主張 opinion
2025/12/28
議員のボーナスを上げる前に
これまでも、議員等の期末手当が著しく高いということは指摘してきましたが、今年度も、議員提案によって、期末手当の引き上げが行われました。
根拠としては、人事院勧告に準拠したということのようですが、人事院勧告はあくまでも一般職の国家公務員を対象としたものです。
独自に人事委員会を持たない自治体において、一般職の公務員がそれに準拠するというのは理解できます。
国の特別職については、勤勉手当がないことから、期末手当の支給月数を増やしているとはいえ、一般職の期末・勤勉手当よりは少ない3.5か月分としています。市議会議員も国や北海道にならうということであれば(北海道はまだ審議会の結論が出ていないため確定前)、3.5とするべきところ、なぜか国の一般職と同じ4.65に引き上げるというのが今回の提案です。

これまで何度もこの点は指摘してきましたが、
自治体の特別職でも一般職(に支給月数を合わせる)モデルを採用している自治体もあると副市長や総務部長が答弁し、そうした説明を特別職報酬等審議会でもしてきたことから、審議会の中でも特に問題視されてきませんでした。
なぜ一般職モデルをとってきたのか、という点については過去の経緯というばかりで、明確な説明があったわけではありません。なお、恵庭市においては、過去には議員などの支給月数が一般職の職員の支給月数を上回っていたこともあり(平成15年、議員4.95か月に対して、市長・一般職は4.40か月等)、恵庭で一般職と議員の支給月数を合わせるようになったのは、平成21年からの話です。
過去の経緯がどうであれ、その考え方に合理性がないのであれば、改めるべきです。
私は職務専念義務がない特別職に対して、国の特別職を超える月数(勤勉手当分)は、支給するべきではないと考えています。
もし、その総額を変えたいのであれば、そこも含めて審議会に丁寧な説明を行い、市民の評価を仰ぐしか方法はありません。
例えば栗山町議会のように、全国に先駆けて議会改革を進め、議会基本条例を制定したことで他の自治体議会からも認められるようになったところがあります。それにも関わらず、議員の担い手不足という課題は深刻であり、過去10年では2回、選挙が無投票となっています。
議会が一丸となって、議員養成のための取組も進めた結果、立候補者は増えたようですが、若年層の立候補を促すためにも、報酬をあげるということです。
栗山町議会28年ぶり報酬アップ 議長は3割増の39万円で道内町村最高額 物価高ではないその理由
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1251422
市民にも見える実績を重ね、成果をあげた上で、報酬を引き上げるということであれば、反対するものではありません。
しかし、長年議論をしてきても、議会基本条例も制定には至らず、ハラスメントに関する問題が生じていながら、報道された案件以外でのハラスメント調査やアンケートも実施されず、実効性を担保するための条例改正もできていません。
そもそも前回、報酬の引き上げを検討し、市民に説明をしたときに、「その前にやることがある」と市民から指摘をされたことを、今の議員がどれだけ受け止めているのでしょうか。
私は、議会基本条例の制定やハラスメント根絶条例の改正、ハラスメントアンケートや実態調査などの形式的なことに加えて、議会改革の取組が実を結び、市民の課題解決に資する議会、市民から評価される議会となって初めて、報酬の改定が検討できるのだと考えています。
少なくとも、今のままで報酬をあげる必要はありません。
私は、これまでもこの不当に高い期末手当の引き上げに反対し、超過分については、受取拒否のために供託してきました。
2025/02/21 供託の総額は276万円になりました。
https://kashiwano.info/article-6705.html
今回も、前年と同様、1.15か月分、489,900円を12/25に供託しました。
供託の総額は3,258,900円になりました。
今は宙に浮いている状態ですが、私が議員をやめたときに、恵庭市が受け取ってくれるものと思います。
[…] 8 議員のボーナスを上げる前に(12/28更新)https://kashiwano.info/article-7096.html […]