report

2023/06/10

どこまでもバラマキ

昨日6/9(金)から第2回定例会が始まりました。

初日の日程表はこちらです。

初日に提出された議案は6件ですが、
その中で私が注目したのは、補正予算です。

補正予算案の中には、新型コロナウイルス対策事業費を中心に多くの事業が盛り込まれ、総額は9億円にのぼります。
物価高騰、エネルギー価格の高騰を考えると対策が必要なことは当然理解ができますし、国からはそのための財源が配分されています。
住民税の非課税世帯に対しては、3万円、
住民税均等割のみの世帯では1.8万円(北海道から追加で1.2万円)
所得割の税額1万円までの世帯では2万円
という給付金については、独自に対象世帯を広げている部分など、評価できます。

しかし、問題なのは、またしても行われる商品券事業です。

商品券については、前回も指摘をしたところですが、
今回特に問題なのは、事業の目的が「生活者支援」であるにも関わらず、
全く不十分な金額に対して、驚くほどの事務費を要している点です。

前回は、目的が「事業者支援」と「生活者支援」ということでしたから、
事業者支援の手法としては問題が大きいことは指摘をしましたが、まだ理解できる部分はありました。

今回は生活者支援ということですが、
配布する金額も前回の1人5,000円(総額4億1,000万円)に対して、今回は2,000円(総額1億7,000万円)と半分以下の金額となっています。

この2,000円の算出根拠は、令和3年と令和4年の総務省・家計調査の結果をもとに、電気・ガス・その他光熱費などの差額を算出し(R3とR4の差額31,000円)、それを1か月あたり、1人あたりとして、端数を切り上げたということです。6月からは電気代も20%以上も値上がりをしているのに、2,000円(1か月分)では、まったく話になりません。

(ちなみに、同じ補正予算の中でも、給食費などに関しては、食材の高騰分を直近の令和5年の上昇率で算出し、12か月分を考慮しています。)

それなのに、前回の半分以下を配るために要する経費は、約3,900万円と、前回の経費約4,700万円とほとんど変わりません。これが生活者支援と言えるのでしょうか。本当にこれだけの経費をかけて、「全員に」商品券を配らなければいけないのでしょうか。

本当に生活者支援ということであれば、他市でも行われているように、水道代を減免するような手法が、もっとも経費を抑えることができ、しかも漏れなく給付することが可能です。(前回の配布型の商品券であっても、配布後に使用されなかった商品券は約600万円にも達します。)

物価高騰、エネルギー価格の高騰は、非常に大きいものですが、当然その影響は所得の少ない世帯ほど大きいわけで、特に課税世帯でも、比較的収入が多くなくても、給付金の対象とならない世帯は多くあります。
例えば、給与収入が150万円程度でも、単身で、扶養家族がいない場合には今回の2万円給付の対象にはなっておらず、こうした世帯にこそ、物価高騰に対する支援を厚く行うことが必要になります。

何よりも悲しいことは、前回も同様の指摘をしているにも関わらず、市長はまったくそうした市民の声に耳を貸さずに、前回よりも非効率なバラマキを続けていることです。

そうした質疑と答弁を聞いても、議案は賛成多数で可決をされました。
これでよいのか。これが市民の声なのか。
私は違うと思っています。

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