議会報告 report
2025/12/30
政策変更はなぜ?見えない意思決定
第4回定例会の一般質問では、1市長の所信表明、2会計年度任用職員の処遇改善、3除雪体制、4ゼロカーボンシティの実現の4点の質問をしました。
(私の通告は3ページ目から5ページ目です)
1点目の市長の所信表明では、これまでの議会では実施しないと答弁をしたものなど、方向性に大きな変化があった4点、
(1)ファイターズファーム誘致、
(2)産科医誘致、
(3)第2子以降の保育料無償化、
(4)財政運営の基本指針
について、現状認識など、何が変わったのかを確認しました。
再質問以降、何が変わったのかという点について、市長からの明確な答弁はなく、政策変更の理由は明らかになりませんでした。
(1)ファイターズファーム誘致
ファイターズファーム誘致については、前回第3回定例会において、市長はかなり意識的に誘致を進めるとは答弁しませんでした。今回誘致という表現に変わった要因のひとつは、選挙公約の中で誘致と書いたことのようですが、一方で特段変化があったということではないそうです。
市の施策として、誘致を進めるということではありますが、まちづくり基本条例が第9条で定めている「政策の形成」に当たっての、「市民が意見を述べる場、市民が協議する場や提言を行う場」などを設ける考えはないということです。
(2)産科医誘致
産科医誘致については、全国的な少子化や医師不足の中で新たな産科医療確保の困難性の認識に変化はなく、道内の産科医が減少しているという認識もあるなかで、道内の他の産科医療機関にどう影響するかも考える立場にはあらず、誘致の可能性について積極的に取り組むとの答弁です。
それならば、この6年間で何か手立てをうてたのではないかと思いますし、だいぶ後手にまわってしまったと思いますが、何か見通しがついたということなのか、今後の進め方を注視していきたいと思います。
(3)第2子以降の保育料無償化
第2子以降の保育料無償化については、道内自治体において、多子世帯に対する保育料の負担軽減の拡大、拡大検討の動きが徐々に増えるなど、本市を取り巻く情勢が変化してきており、第2子以降の保育料無償化について、今後検討が必要であると認識をしたそうです。
こちらについては、わずか半年前の第2回定例会で、新岡議員が質問した際には、すでに「北海道内では、第2子以降の保育料に関して、所得制限を設けずに無償化するなど、独自の拡充策を実施している市町村もあると承知しております」と答弁していました。それにも関わらず、あえて「現時点では、多子世帯に対する減免を拡充する予定はありません」というゼロ答弁をしています。
今回の答弁では、当時は新岡議員の質問がR5年度所得制限なしで無償化している北海道内の市が18市であるという質問だったが、今回調査したところ、R6年度では道内で22市が所得制限なしで無償化しており、さらに無償化が広がったことから、子育て支援を取り巻く環境が変化していることを改めて認識されたそうです。
質問者によって、答弁を使いわけているのだというのが、私の感想です。
(4)財政運営の基本指針
財政運営の基本指針については、地方債の充当率の引き上げと、それに対する交付税での措置など、その他さまざまな変化があるということですが、それは令和3年に改定した財政運営の基本指針にも書かれていたことで、その後の指針変更の必要性ということに関しては、何が変わったということなのかはわかりません。
最後に
最後の市長の答弁では、所信表明で言ったことは、4年間の中で実施をすることで、詳細はこれから考えていくとのことでした。それならば過去に議会で提案された時点ではなぜやらなかったのかということをお聞きしたかったところですが、結局のところ、議会からの提案で実施するのではなく、あくまでも自分の考えで政策を進めたということにしたかったのだという印象です。
政策変更のときにこそ、開かれた議会の中で真摯な答弁がなされなければ、政策の形成過程は明らかにならず、議会の議論自体が無意味です。
[…] 4 政策変更はなぜ?見えない意思決定(12/30更新)https://kashiwano.info/article-7087.html […]