議会報告 report

2024/04/02

令和6年度予算過去最高を更新

 令和6年度一般会計予算は、前年度を2.7%上回り、過去最高を更新する317億9,500万円です。(図1)
 令和元年以降、コロナ対策などで国から臨時的な交付金などが増加し、当初予算と決算では大きな乖離が見られるようになっています。

図1 恵庭市一般会計予算決算の推移

 歳入では、市税が過去最高の約88億円を見込んでいます。このうち、個人市民税は約33億円(定額減税を考慮せず)と過去最高水準ですが、直近10年間で納税義務者数が約31,000人から約36,000人と増加したことの影響が大きいです。もっとも大きな変化としては、やはりふるさと納税で、寄附金は変動要素が大きいため、わずかにしか計上していませんが、前々年度までにいただいた寄附を「繰入金」として計上しています。平成30年の時点では9億円ほどだったものが、令和6年度予算では33億円ということで、非常に大きな金額となっています。その結果、全体では、平成30年度と比べて約2割増となっています。(図2)

図2 恵庭市歳入予算の推移

 歳出では、障がい児給付費や児童手当等の増加によって民生費が、市民会館の耐震改修事業等によって教育費が、ごみの収集運搬費の増加などによって衛生費が、前年度と比べて増加しています。総務費も大きく増加していますが、平成30年度と令和3年度では、会計年度任用職員の人件費分(約7億)の影響が大きく、令和3年度と令和6年度では、ふるさと納税の関連事業費の影響(約8億)とDXなどシステム関連経費(約3億)などが増加の要因です。
 「その他」には、議会費(約2億1,400万円)、労働費(約2,400万円)、農林費(約4億6,500万円)、商工費(約4億6,600万円)などが含まれています。

図3 恵庭市目的別歳出予算の推移

 私たち市民と歩む会は、昨年の予算審査以降、指摘してきた事項についても一定の改善が見られることから、①地域コミュニティの再生に向けた取組、②基金の活用による市民ニーズへの積極的な対応、③外的変化への対応とバランスを評価し、令和6年度一般会計予算に賛成しました。

 なお、昨年の予算で指摘したことはこちらです。
 1点目の市民参加に関して、女性登用率は微増、パブリックコメントについては、案件にもよりますが、事前周知を行うことなどにより、前年度と比較するとかなり増加しています。市民参加に対する市役所の意識ということでは、まだまだ十分ではないと感じることもありますが、数字で評価できる部分では改善されていることも事実です。

 2点目の経常収支については、花の拠点の赤字などについては大きな変化はありませんが、北海道文教大学との連携による地域創造研究センターの協力を得て、地域産業連関表の作成と活用などに取り組んでいるところです。産業連関表の活用が進むことは、根拠に基づく政策決定が推進されることにもつながり、これまでのような数字の裏付けのない観光投資から脱却することが可能になります。

 外部環境の変化に対応していく上で、こうした変化は小さいものではありますが、重要なものと捉えています。

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