議会報告 report

2024/10/28

第5回口頭弁論

昨年、恵庭市が提訴された障がい者虐待に関する事案について、私もできる限り裁判の傍聴をしていますが、それぞれの主張(陳述)は書面で行われ、傍聴者にはその書面が示されないことから、裁判所に行くだけではやりとりの内容がわかりません。

そのため、これまでの質問でも、市の主張に関する資料は公開すべきということを述べております(障がい者裁判の資料を公開すべし「かしわのブログ」2024年7月19日)。

 市は私が本会議で質問を行った9月18日にウェブサイトを更新し、反論の内容を市民に対しても示しました。

 陳述の内容は、市のウェブサイト原告弁護団が情報を掲載しているウェブサイトでもご覧いただくことができます。それらを見る限り、市が積極的に障がい者の実情を調査、把握し、権利を守ろうとする姿勢は感じられず、責任回避に終始しています。

 次回、第6回口頭弁論は11月18日(月)15:00からの予定です。

<過去の関連記事>

障がい者虐待を放置? (2023/10/28)
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虐待の認識はなかった?! (2023/12/21)
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障がい者の現状把握は十分か(2024/4/17)
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障がい者裁判の資料を公開すべし(2024/7/19)
https://kashiwano.info/article-6473.html

<第3回定例会 一般質問>

(質問)
虐待の早期発見に向けた取組の妥当性について

 昨年から民事訴訟が行われている事案について、原告の主張に対する反論を8月5日までに裁判所に提出することになっていたと思いますが、市の反論の内容がどのようなものであったのか、その主張の妥当性について伺います。

(答弁)
 虐待の早期発見にむけた取組の妥当性についてお答えいたします。

 原告の主張に対する本市の反論の内容についてでありますが、本市では、令和6年6月12日付原告準備書面(2)に対する認否反論として、被告恵庭市準備書面(3)令和6年8月5日に裁判所へ提出しており、この内容については、本年9月4日に開かれた第5回口頭弁論で陳述しているところであります。

 今回の本市の主張の概要につきましては、まず原告側が主張する被告恵庭市の不作為の違法性について、原告側は、被告恵庭市は遅くとも2017年(平成29年)2月8日までには、牧場関係者らによる原告らに対する虐待が行われている可能性があることを認識しており、必要な虐待調査及び北海道への通知を行わず、これを放置したものであり、この不作為について、裁量権の逸脱、濫用が存在するとの主張をしております。

 これに対して、恵庭市は、2017年2月8日までには、牧場関係者らによる原告らに対する虐待が行われていることを認識しておらず、また、原告ら障がい者本人による訴え、届け出だけでなく、虐待を受けたと思われる障がい者を発見したものの通報もなかったこと、及び聞き取りにより虐待はなかったと判断したことから、原告の主張は不正確であり、結論ありきの主張といわざるをえないと反論を行なっております。

 また、原告側が主張する恵庭市の作為の違法性においては、原告側は、虐待案件として扱う相応の根拠があるにもかかわらず、被告恵庭市が虐待案件として取り扱いを拒否することや、積極的に虐待を隠蔽することは法の趣旨・目的を逸脱するものであり、裁量権の大幅な逸脱・濫用との主張をしております。

 これに対し、本市は、虐待案件として扱う相応の根拠があるのにも関わらず、虐待案件としての取扱を拒否したことも、積極的に虐待を隠蔽したことはなく、原告らにおいて、虐待案件の取扱の拒否、積極的に虐待を隠蔽した事実を主張するなら、具体的に特定されたいと反論を行なっております。

 また、原告側が主張する被告恵庭市の責任において、原告側は、恵庭市の行為は、作為、不作為についても違法性が認められ、このような行為を行った恵庭市には、国家賠償法1条1項の故意が認められるとの主張をしております。

 これに対し、本市は、故意に原告らのいう作為・不作為を行なった事実はないと反論を行なっております。

 なお、原告側が言う、必要な調査、指導及び北海道への通知などを怠ったことについて、被告恵庭市には予見可能性と結果回避可能性に裏付けられた過失が認められるとの主張に対しては、本市は、対象が不明確であり、具体的内容を明らかにされたいと反論を行なっております。

 最後に本市の主張の妥当性についてでありますが、いずれの反論についても、妥当であると考えております。


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