議会報告 report

2021/11/29

本当に必要なところに届いているのか

前回のつづきです。

初日の議案では、一般会計の補正予算が提案をされました。
  
補正予算(第7号)
内容は非常に多岐にわたっており、新岡議員からは2項目、私からは4項目の質疑を行いました。

その中で、最も注目をしたのは、「恵庭市高齢者世帯等冬の生活支援事業費(2800万円)」です。

これについては、10/15付で議会から、市長に対して要望書を提出していたところであり、
その実施については異論はありません。

問題なのは、その対象です。

前回、平成30年にも同様の事業を行なっていますが、質疑への答弁では、今回もこの考え方を踏襲しています。
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/material/files/group/13/D.pdf

試算では、
高齢者世帯 2000世帯
ひとり親世帯 400世帯
障がい者世帯 300世帯
で、合計2700世帯を対象と考えています。

ただ、対象の範囲としては、世帯全員が住民税非課税であることが要件となっています。

国でも補正予算で、いくつかの給付金を決定しているところですが、
・住民税非課税世帯に対する給付金(住民税課税だと対象外)
・学生支援緊急給付金(自宅から通学し、家計から学費を出していると対象外)
・子育て世帯に対する給付(19歳以上の子どもは対象外)

このようになっており、
自宅から通学している19歳以上の学生さんがいる世帯や、
住民税は課税されているが、コロナの影響で大きく減収している世帯などは、
国の給付金からも漏れ、恵庭市の支援も受けられないということになります。

他の制度もあるということは理解をしていますが、
市長は所信表明の中でも、「コロナ対策として(中略)、国や道などと十分連携しながら、コロナで影響を受けた世帯や売り上げ回復を目指す事業者への支援を行ない」とも述べており、私からはコロナの影響により減収の著しい世帯などを対象に追加できないのかということを繰り返し求めました。

この事業の中では対象としないが、他で検討するということですので、ぜひ国の支援から漏れる世帯についての検討を早急に進めていただきたいと思います。

その他3点のうち、花の拠点整備事業費(1774万円)では、開業当初に掘削した井戸の水質が悪く、植栽の管理用に使用できない状態にあることから、いくつかの手法を比較検討した結果、新たに井戸を掘削する経費を計上しています。
水道使用や鉄分除去などよりも経済性が高いということ、これに伴う運転管理経費の増加はないということですので、期待した水質が確保されるのであれば、妥当な判断ではないかと思います。

最後の2点は、全国都市緑化フェアの開催事業費(733万円)と、
債務負担行為による全国都市緑化フェアの整備事業費(1億100万円)です。

債務負担行為は、あらかじめ将来の債務の上限額を予算として決めておくことで、年度をまたいだ契約などを可能とする手法で、緑化フェアを来年の6月に開催することから、一部の工事などを年度内に発注する必要があるということは理解できます。
一方で理解できないのは、それが実行委員会の経費ではなく、恵庭市単独の経費としているところです。

当初から、緑化フェアの開催事業費は総額で7億円としており、実行委員会の主催者負担金、約4億3000万円のうち、国庫支出金をを除く負担額を恵庭市と北海道が折半、会場整備費の3億円弱は恵庭市が負担ということでした。
ただ、この会場整備費については、フェア開催後も活用できるためという説明でしたので、中島公園の出入り口の道路工事や、はなふるの関連工事については理解ができるものの、ステージやプレハブのリース料(約4000万円?)も恵庭市が単独で負担をする必要があるというのは、理解に苦しむところです。

また、今回の補正で追加された733万円については、「コロナ禍の影響により、イベントの周知が十分行えていない状況に対応するための、市内に特化したPRの充実やノベルティの作成経費」という説明です。

プレイベントが中止となっていることを考えると、予算としても活用できる余地があるのではないかと思いますし、そもそもの緑化フェアの主たる事業目的が、市外・道外に向けた認知度向上や交流人口の拡大ということから考えると、その使途や手法には工夫の余地があるのではないかと思います。

恵庭にとって、過去にない大きな事業であり、これをまちづくりに活かしていくということは大切だと思っていますが、だからといって、経費を際限なく使えるというものでもありません。もちろん現場では、十分な検討の上で進めていただいているものとは思いますが、議会として、補正予算に関して、指摘できる場面は多くないので、精一杯思いをお伝えしました。

以上のような質疑を経て、
補正予算案については、全会一致で可決となりました。

第4回定例会に提案された議案(初日)はこちらからご覧いただけます。
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/kurashi/shiseijoho/shigikai/kaiginogoannnai/giannitirann/shigikaiteishutsugian/12006.html

皆様のコメントを受け付けております。

記事に投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください