議会報告 report

2025/07/24

モノゴトは議会の外で決まる

第2回定例会が閉会して、2週間ほどですが、
7/14(月)に臨時議会が開かれ、補正予算を含め4件の議案が審議されました。

補正予算の内容は2件で、
・えにわ応援商品券2025事業と
・こども食堂運営事業者支援事業です。

商品券の配布については、これまで何度かブログでも報告をしてきましたが、
物価高騰に対する支援は、全員一律で給付・配布を行うのではなく
必要性の高い人に、より手厚い支援を行うべきだと考えています。

ここ数年で、恵庭市が行った商品券事業は、
R2配布型(5,000円)、R3販売型、R4配布型(5,000円)、R5配布型(2,000円)で、
目的は、市民生活の支援であったり、事業者支援も含んでいたりとさまざまでした。

今回は、生活者支援を目的に、1人に2,500円(最大3,000円分として使用可能)を直接送付で配布するというものです。

2,500円という金額の算定根拠は、前回と同様で総務省の家計調査を用いて算出しており、令和5年と令和6年の年間消費支出金額をもとに、月4,246円の支出増、1世帯が約2名なので、1人あたり2,123円の支出増で、端数調整をした結果との説明です。

総務省家計調査
https://www.stat.go.jp/data/kakei/

そもそも1か月で2,123円の支出増なのに、2,500円を配ったからといってどんな意味があるのでしょうか。

さらに、家計調査は、全体の約55%を占める勤労者世帯と、約34%を占める無職世帯などを合わせた数字となっており、現在のように、勤労者世帯の実収入が伸びているような状況においては、物価の上昇だけではなく、可処分所得の伸びによる消費の増加分も含んでいることから、困っている世帯の支出の増加を把握するための指標としては妥当ではありません。
(同じ総務省の統計でも、消費者物価などを指標とすべきだと思います)

令和4年度に実施した商品券事業では、総額約4億1,200万円の事業費に対して、事務費は約4,700万円の想定で、割合としては約10%でした。前回の令和5年では、約2億1,200万円に対して3,900万円の事務費で18%、今回は総額2億6,000万円に対して事務費4,200万円で16%と非常に事務費の割合の高い事業となっています。

もしどうしても全員に配布をしたいというのであれば、もっと事務コストの低い方法を選択するべきです。

また、前回批判したからか、今回は事業者支援の要素はなかったようですが、回を重ねるごとに、参加する店舗・事業者は減少しており、商品券自体も利用の偏りの大きい、日常的な現金消費が商品券に置き換えられただけであることが、明らかになっています。

それであればなおのこと、わざわざ職員に残業をさせて、商品券を配布する意味はないはずです。

詳しい中身はわかりませんが、市議会の自民党会派と公明党会派が、6月17日に物価高対策を求める要望書を提出し、それがこの事業を実施することにした理由のようです。

令和5年第2回定例会では、市長は「議員のお話は、前回も含めて十分お聞きをして、今後に活かして参りたい」と答弁していますが、恵庭市においては、議場での議論よりも、議場の外での要望書のほうが、重視されるようです。

私たち市民と歩む会(新岡、柏野)は、物価高騰に対する支援は、全員一律で給付・配布を行うのではなく必要性の高い人に、より手厚い支援を行うべきだという考えで、補正予算に反対しました。

議案は、賛成多数により可決されました。

(過去の記事)

2023/6/10 どこまでもバラマキ

2022/9/2 市民全員に5,000円の商品券

2022/8/20 バラマキの商品券は誰のため

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